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「新潮」11月号
           特別定価950円
             10月7日発売


新人賞二部門の発表
と90歳作家の性小説

 新応募規定によりレベル・アップした新潮新人賞の第
二回目を発表します。小説は佐川光晴氏「生活の設計」
二六〇枚。食肉解体の現場から産み出された、パワフル
でユーモア溢れる意欲作。評論は中島一夫氏「媒介と責
任  石原吉郎のコミュニズム」。マルクスの価値形態
論を援用しながらラーゲリ体験を持つこの特異な詩人の
境位に迫りました。
 小説は他に、前々回の受賞者・青垣進氏の
「烙印」と、宮林太郎氏「サクラン坊とイチゴ」三〇〇
枚。後者は、ある朝目を覚ますと、ペニスが女の性器に
変わっていたと始まる、カフカも眼を剥く奇天烈な性小
説。作者は当年九十歳。驚異の老人パワーに、のけぞり
ました。〈21世紀への対話〉第11回は、梅原猛氏と中村
雄二郎氏。第8回萩原朔太郎賞は江代充氏
「梢にて」に決定。十一月一日発売の臨時増刊
「三島由紀夫没後三十年」も、総力をあげて編集中です。

■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)