ホーム > 書籍詳細:「地球のからくり」に挑む

3億8千万年前の隕石衝突、地底に眠るバクテリア、深海の「燃える氷」……壮大な謎解きがスリリングに展開! 【講談社科学出版賞 受賞第1作】

「地球のからくり」に挑む

大河内直彦/著

799円(税込)

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発売日:2012/06/15

読み仮名 チキュウノカラクリニイドム
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 238ページ
ISBN 978-4-10-610472-5
C-CODE 0240
整理番号 472
ジャンル 地球科学・エコロジー
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/12/14

地球は謎の塊である。その塊からエネルギーを次々に獲得し、万物の長となった人類は、今やエネルギー中毒に罹っている。なぜこんなことになったのか? そもそも地球の定員は何人か? 宇宙から飛来した石油の源、毒ガス開発学者が生み出した新肥料、未来の新エネルギー……第一線の地球科学者が工学、文化人類学、文学などの広範な最新知見を縦横に駆使し、壮大な物語を綴る。科学と文明史が見事に融合した快作。

著者プロフィール

大河内直彦 オオコウチ・ナオヒコ

1966(昭和41)年、京都市生まれ。海洋研究開発機構生物地球化学研究分野・分野長。東京大学大学院博士課程修了。京都大学、北海道大学、米国ウッズホール海洋研究所などを経て、現職。著書に『チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る―』(岩波現代文庫、講談社科学出版賞受賞)、『「地球のからくり」に挑む』(新潮新書)などがある。

目次

まえがき
第1章 地球の定員
◆三〇人の奴隷たち/◆エネルギー連鎖/◆太陽の恵み/◆人類に必要なエネルギー量/◆地球家族の「ピラミッド」/◆地球のからくり/◆農耕文明の歪み
第2章 窒素固定の魔術
◆「グアノ」奇談/◆「ハーバー・ボッシュ法」の登場/◆第一次世界大戦とアンモニア合成/◆「毒ガス」科学者の功績
第3章 エネルギーの現実
◆世界を動かす源/◆さまざまな形のエネルギー/◆エネルギーを取り出す方法/◆開いた「パンドラの箱」
第4章 化石燃料と文明
◆文明の夜明け/◆日本史の脇役、化石燃料/◆鯨油争奪戦と黒船来航/◆金の噴き出す孔/◆漱石が見た「産業革命」その後
第5章 人工燃料の時代
◆石炭から石油を作る方法/◆石炭をガス化する/◆ナチスとポルシェ/◆第二次世界大戦と人工燃料/◆「人造石油」秘史/◆新たな潮流
第6章 大論争の果て
◆石油の無機成因説/◆隕石から知る地球/◆ダイヤモンドのメッセージ/◆「地球深層ガス」の秘密/◆「シリヤン・リング」
第7章 赤潮の地球
◆ミクロに見た石油/◆石油はヘドロの生まれ変わり/◆想像を超えた自然/◆赤潮「シアノバクテリア」の謎/◆宇宙のかけら
第8章 石炭が輝いた時代
◆石炭の成因/◆北海道の開拓と燃料/◆石炭と蒸気機関車/◆三池炭田の盛衰
第9章 燃える氷
◆地球は巨大な発酵槽/◆「天然ガス」利用の歩み/◆燃える氷の正体/◆「ハイドレート」の歴史/◆バミューダ・トライアングルの謎/◆「南関東ガス田」の秘話
第10章 炭素は巡る
◆裏と表/◆植物が固定する炭素/◆分解と呼吸/◆減りゆく酸素/◆不完全なリサイクル工場
第11章 第三の火
◆地底のエネルギー/◆原子核に秘められたパワー/◆原子爆弾への道/◆原子力発電の時代へ/◆天然原子炉「オクロ」/◆事故が落す暗い影
第12章 おわりに
あとがき
主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2012年7月号より ようこそ、人類史の裏街道へ

大河内直彦

日々マスコミを賑わす原発とエネルギー問題。ある者は原発なんかなくても何とかなるさと言い、またある者は原発がないとにっちもさっちもいかないと言う。大震災から月日を経た今、右翼対左翼、保守対革新といったイデオロギーや政治姿勢の違いが、そのままこの問題の対立軸にすり替わっているだけにしか見えないこともある。
そこで、利権が見え隠れする政治的駆け引きや、聞くに堪えない水掛け論の前に、私たちの暮らしに不可欠なエネルギーを、原点に戻って考えてみよう。そもそもエネルギーとは何なのか? 石油や石炭がエネルギーになるのに、なぜ水はならないのか? 化石エネルギーは誰が発見し、どのような経緯で開発されてきたのか? なぜ私たちの暮らしに欠かせなくなったのか? そう。歴史と同様、背後にある科学を知ることは議論の土壌を耕し、論旨を培うツールにもなる。
そんなわけで、拙著『「地球のからくり」に挑む』は、地球科学の視点に人類の歴史をブレンドして、こうした問いに答えようとしたものである。
しかし……である。「科学」と聞くと、「科学者」と呼ばれる特別なトレーニングを受けた一部の人たちだけの世界、七三分け、メガネ、青瓢箪、白衣の理系君というイメージをもつ人のなんと多いことか。まるで誤解である。本書の読者は、まずそんなイメージを壊してもらいたい。科学者だって、普通の人と大差はない。その多くは、昔勉強した数学なんてとっくに忘れてしまっている。私自身もつい先日、情けないことに中学で習ったはずの数学の公式が思い出せなかった。科学的でないことを平然と口にした後で、屁理屈をこねて開き直る科学者もいる(私は多分違うけど)。
そんな科学者の著作を読むコツをお教えしよう。
一.わからないところは罪悪感なくすっ飛ばす。
二.理屈の展開がうっとうしければ、結論を先に読み、前の部分は斜め読みか、勝手に想像する。
三.二度読み返して理解できない場合は、著者の知的レベルを疑ってみる。
特に三つめは重要だ。かつて数学や理科が苦手だった読者も、決して自分の知的レベルを疑ってはならない。科学本といえども著者は他人にわかってもらうために書いているわけだから、読者が理解できない責任は著者にある。
もう一つ大切なことがある。科学が歩んできた歴史にも目を向けてみることだ。時代小説や歴史小説がお好みなら、間違いなくこのジャンルも好きになること請け合いだ。本書で紹介するエネルギーと人類の関わりは、革命や戦争といった激動の時代をかいくぐり、人間のドラマに溢れている。
また昔から政治と科学は決して無縁ではない。エネルギーが人類の必需品となった経緯は、二〇世紀に激動した政治情勢抜きには語れない。
歴史の教科書に記されている内容が表街道なら、本書の内容は裏街道である。裏街道で起きた数々の出来事は、往々にして、表街道を仕切って来たのである。

(おおこうち・なおひこ 地球科学者)

担当編集者のひとこと

「からくり」に秘められた希望

 ジャレド・ダイヤモンド著『銃・病原菌・鉄』を読むと、茫洋たる人類の歩みから、進化の転機となった史実を分析、抽出し、見事に世界の社会基盤の根源を炙り出しています。
 では、この逆の手法で、あるモチーフから私たちの社会文明の基盤を炙り出したら、どうなるでしょうか。
 そのモチーフは、「エネルギー」です。
 私たちの生活には必要不可欠で、大震災以後は特に注目されています。
 石油、石炭、窒素、原子力、地熱など「エネルギー」の視点から人類の歴史や私たちの生活を照射してみるという壮大な試みが、本書ではなされています。
「エネルギー」をひもとくには、「地球のからくり」が必ず関係しています。
 そして、地球には多くの謎がひしめいています。
 その地球史において、人類はどのようにエネルギーの源を見つけ、実用化し、莫大なエネルギーを生み出して、文明を築いてきたのでしょうか。
 近現代において、長足の進歩を遂げられたのは、特にどのような理由によるのでしょうか。これらの答えは、すべて本書に説き明かされています。
 しかも、発見や開発にまつわる天才的な科学者たちの壮絶なドラマも描かれています。
 歴史的な発明をした偉才が不遇になったり、戦争や政治抗争にまきこまれたり、科学の世界も波乱ばかりです。
 著者の大河内直彦氏は、海洋研究開発機構で、太古からの地球環境と生物の進化過程の解明に努める、第一線の地球科学者です。地球科学の最先端に立ちながら、ミステリーや歴史書も愛読する著者。「エネルギー」の真相と地球の謎も、歴史や文学に触れながら解き明かすので、万人の方に楽しめるように書かれています。
 講談社科学出版賞を受賞した、筆力ある科学者の最新作を、ぜひ、ご一読ください。

2012/06/25

蘊蓄倉庫

石油はどこから来たのか

 地球史46億年を1年間に読み替えると、人類が記録した出来事は、大晦日の夜11時59分47秒以後にあたるそうです。僅か13秒の間で、人類は地球全史を解明しようとしています。地球では、数々の事件が起きてきました。
 その一つに、約1億年前の「海洋無酸素事変」があります。世界中の海底に大量のヘドロが降り積もった事件です。
 このヘドロの中には、「シアノバクテリア」という特殊な機能をもつ植物プランクトンが存在しています。そして、これが、私たちの生活に欠かせない石油の源になっているのです。その「からくり」とは……この内容は本書の第7章に詳述されています。
掲載:2012年6月25日

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