ヤスクニジンジャノサイジンタチ
靖国神社の祭神たち


秦郁彦

合祀基準の変遷を追って初めて見えてきた「靖国」の真の姿――。

戊辰戦争の官軍戦没者から先の戦争のA級戦犯まで、祭神の数は二四六万余柱にものぼる。主神は一社に一人が原則の中、これほど異例の神社は他にないだろう……。今までほとんど論じられることのなかった合祀基準とその歴史的変遷に焦点をすえることによって、ヴェールに包まれた「靖国」の全体像を初めて顕わにする。

発行形態 : 書籍
シリーズ : 新潮選書
判型 : 四六判変型
頁数 : 310ページ
ISBN : 978-4-10-603654-5
C-CODE : 0314
ジャンル : 歴史
日本史
発売日 : 2010/01/29

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秦郁彦
ハタ・イクヒコ

1932年、山口県生まれ。1956年、東京大学法学部卒業。ハーバード大学、コロンビア大学留学。プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授を歴任し、2002年まで日本大学法学部教授。法学博士。1993年度菊池寛賞受賞。主な著書は、『統帥権と帝国陸海軍の時代』(平凡社新書)、『慰安婦と戦場の性』(新潮選書)、『南京事件』(中公新書)、『日本陸海軍総合事典』(東大出版会)、『昭和史の謎を追う』[上下](文藝春秋)など多数。

第一章 東京招魂社の誕生――幕末・維新の殉難者
慰霊と顕彰の世界/戦没者と国事殉難者の系列/「昨日は賊軍、今日は官軍」/招魂祭と招魂社/靖国の「聖旨」とは/迷い子の米沢藩士/土佐勤王党が先頭/明治二十年代の大量合祀をめぐって
第二章 対外戦争の時代へ――日清・日露戦争
「招魂社へお嫁に」/八甲田山の遭難者は/拡大されていく合祀基準/贈位ラッシュの表裏/史談会と議会の合祀運動/浜田隊と赤報隊の始末/「特別を以て」の殉難者/女性の祭神たち(1)
第三章 変わりゆく合祀基準――第二次大戦期
「聖なる一瞬」の社頭/合祀の手順と基準/戦陣訓と捕虜/爆弾三勇士と空閑事件/靖国の捕虜事情/合祀の定型と非定型/ノモンハンの未合祀者たち
第四章 別格官幣社から宗教法人へ――終戦と占領
不死鳥のように/終戦と靖国の再出発/GHQとの攻防/主導は国か靖国か/ゼロ歳児も「戦闘参加者」へ/五百余人の責任自殺者/約千人のBC級戦犯
第五章 A級合祀の日――一九七八年十月
半年後のスクープ記事/相殿か鎮霊社か/松平永芳――靖国のゴーン?/「そちらの勉強不足だ」/残された謎/お節介がすぎた諫言癖/東京裁判と精神復興/「それが私の心だ」/「親の心子知らず」
第六章 「薄れゆく体験と関心」のなか――そして将来は
細っていった合祀の流れ/残務整理のあれこれ/合祀されなかった人たち/非定型の合祀者たち/女性の祭神たち(2)/苦境を切り抜けた護国神社/話題になった五つの護国神社/鎮霊社の春秋/A級分祀(廃祀)に先例?/不人気の国立追悼施設案/見えにくい将来像

付属資料
あとがき
図表索引
索引(人名、事項)

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