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新発見、未発表作品を完全収録する決定版全集!

決定版 三島由紀夫全集 第38巻

三島由紀夫/著

6,264円(税込)

本の仕様

発売日:2004/03/10

読み仮名 ケッテイバンミシマユキオゼンシュウ38
シリーズ名 全集・著作集
全集双書名 決定版 三島由紀夫全集
発行形態 書籍
判型 四六判
頁数 1,010ページ
ISBN 978-4-10-642578-3
C-CODE 0395
ジャンル 全集・選書
定価 6,264円

学習院初等科在学中に遠足先より祖母に宛てた絵葉書から、三島の没後にD・キーンの許に届けられた遺書を兼ねた手紙まで、141人宛800余通の書簡を集大成。三島の素顔を垣間見させる興趣深い一巻。

著者プロフィール

三島由紀夫 ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

書評

波 2003年12月号より 三島由紀夫全集の現在 決定版 三島由紀夫全集

田中美代子

 さしも広大な三島由紀夫の世界も、この十一月に、第三十六巻(評論十一)までまとめられて、一段落。平成十二年十一月の刊行開始からまる三年、私たちは山坂を越え、息もつかずにここまで登りつめた、という感慨が深い。
 今回の決定版全集は、没後の第一回全集を経て三十年、山中湖村に開設された三島由紀夫文学館の協力を得て、少年時代の習作、草稿、創作ノートなど、久しく待たれていた未公開資料が収録できたのは、何よりもうれしいことである。
 当時に比べて研究が充実深化するのは当然としても、三島文学には、これを取り巻く一種魔的な磁界があって、絶えずマニヤックな研究家、コレクターをひきよせるかのようであり、佐藤秀明、井上隆史、山中剛史氏をはじめ、編集協力の諸氏は、いずれも“考古学者の執念をもつ”資料発掘の鬼であり、時には古代文字解読のアクロバット的努力をも要して、全体像は雲間から徐々にその威容を現しつつある。
「全集には断簡零墨まで収録すべし」というのが、そもそも旧全集からの著者の遺言だが、無論これは“三島由紀夫ならでは”の自負の言と読める。四方に飛び散った飛沫の一粒々々が、ことごとく小さな光を宿して燦めくように、呪術にかかった言葉たちは読者の魂を痺れさせ、誰しも一滴まで、その醍醐味を追求せずにはいられないのだ。
 さて因縁の十一月、無事「檄」までを収め終って一息いれ、次の巻からはいよいよ第二段階に入る。
 詩歌(第三十七巻)、書簡(第三十八巻)、対談・鼎談・座談(第三十九・四十巻)、音声(CD)(第四十一巻)、作品年表、著書目録、被翻訳作品目録、上演・上映・放送目録、年譜(第四十二巻)、さらに、当初の予定にはなかった補巻を追加する予定で、補遺(小説、戯曲、評論、翻訳、創作ノートなど、刊行途中で発見されたもの)、参考文献一覧、索引などが収録される。いずれも新しい収録編纂で、完璧を期するため、今後は、原則として隔月刊の予定である(旧全集では不可能だったCDによる自作朗読なども、時満ちての収録である)。
 第三十七巻の詩歌では、今回初収録のものが四八六篇(旧全集一七二篇)で、これは主に幼・少年時代に書かれたものであり、手づくりの詩集やノート十六冊から収録された(三島由紀夫文学館蔵の二冊以外は、あとで三島家から発見されたもの)。
 これらは、あの短篇小説「詩を書く少年」の背景をなすもので、作中の「一週間詩集」なども実際に存在したことが確認される。十代後半には殆ど終息してしまうその旺盛な詩作活動は、たしかに三島文学形成期の秘密の鍵であることはまちがいがない。
 第三十八巻の書簡。戦時中、勤労動員先の工場から両親宛に出された二十七通、「花ざかりの森」刊行時、世話になった富士正晴宛の十九通、戦中戦後の文学活動の一端が知られる中河与一宛八通、中村光夫宛二十八通は、心安い先輩への打あけ話。眷恋の「サロメ」上演のため、台本の使用許可依頼から公演まで一連の経過がわかる日夏耿之介宛の六通。幸福な同時代者・澁澤龍彦宛三十六通、だが友情にヒビの入りそうなモデル問題(「暁の寺」の独文学者)にはいち早く弁解の一通。神風連取材にまつわる荒木精之宛九通など、大半は未公開の書簡であり、その時々の生活や執筆の背景があざやかに浮かびあがってくる。
 北杜夫宛十通の内の一通などはいかにも微笑ましく、公表すれば悪口となるべき書評が、雑誌にはあえて別のものと差し替え、そのまま友情溢れる私信に化けてしまうという経緯が分かる。
 第三十九・四十巻。対談・鼎談・座談は、全体で三百篇以上もある。大方は評論と遜色のない充実したもので、旧版では割愛せざるをえなかった単行本、たとえば林房雄との「対話・日本人論」、中村光夫との「対談・人間と文学」、伝説の「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘」、さらに、対談集「尚武のこころ」「源泉の感情」。また文壇のみならず、演劇界、映画界、政財界などにわたる、当時の華やかな交友関係が偲ばれる。
 補巻は拾遺集で、三島由紀夫の潤色・NLT公演「リュイ・ブラス」台本、また三島由紀夫文学館蔵の新発見の作品では、中等科四年時代の作文「神官」「冬山」、さらに「梅枝」「菊薫る環物語」「二令嬢」、幻の作「模倣の恋」創作ノートなど解読すべき作品が山積しており、当分資料探索の旅が続きそうである。「僕は鯨と同じで、骨も筋も皮も無駄に捨てられるものは何もないんだ」という三島由紀夫の言葉を噛みしめている現場である。

目次


県洋二 宛
阿川弘之 宛
秋永悦郎 宛
秋永俊治 宛
芥川比呂志 宛
芥川留利子 宛
東菊枝 宛
東ケン(文彦) 宛
荒木精之 宛
伊沢甲子麿 宛
磯田光一 宛
伊藤勝彦 宛
伊藤佐喜雄 宛
伊東静雄 宛
戌井市郎 宛
井上靖 宛
今村靖 宛
岩淵達治 宛
臼井史朗 宛
遠藤周作 宛
大岡昇平 宛
大岡信 宛
奥野健男 宛
小高根二郎 宛
影山正治 宛
桂芳久 宛
金子弘道 宛
川口松太郎 宛
川路明 宛
川島勝 宛
川路柳虹 宛
川戸照智 宛
川端康成 宛
河盛好蔵 宛
神崎陽 宛
キーン、ドナルド(Donald Keene) 宛
菊地勝夫 宛
北川晃二 宛
北村小松 宛
北杜夫 宛
木村徳三 宛
倉内良尚 宛
倉持清 宛
栗原智仁 宛
河野司 宛
児玉克己 宛
今野茂雄 宛
サイデンステッカー、エドワード・G(Edward G. Seidensticker) 宛
坂本一亀 宛
佐々木桔梗 宛
佐佐木幸綱 宛
笹原金次郎 宛
式場隆三郎 宛
澁澤龍彦 宛
清水文雄 宛
清水基吉 宛
新藤凉子 宛
菅原国隆 宛
杉村春子 宛
スコット=ストークス、ヘンリー(Henry Scott-Stokes) 宛
スターク、ウォルター(Walter Starcke) 宛
高木健夫 宛
高橋清次 宛
高見順 宛
田坂昂 宛
楯の会会員 宛
伊達宗克 宛
田中千世子 宛
田中冬二 宛
田中美代子 宛
谷川俊太郎 宛
谷崎潤一郎 宛
玉利斉 宛
檀一雄 宛
塚本邦雄 宛
堤清二 宛
椿実 宛
出口裕弘 宛
堂本正樹 宛
十返肇 宛
徳川義恭 宛
徳永昭三 宛
中井英夫 宛
中河与一 宛
中里恒子 宛
中村歌右衛門 宛
中村真一郎 宛
中村哲郎 宛
中村光夫 宛
中康弘通 宛
中山正敏 宛
中山和敬 宛
新堀喜久 宛
西久保三夫 宛
西部博之 宛
野田宇太郎 宛
野津甫 宛
野間宏 宛
橋川文三 宛
蓮田善明 宛
蓮田敏子 宛
林房雄 宛
日夏耿之介 宛
平岡梓 倭文重 宛
平岡なつ 宛
平岡美津子 千之 宛
福田恆存 宛
藤島泰輔 宛
藤田圭雄 宛
富士正晴 宛
藤原岩市 宛
舟橋聖一 宛
坊城俊民 宛
堀口大学 宛
本庄桂輔 宛
松浦竹夫 宛
松浦博 宛
松浦芳子 宛
松尾聰 宛
松永材 宛
松本道子 宛
真鍋呉夫 宛
水本光任 宛
三谷信 宛
三輪良雄 宛
武者小路実篤 宛
村松定孝 宛
村松剛 宛
安岡章太郎 宛
山口広一 宛
山口基 宛
山上綾野 宛
山本舜勝 宛
リンチ、ジョージ・H(George H Lynch) 宛
和田艶子 宛

 [参考書簡]
 東ケン 宛
 鹿島三枝子 宛
 川路柳虹 宛
 平岡梓倭文重 宛
 村松剛 宛
 モリス、アイヴァン(Ivan Morris) 宛
 柳沢彦三郎 宛
 渡辺公夫 宛

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