ルネ・マグリットは若き日、ある作品を見た感動の余り、涙を流したことがありました。その作品とは1914年、26歳のジョルジョ・デ・キリコが描いた《愛の歌》。「形而上絵画」と総称されるデ・キリコの初期作品に衝撃を受け、自己の指針とした画家は、しかしじつはマグリットに限りません。
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2024年5月号(定価1,500円)4月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2024/04/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
元祖シュール、
デ・キリコの謎と真実
 ルネ・マグリットは若き日、ある作品を見た感動の余り、涙を流したことがありました。その作品とは1914年、26歳のジョルジョ・デ・キリコが描いた《愛の歌》。「形而上絵画」と総称されるデ・キリコの初期作品に衝撃を受け、自己の指針とした画家は、しかしじつはマグリットに限りません。エルンスト、ダリ、デルヴォー――つまり、シュルレアリスムの画家たちはみんな大なり小なりデ・キリコ・チルドレンだったのです。ややこしいのは、元祖シュールのデ・キリコ自身は、シュルレアリスムが盛り上がった時期にはすでに画風を転換していたこと。特集「謎解きデ・キリコ シュールより奇天烈、ポップより斬新」では、決定的に重要で、しかしなんとも位置付けにくいこの奇才の実像をめぐる10の謎を解き明かしつつ、その魅力に迫りました。
 第2特集では、デ・キリコと同時代を生きた彫刻家ブランクーシをフィーチャー。20世紀の不思議巨匠の揃い踏みとなりました。 
芸術新潮編集長 高山れおな
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最新号PICK UP
デ・キリコ&ブランクーシは「犬派」だった
 編集作業にあたって大いに参考になったのが約44年前に翻訳出版された『キリコ回想録』(立風書房刊)でした。彼は、周囲の画家や美術業界に対しては、かなりの辛口(というか毒舌)。そのいっぽうで、両親や弟についての記述には、深い愛が満ちていて、妻イザベラ・ファーに関しては、ほとんど崇拝に近いほどのベタ褒めです。
 そんな家族愛たっぷりのイタリア男デ・キリコですが、本書を読むと、幼少期から犬好きだったことがわかります。 [→]全文を読む
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●目 次

【特集】謎解き デ・キリコ
シュールより奇天烈、ポップより斬新

  • デ・キリコをめぐる10の謎
    解説 金井 直
  • I 漂泊のイタリア男
  • II 「形而上絵画」って何?
  • III シュルレアリストたちとの愛憎劇
  • IV モティーフは反復する
  • V 「古典絵画」学び直し
  • VI 自画像/肖像画は語る
  • VII 50年後の「新形而上絵画」
  • VIII セルフコピー問題、またはデ・キリコによるデ・キリコ
  • IX 美術史上のアウトロー
  • X  “後輩たち”が受け継いだもの

略年譜
旅して描いて腹立てて――
デ・キリコの往来人生

わがまま交遊録

俺の話は長い
デ・キリコ(迷)言集

建築とデ・キリコ
自伝を科学する者たち
デ・キリコとアルド・ロッシ
文 片桐悠自

  • 私のデ・キリコ
  • 人間の本質を表出する多様な様式
    文 横尾忠則
  • 混乱を見つめることで立ち上がる面白さ
    談 福田美蘭
  • 今日も私はキリコの夢をみる
    文 田名網敬一
  • 対極にあるものの共存
    文 大西茅布

舞台とデ・キリコ
バレエになったキリコの絵画世界
文 芳賀直子

展覧会案内


◆ 第2特集 ◆

ブランクーシ
完全なるかたちをめざして

◆ Art News exhibition ◆

カール・アンドレ
その彫刻、または刻まれた空間

殿様ナチュラリストの遺産
美麗博物図譜を一斉公開

イヴ・ネッツハマー
記憶の底の猟奇と詩情

◆ Art news new spot ◆

尾崎紅葉の病室を描いた
俯瞰実況メタ俳画

再生した水色の洋館
漫画家たちが救った
旧尾崎テオドラ邸

豊かな自然に抱かれる幻想的な世界へ
飛騨高山美術館オープン

◆ Review ◆

  • 「 遠距離現在 Universal / Remote」展
  • 池上秀畝
  • アピチャッポン・ウィーラセタクン
  • 山下耕平

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈85〉
ロジェ・デュブイ

時と光の美術館〈85〉
SPECIAL
ティファニー

絵育のススメ〈9〉
稲庭彩和子

とんぼの手帖〈5〉
献立づくりのヒント

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈118〉
文 堀江敏幸

千住博の知となり肉となり〈10〉
アマゾンで学んだこと

山下裕二の
新・今月の隠し球〈28〉
木原健志郎(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈14〉
福光太一郎 さん

幻々夢譚〈17〉
絵・文 と金

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈111〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈46〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

始めよう! NFTアートカレッジ〈2〉
Adam by GMO

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈60〉
岡寺《義淵僧正坐像》

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芸術新潮 チケットプレゼント
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【1】「描く人、安彦良和」展(兵庫)
「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターであり、マンガ家としても活躍する安彦良和。その全貌に迫る大規模回顧展が開催! 1947年、北海道遠軽町に開拓民の3世として生まれた安彦は、弘前大学入学後に学生運動に参加、それが原因で大学を除籍となり上京し、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」にかかわる。[→]全文を読む
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【2】「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」(東京)
ほっそりとした顔立ち、憂いを帯びた大きな瞳が印象的な美人画で時代を席巻した竹久夢二(1884~1934)。その生誕140年を記念した回顧展が全国を巡回する。皮切りとなるのはアール・デコ様式の装飾で彩られた東京都庭園美術館(旧朝香宮邸、1933年竣工)。アール・デコは夢二と同時代に世界の潮流となったスタイルで、夢二はこれに先立つアール・ヌーボーとともにいち早く画風にとりいれ、日本文化と融合させたことでも知られる。[→]全文を読む
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今月のおすすめ本
西洋美術の多彩な世界にご案内
『キリスト教美術をたのしむ 旧約聖書篇』
金沢百枝/著
図版300点以上掲載!
キリスト教美術の黎明期、中世ヨーロッパの壁画・彫刻・写本などを中心に、表現がパターン化する以前の、早春のようにあかるくのびやかな図像の数々をご紹介。[電子書籍あり]
『大人のための印象派講座』
三浦篤/著
あなたの知らない印象派
「お金」「女性」「名誉」といったシビアな視点からあぶりだす、革新的画家グループの知られざる実像。19世紀フランスの社会・制度に生きた画家たちの姿を丸ごと捉える、新しき印象派論。[電子書籍あり]
『謎解き ヒエロニムス・ボス』
小池寿子/著
真作全20点を徹底解剖
偽りの楽園で快楽に耽る男女。阿鼻叫喚の地獄を跋扈する怪物。聖人と魔物の息詰まる戦い――500年前に描かれた人類の罪と罰のパノラマ世界、その秘密を解きあかす。
『ミュシャ―パリの華、スラヴの魂―』
小野尚子、本橋弥生、阿部賢一、鹿島茂/著
チェコガイドも収録
ポスターで功成り名遂げた画家は、なぜパリから祖国チェコに帰り、歴史画に命を懸けたのか? 畢生の大作《スラヴ叙事詩》の魅力と、知られざるミュシャの全貌に迫る。
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