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世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い―

浜島裕英/著

748円(税込)

発売日:2005/03/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

「屈辱は絶対に晴らす――」。惨敗から20年、ついに彼らは宿敵ミシュランを倒した。

失敗は開発のチャンス――。国際舞台での敗戦がつづくなか、敗因の分析からすべては始まった。F2、DTM、インディ500と経験を重ね、ついに最高峰のF1に参戦。そして、強大な宿敵ミシュランに圧勝し、二十年前に喫した惨敗の屈辱を晴らす。タイヤ開発の苦闘、過酷なレースの内幕、F1の経済学、M・シューマッハーの素顔など、日本人エンジニアが描くモータースポーツの世界。

目次
プロローグ――二〇〇四年十月インテルラゴス
  I
1 ひよっこエンジニア
就職か大学院か
新人研修
夜は夜で焼酎に
タイヤを見れば運転がわかる
配属に耳を疑う
基本のキから
「自分で考えてみな」
お尻に円くゴミ箱のあとが
実験に明け暮れて
最初で最後の商品
2 失敗に学ぶ
燃費も騒音も関係なし
ラジアルかバイアスか
ミシュランにこてんぱん
ラップタイムだ!
発想を転換して
システムの遅れは歴然
願ったりかなったり
コンピュータの準備期間
レースが待ち遠しい
3 F2からDTM、そしてインディ
メルセデスと組む
インディ参戦
基礎体力を蓄えて
企業人としての勝つ意味
トップの間にも温度差
4 念願のF1へ
十チームを二社で
イギリスで事務所を開設
トップチームからようやく
ワンメイクは苦しい
二十年前の屈辱は絶対に晴らす
手の内を見せずに
  II
1 タイヤからレースを見る
チームの差はすべての局面で
摩擦の科学が通用しない
頑固なマクラーレン
彼らは緻密である
ドライバーにフィットネスは不可欠
ハッキネンもクルサードも
サーキットを分類すれば
三日体制
一レースに一四〇〇本
走行後のタイヤは宝物
敗因はどこにあるのか
2 F1の経済学
FIAの組織力
収入源には四つの柱
FOM社長のビジネス感覚
ロゴでチームの経済力がわかる
タイヤ会社にシワ寄せが
チーム数が減っていく
3 シューマッハーはなぜ強いのか
運命の逆転
テストでも全開で走る
体がセンサーになっている
炎のなかを微動だにせず
自分たちの代表選手
ビジョンを描く
トロが大好物
王者の助手席で
4 サーキットの四日間
砂、砂、砂
ジャーナリストの質問
サーキットの「お散歩」
シェフも給仕人も
偵察はお互い様
鑑識課のような仕事
立て続けに三台が
論理的な根拠を示す
フリー走行の駆け引き
決戦前夜はカツ丼で
ピットイン戦略
車検場で敵のタイヤを
次の開催地に向けて
エピローグ――現場こそ最上の教室

書誌情報

読み仮名 セカイサイソクノエフワンタイヤブリヂストンエンジニアノタタカイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610110-6
C-CODE 0253
整理番号 110
ジャンル 趣味・実用、芸能・エンターテインメント、スポーツ
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/02/24

蘊蓄倉庫

F1とカツ丼

 F1決勝前夜。フェラーリにタイヤを提供するブリヂストンはある「儀式」を行なう。なんと、全員そろってカツ丼を食べるのである。「カツ」で「勝負に勝つ」、「うまかった」で「ウマ勝った」(フェラーリのエンブレムは「馬」)という語呂合わせらしい。きっかけは2003年3月のサンマリノ・グランプリ。この年は開幕から調子が上がらず、そこでゲンをかついでカツ丼を食べたところ、見事に優勝。以後、カツ丼はチームの守り神となっている。実際、同年8月のハンガリー・グランプリでは、和食店のご飯が売り切れていて食べられず、翌日のレースは惨敗してしまった。ちなみに、外国人エンジニアにもこの和風の味は人気という。

掲載:2005年3月25日

著者プロフィール

浜島裕英

ハマシマ・ヒロヒデ

1952(昭和27)年東京生まれ。ブリヂストン・モータースポーツタイヤ開発室長。東京農工大学工学部大学院修了。二十数年にわたり、F2、DTM、インディ500、F1など、モータースポーツの世界でタイヤのエンジニアとして活躍。

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