本・雑誌・ウェブ
「新潮」5月特大号
             定価950円
             4月7日発売


戦慄の反使徒行伝
 今号の一挙掲載は唐十郎氏「蛇行」三七〇枚です。大
都会の暗渠に蠢く幼児性愛者の影。緑の鱗光が引き寄せ
た「少女」の背負うヤオハン潰滅。少年の無垢が彫った
足型が辿る地獄巡り……。神なき時代の反使徒行伝とも
いうべき戦慄の野心長編に、ご注目ください。保坂和志
氏「小実昌さんのこと」は、先頃ロスアンゼルスで客死
した先輩作家に捧げる挽歌。七枚で依頼した追悼文が、
一〇六枚の小説に膨らみました。
 特集「世界の中の日本語」は、大野晋・柳瀬尚紀両氏
の対談「日本語と世界文明」を軸に、リービ英雄、今福
龍太・片岡義男・尹相仁・佐々木瑞枝・石川九楊の六氏
が、それぞれの視角から転機にある日本語の運命を考察
します。
 新発掘の「川端康成・耕治人往復書簡」は、何として
も世に出たい、無名作家の切なる訴えに耳傾ける師の、
知られざる一面を浮かびあがらせてくれました。
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)