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特集[加藤 廣『謎手本忠臣蔵』刊行記念]

波 2008年11月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/10/27

発売日 2008/10/27
JANコード 4910068231185
定価 105円(税込)

特集[加藤 廣『謎手本忠臣蔵』刊行記念]
佐藤 優/インテリジェンス小説としても読める
【対談】縄田一男×加藤 廣/日本人は300年間騙されていた

堀江敏幸『未見坂』
平松洋子/未見坂にかかる月

村田沙耶香『ギンイロノウタ』
豊崎由美/型破りな異端者、村田沙耶香

坂木 司『夜の光』
藤田香織/「見えない絆」を確信できる青春群像ミステリー

萩原朔美『死んだら何を書いてもいいわ―母・萩原葉子との百八十六日―』
三浦雅士/ある母と息子

レイ・ブラッドベリ『社交ダンスが終った夜に』
大森 望/“老い”を武器にした巨匠のおいしい短編集

坪田一男『長寿遺伝子を鍛える―カロリーリストリクションのすすめ―』
下川 功/好きな小説を読むように

金 賢植『わが教え子、金正日に告ぐ―脱北エリート教授が暴く北朝鮮―』
青木 理/血の惨禍を再び招き寄せぬために

川口マーン惠美『証言・フルトヴェングラーかカラヤンか』(新潮選書)
中野 雄/貴重な証言の掘り起こし

山根貞男『マキノ雅弘―映画という祭り―』(新潮選書)
平岡正明/次郎長三国志の思い出

吉田伸夫『光の場、電子の海―量子場理論への道―』(新潮選書)
渡辺政隆/物の理を楽しむための物理学の真髄

ポール・オースター『幻影の書』
中村文則/過ぎていく時間の中で

山崎まゆみ『だから混浴はやめられない』(新潮新書)
山崎まゆみ/今こそ「混浴復権」宣言!

特集[宮城谷昌光『新 三河物語』完結記念対談]
江夏 豊×宮城谷昌光/名将の条件

コラム
「考える人」─埋もれていたものにあたる三筋の光
三橋曉の海外エンタ三つ巴
とんぼの本編集部通信
新潮クレスト・ブックス創刊10周年によせて

連載
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(15)
宮城谷昌光/古城の風景 第65回 長浜城
保阪正康/即位と崩御 最終回
東 直子/薬屋のタバサ 最終回
桶谷秀昭/素人の読む『資本論』 最終回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第23回
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第2回
鹿島 茂/パリの日本人 第9回
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第4回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、「週刊新潮」に連載された『謎手本忠臣蔵』を、連載終了直後の十月三十一日に上下巻単行本として刊行する加藤廣氏。表紙の「人生貴適意(人生意に適うをもって貴し)」は、もとは「高雄山(神護寺)主乾岳」の署名が入った愛蔵の掛け軸にある言葉だそうです。これをモットーに、加藤氏は七十五歳にしてベストセラー『信長の棺』で作家デビュー。ご自身は、この言葉の意味を「意に適わなければ総理大臣になっても日銀総裁になっても大会社の社長になってもつまらん」と解釈しているそうです。巻頭には佐藤優氏の書評、縄田一男氏との対談が掲載されています。
◇今月号のもうひとつの対談は、『新 三河物語』(全三巻)が完結した宮城谷昌光氏と野球評論家の江夏豊氏。江夏氏は、一九四八年生まれ。ドラフト一位で阪神タイガースに入団。一年目にして、奪三振王を獲得、翌年には奪三振の世界記録を達成。南海に移籍後は救援投手として活躍、広島に移籍し、二年連続の日本一に貢献、とくに七九年の日本シリーズ最終戦での投球は「江夏の21球」と呼ばれ球史に名を残し、その後、日本ハム、西武に移籍、メジャーリーグへの挑戦も話題となりました。通算で、二〇六勝一五八敗一九三セーブというすばらしい成績を残しています。村山実、野村克也、古葉竹識、大沢啓二、広岡達朗などさまざまな監督のもとでプレーしてきた江夏氏。どのような話が飛び出すか、本文をお読みください。
◇今月号で東直子氏「薬屋のタバサ」、桶谷秀昭氏「素人の読む『資本論』」、保阪正康氏「即位と崩御」の連載は終了いたします。ご愛読ありがとうございました。なお、単行本は、『即位と崩御』は来年一月、『薬屋のタバサ』は来年二月に、『素人の読む「資本論」』は大幅加筆のうえ来年にそれぞれ刊行される予定です。
◇日高敏隆氏の連載「猫の目草」は休載致します。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。