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【特集】小悪魔美女画マイスター クラーナハ

芸術新潮 2016年11月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/10/25

発売日 2016/10/25
JANコード 4910033051169
定価 1,466円(税込)
●目 次

【特集】
小悪魔美女画マイスター
クラーナハ

◆ special features ◆

第1部 グラフ
女たちは誘惑する
文+コメント ヤマザキマリ

第2部 生涯と作品
時代の欲望を量産せよ!
クラーナハの芸術力と人間力
解説 新藤淳 イラストレーション 高橋将貴

  帝都ウィーンで知のトレンドをキャッチ!
  本業は宮廷画家 7つの顔を持つ男
  気になる奴ら 同時代画家との切磋琢磨
  宗教改革のAD(アート・ディレクター)
  美人カタログございます
  忠義を果たして大往生

第3部 北方の裸体表現
噴出したエロスのマグマ

禁じられた欲望と北のヌード革命
解説 小池寿子

COLUMN 1
誇張と過剰 クラナッハに見るルネサンスの装い
文 深井晃子

COLUMN 2
クラーナハの偉大なる地図
――チーム・ルターの聖書関連プロジェクト
文 前橋重二

クラーナハ紀行
(1)故郷クローナハ
(2)ヴィッテンベルクで45年
(3)81歳、ヴァイマールに死す

interview
1 ウィーン美術史美術館学芸員 グイド・メスリング氏
2 ウィーン美術史美術館絵画修復家 ゲオルグ・プラスト氏

展覧会案内

◆ special feature ◆

第2特集
ロンドン~ストラットフォード・アポン・エイヴォン
何度でも出会いなおす、
シェイクスピアを巡る旅は終わらない。
文 松岡和子

◆ art news ◆

◇ exhibition ◇

香月泰男
丸木位里・俊
川田喜久治
戦後71年目の“そして”
対談 川田喜久治×諏訪敦

ピエール・アレシンスキー
自在でおしゃべりな絵筆たち

少年・谷川俊太郎に会いに行く

魂の揺らぎを収集する
クリスチャン・ボルタンスキー

東西文化のハイブリッドが生んだ
燦爛のインドジュエリー 

◇ review ◇

「特別展 平安の秘仏 滋賀櫟野寺の大観音とみほとけたち」
芦沢銈介 「創設80周年特別展 柳宗悦・蒐集の軌跡―日本の工芸を中心に―」より
大山エンリコイサム
盛田亜耶

◇ global news ◇

New York「ラシッド・ジョンソン:飛翔」展
Lyon「反抗する体」展
London「ブーペン・カカール:万人を喜ばすことはできない」展
Berlin「あやつり糸の世界」展

◆ regular features ◆

◇巻頭◇

FLOWER
日々の花〈19〉
黒田雪子
文 市村美佳子

PHOTO
作家が覗いたレンズ〈31〉
佐々木譲
選・文 森岡督行

GOODS & SHOP

◇ 連載 ◇

リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝
〈6〉マエストロ・リッピの修業時代1
ヤマザキマリ とり・みき

海外アート
Study最前線〈18〉
文 前橋重二

伊藤まさこの
小さい美術館めぐり
時々おやつ
〈17〉北のアルプ美術館

定形外郵便〈30〉
文 堀江敏幸

換骨奪胎
ホンマタカシの
映像リテラシー〈19〉
仮説 毎回初めて世界に出会う

もう一杯だけ
呑んで帰ろう。〈30〉
文・写真 角田光代+河野丈洋

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈29〉

TONY & INOCCHI
マンガ展評
ちくちく美術部〈18〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈7〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

◇ 芸術新潮特別企画 ◇

木津文哉 視覚の驚きとその彼方

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈16〉
東大寺法華堂執金剛神像

ART CAFÉ SPECIAL
ART CAFÉ

最新号PICK UP

空前絶後のクラーナハ展と
本邦初の大規模特集をお見逃しなく!

 生白い肌に細い腰、スラリと伸びるなが~い手足。どこか軟体動物のような肢体で観る者をなまめかしく誘うクラーナハの裸の美女たち。あまりにエロティックなせいか、2008年にロンドンでクラーナハ展が開かれたときには、裸体画を用いたポスターが地下鉄構内での掲示を拒否され話題になりました(その後撤回)。

 このときカタログを取り寄せて以来、日本でも展覧会が開かれればなあと夢想していましたが、クラーナハの絵画は環境の変化にデリケートな板に描かれているため、まとまった数の来日はまず無理。というわけで早々に諦めていましたが、しかしそれからわずか8年、なんと、不可能と思われた展覧会が実現したのです。それも信じられないような規模で。編集子が喜び勇んで特集にとりかかったことは言うまでもありません。ロンドン展の際に問題となったのは、シュテーデル美術館にある小ぶりなヴィーナスで、このヴィーナスも、いま、東京・上野の国立西洋美術館で挑発的ともいえる媚態を私たちに見せつけています。

 本特集では、海を渡ることが難しい大作はじめ、画家の代表作を多数掲載しました。ドイツへも飛び、生誕の地クローナハや人生の大半を過ごしたヴィッテンベルク、没したヴァイマールも訪ねています。自分で言うのもなんですが、これほど充実したクラーナハ特集は本邦初。展覧会とあわせてお楽しみいただければ幸いです。

【展覧会情報】
クラーナハ展 500年後の誘惑
会場 東京・国立西洋美術館
会期 10月15日~2017年1月15日
開館時間 9:30~17:30(金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日(ただし1月2日は開館)、12月28日~2017年1月1日

その後、大阪・国立国際美術館に巡回(会期2017年1月28日~4月16日)

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東京・国立西洋美術館「クラーナハ展」会場。
撮影=筒口直弘[本誌]

この号の誌面

編集長から

芸術力と人間力を兼備
北方エロスのパイオニア

 ルカス・クラーナハと言われても、多くの人はピンとこないだろう。近年、再評価が高まるこの画家は、1472年、ドイツのクローナハに生まれ、宮廷画家として活躍した。小悪魔的ともいえる独特の女性像はクラーナハの代名詞であり、アルプス以北ではじめて等身大の裸の女神を描いたのも彼だ。加えて優れた企業家としての顔ももつ。大きな工房を構えただけでなく、印刷所、書店、薬局を経営。市長にも3度選ばれた。ルターとの親交も深く、宗教改革の思想をわかりやすく伝える作品をせっせと制作。一方で、敵対するカトリック教会側からの注文も数多く受け入れる柔軟性を持ち合わせていた。芸術的才能のみならず、高い人間力を備えていたのだ。世界最大規模の回顧展が日本で開催されるのを機に、この稀有な画家の全貌に迫る。
 第2特集は没後400年を記念してシェイクスピアに注目。その翻訳で知られる松岡和子さんが、偉大なる劇作家のゆかりの地を訪ねる。

まとめ テーマでくくる 本選びのヒント

ドイツ、ウィーンの文化を味わう

当地が育んだ音楽や美術、文学をめぐる関係性が見えてくる。

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