▼Ikeuchi Osamu 池内 紀
ある日、本屋にベルンハルト・シュリンクが並んでいた。版元はディオゲネス。趣味のいい出版社で、装幀だけでひと目でわかる。シュリンクは1944年の生まれ。ボンの弁護士で、ベルリンにも事務所をもっている。社会派の弁護士として聞こえていた。小説を書き出したのは、ごく最近だ。数年前、ドイツのミステリー大賞を受賞した。新作の『朗読者』が、ずっとベストセラーの上位にある。さっそく手に入れて、いつものカフェで読みはじめた。――気がつくとカフェに灯がともり、外はとっぷり暮れていた。こんなに読み耽ったのはひさしぶりだ。
▼Hannes Hintermeier ハンネス・ヒンターマイアー[アーベントツァイトゥング]
胸を締めつけるような残酷な愛の物語。ひとたび読み始めるともう本を手放すことができないほどの吸引力を持った長編小説。
▼The New York Times Book Review ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー
感動的で、示唆に富み、究極的には希望にあふれている。『朗読者』は国境を越え、読む人の心に直接語りかける。
▼Der Spiegel シュピーゲル
これは文学的事件だ。ドイツ文学では、ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』以来最大の世界的成功を収めた作品。
▼Michael Stolleis ミヒャエル・シュトライス[フランクフルター・アルゲマイネ]
驚くほど正確で、読者の感情移入を促す文体。ここに表われているのは、ほんものの作家としての力量だ。この「悲しい物語」は、シュリンクの人柄がもっともよく示されている本でもある。