はじめに
第一章 同時代評とその後の漱石論
小説家漱石のデビュー(明治三八年)
最も豊饒な年だった(明治三九年)
いよいよ朝日新聞社入社(明治四〇年)
前期三部作『三四郎』『それから』『門』の時代(明治四一年~明治四四年)
後期三部作『彼岸過迄』『行人』『こころ』の時代(明治四五年~大正三年)
晩年、『道草』『明暗』の時代(大正四年~大正五年)
その後の漱石論の時代(大正六年~昭和二〇年)
第二章 単行本から読む漱石
赤木桁平『評伝 夏目漱石』
夏目鏡子述・松岡譲筆録『漱石の思ひ出』
小宮豊隆『漱石の藝術』
小宮豊隆『夏目漱石』
江藤淳『夏目漱石』
岩上順一『漱石入門』
荒正人『評伝 夏目漱石』
越智治雄『漱石私論』
蓮實重彦『夏目漱石論』
相原和邦『漱石文学の研究―表現を軸として―』
小谷野敦『夏目漱石を江戸から読む 新しい女と古い男』
石原千秋『反転する漱石』
若林幹夫『漱石のリアル 測量としての文学』
第三章 いま漱石文学はどう読まれているか
『吾輩は猫である』
梅原猛「日本人の笑い―『吾輩は猫である』をめぐって―」
前田愛「猫の言葉、猫の論理」
板花淳志「『吾輩は猫である』論―その多言語世界をめぐり―」
安藤文人「吾輩は‘We’である―『猫』に於ける語り手と読者―」
五井信「「太平の逸民」の日露戦争」
『坊っちゃん』
平岡敏夫「「坊っちゃん」試論―小日向の養源寺―」
有光隆司「『坊つちやん』の構造―悲劇の方法について―」
小森陽一「裏表のある言葉―『坊つちやん』における〈語り〉の構造―」
石原千秋「「坊つちやん」の山の手」
石井和夫「貴種流離譚のパロディ――『坊つちやん』 差別する漱石」
生方智子「国民文学としての『坊つちやん』」
芳川泰久「〈戦争=報道〉小説としての『坊っちやん』」
『草枕』
片岡豊「〈見るもの〉と〈見られるもの〉と―「草枕」論 その一―」、「〈再生〉の主題―「草枕」論 その二―」
東郷克美「「草枕」 水・眠り・死」
前田愛「世紀末と桃源郷―「草枕」をめぐって―」
中山和子「『草枕』―「女」になれぬ女「男」になれぬ男―」
『虞美人草』
石崎等「虚構と時間―『虞美人草』の世界―」
水村美苗「「男と男」と「男と女」―藤尾の死」
金子明雄「小説に似る小説:『虞美人草』」
平岡敏夫「『虞美人草』と『青春』」
北田幸恵「男の法、女の法 『虞美人草』における相続と恋愛」
『夢十夜』
石原千秋「「夢十夜」における他者と他界」
三上公子「「第一夜」考―漱石「夢十夜」論への序―」
松元季久代「『夢十夜』第一夜―字義的意味の蘇生―」
藤森清「夢の言説―「夢十夜」の語り―」
山本真司「豚/パナマ/帝国の修辞学 第十夜」
『三四郎』
酒井英行「広田先生の夢―『三四郎』から『それから』へ―」
石原千秋「鏡の中の『三四郎』」
藤森清「青春小説の性/政治的無意識―『三四郎』・「独身」者の「器械」―」
松下浩幸「『三四郎』論―「独身者」共同体と「読書」のテクノロジー―」
小森陽一「漱石の女たち―妹たちの系譜―」
中山和子「『三四郎』―「商売結婚」と新しい女たち―」
飯田祐子「女の顔と美禰子の服―美禰子は〈新しい女〉か―」
『それから』
斉藤英雄「「真珠の指輪」の意味と役割―『それから』の世界―」
浜野京子「〈自然の愛〉の両儀性―『それから』における〈花〉の問題―」/木股知史「『それから』の百合」/塚谷裕一「漱石『それから』の白くない白百合」/石原千秋「言葉の姦通 『それから』の冒頭部を読む」
石原千秋「反=家族小説としての『それから』」
佐藤泉「『それから』―物語の交替―」
生方智子「「新しい男」の身体―『それから』の可能性―」
林圭介「〈知〉の神話―夏目漱石『それから』論―」
『門』
前田愛「山の手の奥」
石原千秋「〈家〉の不在―「門」論」
余吾育信「身体としての境界―『門』論 記憶の中の外部/〈大陸〉の1904~」
山岡正和「『門』論―解体される〈語り〉」
『彼岸過迄』
秋山公男「『彼岸過迄』試論―「松本の話」の機能と時間構造―」
前田愛「仮象の街」
長島裕子「「高等遊民」をめぐって―『彼岸過迄』の松本恒三―」
工藤京子「変容する聴き手―『彼岸過迄』の敬太郎―」
押野武志「〈浪漫趣味〉の地平 『彼岸過迄』の共同性」
柴市郎「あかり・探偵・欲望 『彼岸過迄』をめぐって」
井内美由起「「白い襟巻」と「白いフラ子ル」―『彼岸過迄』論―」
『行人』
伊豆利彦「『行人』論の前提」
山尾(吉川)仁子「夏目漱石『行人』論―構想の変化について―」
藤澤るり「「行人」論・言葉の変容」
水村美苗「見合いか恋愛か―夏目漱石『行人』論」
石原千秋「『行人』―階級のある言葉」
小谷野敦「「女性の遊戯」とその消滅―夏目漱石『行人』をめぐって」
森本隆子「『行人』論 ロマンチックラブの敗退とホモソーシャリティの忌避」
『こころ』
山崎正和「淋しい人間」
作田啓一「師弟のきずな―夏目漱石『こゝろ』(一九一四年)」
石原千秋「眼差としての他者―「こゝろ」論―」
小森陽一「「こころ」を生成する「心臓(ハート)」」
押野武志「「静」に声はあるのか―『こゝろ』における抑圧の構造―」
『道草』
清水孝純「方法としての迂言法(ペリフラーズ)―『道草』序説―」
蓮實重彦「修辞と利廻り―『道草』論のためのノート」
吉田熈生「家族=親族小説としての『道草』」
江種満子「『道草』のヒステリー」
藤森清「語り手の恋―『道草』試論―」
『明暗』
藤井淑禎「あかり革命下の『明暗』」
石原千秋「『明暗』論―修身の〈家〉/記号の〈家〉―」
飯田祐子「『明暗』論―女としてのお延と、男としての津田について―」、「『明暗』論―〈嘘〉についての物語―」
池上玲子「女の「愛」と主体化 『明暗』論」
長山靖生「不可視と不在の『明暗』」
あとがき