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百 年
「新潮」1月号
特別定価950円
12月6日発売


 サイデンステッカー氏の「新潮社の世紀」(『新潮名作選・百年の文学』所収、一九九六年刊)は、一八九六年に始まる小社の百年史を二十五年ごとの四期に分け、独自の観点で日本近代文学史と重ね合わせる論考です。第一期(漱石、荷風)、第二期(谷崎、川端、芥川)、第三期(三島)といった具合なのですが、三島の自決の翌年を起点とする第四期の代表者については、「大江にしたいという声もあるだろう」と大江健三郎氏の名をあげつつも、いささか複雑な留保がつけられています。
 小誌は創業者・佐藤儀助(義亮)が「借家に移転し、浮かせた敷金の差額を唯一の資金に、雑誌発刊準備に取組む」(『新潮社一〇〇年図書総目録』)ことで、一九〇四年五月に誕生しました。つまり今年、小誌は創刊百周年。その最初の号では十五人の書き手による「創作特集・複数の遠近法」をお届けします。「新潮」第四期が終わり、第五期が始まりました。
(編集長・矢野優)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)