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【特集】仁義なき聖書ものがたり 旧約聖書ヴァイオレンス・ガイド

芸術新潮 2016年6月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/05/25

発売日 2016/05/25
JANコード 4910033050667
定価 1,466円(税込)
【特集】特別聖年記念
仁義なき聖書ものがたり
旧約聖書ヴァイオレンス・ガイド

◆ special features ◆─────────

第1部
ザ・旧約聖書ストーリーズ
すべては神ヤハウェから始まった
架神恭介 文

1 天地創造
2 アダムとエバ
3 カインとアベル
4 ノアの箱舟
5 バベルの塔
6 ソドムとゴモラ
7 イサクの犠牲
8 ヤコブとエサウ
9 ヨセフの出世
10 モーセの召命
11 出エジプト
12 エリコ攻略戦
13 サムソンとデリラ
14 ダビデとゴリヤテ
15 バト・シェバ
16 ソロモン王とシェバの女王
17 アハブ王
18 バビロン捕囚
19 エステル
20 エズラ

旧約聖書ざっくり系図
五月女ケイ子 イラストレーション

教えて旧約聖書!
イエス・キリスト以前の混沌ワールド
加藤隆 答える人 長場雄 イラストレーション

第2部
聖書と美術
――禁断の図像史
池上英洋 文・図版解説

I 描き続けられるアダムとイヴ
II “理不尽な神”を畏れよ
III ダヴィデのペニスにみる
美意識と民族意識
IV イヴの娘たちを追いかけて
――美しく罪深きヌードさまざま

column ロマン主義画家が描いた聖書の女たち
――フランチェスコ・アイエツ

◆ special feature ◆ ──────────

第2特集
ギリシャ正教の聖地
アトス巡礼
原始キリスト教の祈り
写真・文 中西裕人

◆ art news ◆ ─────────────

◇exhibition◇

吉増剛造
永遠のスローモーションへ
対談 吉増剛造×佐々木中

失われし着物を求めて
谷崎文学のもうひとつの愉しみ方
文 坂本葵

◇dialogue◇

特別対談
朝井まかて×日野原健司
知られざる女絵師・応為とは何者か

◇movie◇

『葛城事件』を語る
主演・三浦友和×監督・赤堀雅秋
正義の矛先がずれたとき

◇review◇

「メディチ家の至宝――ルネサンスのジュエリーと名画」展より
タナカヤスオ
横井弘三
七搦綾乃

◇global news◇

New York「トム・サックス:茶の湯」展
Paris「パウル・クレー:皮肉が効いている」展
London「自己顕示主義:ザ・ローリング・ストーンズ」展
Milano「ウンベルト・ボッチョーニ(1882-1916):天才と記憶」展


◆ regular features ◆ ──────────

◇巻頭◇

FLOWER
日々の花〈14〉
沖潤子
文 市村美佳子

PHOTO
作家が覗いたレンズ〈26〉
貴司山治
選・文 森岡督行

GOODS & SHOP

◇短期集中連載◇

デトロイト美術館
の奇跡
DIA: A Portrait of Life
〈2〉ロバート・タナヒル
《マダム・セザンヌ》
一九六九年
原田マハ

◇連載◇

海外アート
Study最前線〈14〉
文 前橋重二

定形外郵便〈26〉
文 堀江敏幸

伊藤まさこの
小さい美術館めぐり
時々おやつ
〈13〉スヌーピーミュージアム

もう一杯だけ
呑んで帰ろう。〈26〉
文・写真 角田光代+河野丈洋

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈25〉

TONY & INOCCHI
マンガ展評
ちくちく美術部〈14〉

[PICK UP]

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈2〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

ART CAFE SPECIAL
ART CAFE

最新号PICK UP

読んで見て! 旧約聖書を早わかり

 西洋絵画を観るとき、「はて、これは何の場面?」と首を傾げたことのある方は多いのではないでしょうか。ご承知のとおり、西洋美術の根幹を成すのが宗教画。しかし、聖書の内容を隅々まで理解していない者にすれば、絵そのものの美しさはさておき、内容については「?」となってしまうわけです。特に、イエス・キリスト登場以前の「旧約聖書」に私たち日本人はあまり馴染みがありませんよね。“天地創造”や“アダムとイヴ”、“ノアの箱舟”あたりまでは知っていても、その先は……? そもそも、旧約聖書と新約聖書の違いって……? そんな素朴な疑問に答えるべく、今回の特集では、ちょっとユニークな試みに挑戦してみました。『仁義なきキリスト教史』、『よいこの君主論』など、聖書や古典を斬新な切り口で読み解く著作のほか、少年漫画の原作も手がける気鋭の書き手・架神恭介さんに執筆を依頼。これだけは外せない旧約聖書20のエピソードを、ショートショート仕立て(しかも広島弁!)で書き下ろしていただきました。実は旧約聖書には現代人の常識に照らしてみれば有り得ないような、過激かつ人間の本能むきだしの逸話がてんこ盛りなのですが、架神さんのダイナミズムに満ちた表現はまさに絶妙のマッチング。まるでファンタジー・ノヴェルを読むように、聖書の物語世界にぐいぐいと引き込まれてゆきます。もちろん、おなじみの名画から、ちょっとマニアックな作品まで多様な絵画も満載。物語を読んでから観ると、これがめっぽう面白い。西洋美術を愛好する皆さまに、ぜひ手に取っていただきたい1冊です。

Image
ミケランジェロ・ブオナローティ《システィーナ礼拝堂天井画》より「アダムの創造」1510~11年頃 フレスコ ローマ、ヴァチカン宮殿

この号の誌面

編集長から

名画と広島弁で読む
仁義なき旧約聖書

 人類初の殺人、神さまによる大殺戮、権力闘争、窃視、背信、不倫に近親相姦――。旧約聖書はなかなかに過激である。そんな世界最大のロングセラーを、名画と広島弁ショート・ショートで読み直す。真相不明なアダムとエバ問題、神の気まぐれリセットだったノアの箱舟、ためしてガッテン?なイサクの犠牲に、ダビデ王のゲス不倫に泣かされるバト・シェバ等々、数々の修羅場を簡潔に解説。さらに旧約聖書の成り立ちがわかるQ&Aや、聖書と美術表現の関係性をとおして、より深部に迫る。聖書を知らないと宗教画は理解しづらいものだが、これでもう安心だ。
 第2特集は、ギリシャ正教の聖地であるアトス巡礼紀行。世界遺産に登録されながらも撮影禁止のこの地で、特別にカメラを構えることを許された中西裕人が、中世からの信仰の姿を守る修道士たちの暮らしを捉えた。女人禁制、男性でも入国には制約が課せられる、厳格な祈りの世界をお伝えします。

芸術新潮編集長 吉田晃子

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