著者プロフィール
朝井リョウ アサイ・リョウ
岐阜県生まれ。小説家。『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。『何者』で第148回直木賞、『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞、『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。ほかの著書に『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』などがある。
朝井リョウ (@asai__ryo) | Twitter (外部リンク)
岐阜県生まれ。小説家。『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。『何者』で第148回直木賞、『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞、『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。ほかの著書に『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』などがある。
朝井リョウ (@asai__ryo) | Twitter (外部リンク)
読み進めるごとに打ちひしがれる、という体験を久々にしました。「みんな違って、みんないい」という謳い文句に、どれだけ思考停止をさせられていたかを思い知りました。現在の社会潮流に一石を投じる傑作だと思います。多くの人に読んでいただき、考えてほしいです。
(紀伊國屋書店 新宿本店 久宗寛和さん)
凄かった! 凄まじい熱量だった! “自分の想像力の限界”を突き付けられ続けた読書時間。どんなに言葉を尽くしても、どんなに想像力を膨らませても、できないこともあるのだと思い知らされた。圧巻!! 降参です……!
(六本松 蔦屋書店 山田麻奈未さん)
「多様性のある社会=誰もが生きやすい社会」という概念を、粉々に打ち砕いてしまった! 自分の価値観・世界観がアップデートされていく感じがして、読後は世界が輝いて見えた。スゴイ作品でした!
(西沢書店 北店 佐久間拓也さん)
自分が信じる「正しさ」は誰かにとっての「暴力」になりえるのだと、自分が認識している世界の狭さを思い知らされた感覚です。読み終えた後、自分が信じている価値観は脆く儚く崩れるが、それを引き換えに新しい自分が生まれるかのような、それくらいの衝撃がある作品でした。
(明文堂書店 氷見店 前花祐太さん)
きっつい話だけど、救われたようにも感じた。今は多様性の時代ですなんて、うわべだけの多様性、軽々しく言えない。孤独であることがしかたがないとあきらめ、いや孤独でいさせてくれと悲痛な思いをもつ者と周りのつながりを求める者との乖離が滑稽であり、辛くて苦しい。
人間って辛くて悲しいものだ。でも、この作品を読んで、人間すべてを包み込んで愛したいと、心から思った。人間を守りたいと思った。きっと誰もが、この孤独のかけらを持っているから。
(ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん)
935円(税込)
新潮文庫 発売日:2023/05/29
生き延びるために、手を組みませんか。
柴田錬三郎賞受賞の衝撃作、ついに文庫化。
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
生きるとは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。直木賞受賞作『何者』に潜む謎がいま明かされる―。光太郎の初恋の相手とは誰なのか。理香と隆良の出会いは。社会人になったサワ先輩。烏丸ギンジの現在。瑞月の父親に起こった出来事。拓人とともにネット通販会社の面接を受けた学生のその後。就活の先にある人生の発見と考察を描く6編! 〈解説・若林正恭(オードリー)〉。
もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕……気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。
男は、とっておきの恋ほど誰にも見せない。本当の恋のクライマックスは、自分の心だけが知っている。忘れられない、忘れたくない気持ちはきっと、ひとりで大切にするものと解っているから──男たちがどこか奥のほうにしまいこんだ「本気の恋」。7人の作家が描き出すのは、女には解らない、ゆえに愛すべき男心。恋人たちの距離を少しずつ、でも確かに近づける究極の恋愛アンソロジー。