〈読者からの手紙〉
貴誌がゴルフ小説特集とは、おもしろい! 私は、ゴルフは一度もしたことがなく、ルールも覚束ない。けど、分かり易く訳してあるのか、難なく小説世界に入ることができました。特に、リング・ラードナー「ミスター・フリスビー」の痛快でスカッとした読後感にまいりました。私もグリーンに出たい。語り口がアップテンポで人間観察の鋭さが際立っていたように思います。この作家は野球小説も多く発表しているとのことですが、日本で読める訳書を教えてください。(埼玉県・宇野和夫)
編集部より お便り有難うございます。なぜ「新潮」がゴルフ小説を? という訝りの声は社内からもあがりました。しかし、作品を読んで頂ければ、小誌の意図を理解して頂けるのではとも考えていました。ちなみに編集部でゴルフを嗜むのは一人だけです。ラードナーの長編野球小説「おれは駆けだし投手」は、かのヴァージニア・ウルフが賛辞を書いたほどの名作ですが、翻訳(69年筑摩書房)は残念ながら現在絶版、短編集が入手可能です。(90年研究社刊「ラードナー短篇集」) |