カンディンスキーやモンドリアンよりも早く抽象画を描いていた女性画家がスウェーデンで発掘され、その存在は美術史を書き換えると美術史家やキュレイターたちが訴える。しかしスクリーンにつぎつぎと映されるその「抽象的」な画は、いわゆる「抽象画」とは何かが違う。
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2025年4月号(定価1,500円)3月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2025/03/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
日本に初上陸! 
ヒルマ・アフ・クリントの
スピリチュアル抽象の力
 19世紀後半から20世紀前半にかけての女性画家で、国はスウェーデン――この条件ではヒルマ・アフ・クリントが長くマイナーな存在だったことに不思議はないが、近年、大規模展が欧米各国で相次ぎ、ついに日本上陸。東京国立近代美術館で開催中の展覧会(6月15日迄)は、「10の最大物」シリーズをはじめ代表作が網羅され、圧巻のひと言だ。カンディンスキーやモンドリアンと並走する抽象画のパイオニアだったアフ・クリントはじつは神智学・人智学のシンパで、霊的な世界の変容するイメージを群作によって伝えようとした。100年遅く生まれていたら、画家ではなくメディア・アーティストになっていただろう。知られざる作家をブレイクと同時に特集できるのは、雑誌としてまことに本懐。展覧会場での撮りおろしも含め、この画家の全容に迫ります。
 一方、日本人全員に知られている手塚治虫「火の鳥」。こちらも展覧会を機に、福岡伸一先生が「動的平衡」論の視点で読み解く。
芸術新潮編集長 高山れおな
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最新号PICK UP
ヒルマ・アフ・クリントの
フラグ回収
弊誌2022年4月号の映画欄でドキュメンタリー「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」を紹介した。カンディンスキーやモンドリアンよりも早く抽象画を描いていた女性画家がスウェーデンで発掘され、その存在は美術史を書き換えると美術史家やキュレイターたちが訴える。しかしスクリーンにつぎつぎと映されるその「抽象的」な画は、いわゆる「抽象画」とは何かが違う。[→]全文を読む
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●目 次

【特集】ヒルマ・アフ・クリント 
目に見えない世界への旅

巻頭グラフ

はじめてのチュウ
ヒルマ・アフ・クリント展のサブタイトルから
文 三輪健仁

Biography
ヒルマ・アフ・クリント | 1862-1944
霊性スピリチュアリティの探求と絵画のゆくえ

\全193点の作品群/
「神殿のための絵画」とは一体何か?

  • 作品解説
    ヒルマ・アフ・クリント
    その絵画を解き放つ

    解説 三輪健仁
  • I スピリチュアルな絵筆
  • II ヒルマと抽象画家たち
  • III 彼女はアーキヴィスト ノートと神殿
  • IV モダン・ウーマン 児童書とフォーク・アート
  • V ヒルマの現在地

ヒルマを見ればわかること
鏡リュウジ/松田青子/坂口恭平/柳澤田実

ヒルマにもっとハマるためのBOOK GUIDE


◆ 第2特集 ◆

手塚治虫の「生命観」とは?
『火の鳥』を「動的平衡」論で読み解く

文 福岡伸一

◆ Art News exhibition ◆

松山智一
アメリカを描く、アメリカで描く
聞き手 木村絵理子

◆ Review ◆

  • ルー・ヤン「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展より
  • 光島貴之
  • 近藤亜樹
  • 目[me]

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈96〉
ベア・ボンジャスカ

とんぼの手帖〈16〉
遊廓の「体験」

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈129〉
文 堀江敏幸

三浦篤×森村泰昌
キテレツ絵画の逆襲〈8〉
日本近代洋画を見つめなおす
東西洋画対決
ゲスト:田中淳、橋爪節也

千住 博の
知となり肉となり〈21〉
私の一日

山下裕二の
新・今月の隠し球〈38〉
井下紗希(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈25〉
小野田龍之介さん

◇ PICK UP ◇

  • movie 佐々木敦
  • book 諏訪 敦
  • recommend 編集部のおすすめ!
  • ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈57〉
    小田原のどか
  • exhibition 全国展覧会情報

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次号予告

▼芸術新潮特別企画

名画を支える「タキヤ」ピクチャーレール物語
プラド美術館だけの特別仕様が生まれたわけ

ブレない創作を目指して〈3〉
濱野年宏 大阪・関西万博から日本の美の神髄を発信

西中千人×神崎亮平
アートと科学は見えない世界の価値を探究する

絵と言葉のチカラ展
第4回の受賞&入選作が決定!

織りなす四季の美。花に託した画家たちの想い

日本近代洋画のミカタ〈8〉
「東」の画家、「西」を描く

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芸術新潮 チケットプレゼント
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【1】特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(東京)
蔦重(つたじゅう)こと蔦屋重三郎(1750~97)は、言わずと知れた今年のNHKの大河ドラマの主人公。このドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」と連携した展覧会が、4月22日から東京国立博物館で開催される。[→]全文を読む
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【2】「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展」 (東京)
東宝による特撮怪獣映画『ゴジラ』が公開されたのは1954年のこと。2024年に生誕70周年を迎えたことを記念したゴジラ展が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催される。[→]全文を読む
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【3】「大阪・関西万博開催記念 大美特別展」(大阪)
茶道具、書画、絵画、仏教美術、刀剣、現代美術……さまざまなジャンルの作品を広く一般に向けて展示販売。それぞれに趣向を凝らしたブースに並ぶのは、室町時代後期の名工・長船与三左衛門尉祐定による刀剣、桃山時代の黄瀬戸茶碗、岡本太郎や名和晃平の作品など、ジャンルも時代も超える多様な名品たちだ。[→]全文を読む
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