▼Koike Masayo 小池昌代
「初夜」という言葉が、これほど戦慄的に、これほどグロテスクに、これほど美しく響く小説は読んだことがない。1960年代初頭。イギリス海峡に臨む海岸の、あるホテル。婚姻の儀式を終えた二人は「第一夜」を乗り越えられたのか? 異なる階級、異なる音楽の趣味、異なる家族環境。この作家の言葉は、二人を冷静に切り裂くメスである。本書を読み終えた読者とだけ、「結末」の向こう側で語り合いたい。二人に一体、何が起きたのか。生きるとは乗り越えていくこと。そのことにただ、呆然とする。
▼Evening Standard イヴニング・スタンダード紙
マキューアンは、同年代の作家であるジュリアン・バーンズやマーティン・エイミス以上に、真の意味でのストーリー・テラーと呼ぶにふさわしい。
▼Guardian ガーデイアン紙
マキューアンほど鋭敏に人間関係を解剖できる作家は少ない。60年代の動乱の直前を舞台にしたこの作品も例外ではない。
▼The Times タイムズ紙
マキューアンの最近の長篇小説が交響曲であるとすれば、この作品は室内楽曲である。より親密で、繊細で、しかし緻密で精巧であることは交響曲に勝るとも劣らない。