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肉体の門・肉体の悪魔

田村泰次郎/著

2,530円(税込)

発売日:2003/02/07

  • オンデマンドブックス

敗戦後の混沌とした風俗を大胆に描写して、半ば自棄的になっていた当時の人々に大いに迎えられた、記念すべき作品群。

肉体の解放こそ人間の解放であり、肉体が思考するとき真の人間性の確立もある。肉体とは一つの強靱な意志であり、生命力なのだ。――戦場における精神や思想の無力さの痛感を基底に、敗戦後の混沌とした風俗を大胆に描写して、半ば自棄的になっていた当時の人々に大いに迎えられると共に、現代的文学状況の先駆となった記念すべき作品群。表題2作ほか「女盗記」「霧」「「街の天使」系譜」「男禁制」「鳩の街草話」5編を収録。

書誌情報

読み仮名 ニクタイノモンニクタイノアクマ
シリーズ名 新潮オンデマンドブックス
発行形態 オンデマンドブックス
判型 新潮オンデマンドブックス
頁数 222ページ
ISBN 978-4-10-865252-1
定価 2,530円

著者プロフィール

田村泰次郎

タムラ・タイジロウ

(1911-1983)三重県に生まれる。早稲田大学在学中から小説、評論などを次々と発表し、有望な新人と目されていたが、太平洋戦争開始を前に応召。中国各地を転戦し1946年に帰還する。「日本の女には貸しがある」と叫んだ言葉の通り、男女の肉体と欲望を描くことで人間の魂に迫ろうとする作品で戦後文壇に華々しく躍り出た。『肉体の悪魔』を始めとして『肉体の門』『春婦伝』『男鹿』『蝗』『地雷原』など、戦場を潜り抜けた人間だけが持つ独特の生命観に裏打ちされた文字通りの「肉体派作家」として熱狂的に支持される。1967年に脳血栓で倒れる。以後ほとんど執筆をすることがなかった。

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