JKハルの就活
あたしがこっちの世界に来てまず一番ウケたのが避妊具が草ってことで、「やべ、草生える」って爆笑したら、「生えませんよ」とマダムは真顔で言った。
「あなたスキネ草も知らないの? この辺じゃどこの薬草屋にも売ってるけど。ずいぶん田舎から出てきたのねえ」
スマホどころかネットも電話も、そもそも電気もねぇ車も走ってねぇの世界の人によりにもよって田舎呼ばわりなんて、東京のみんなマジごめん。都市辱だよね。
でもこっちの世界じゃ、ここはどうやら都会の街らしいんだ。ついさっき、オークとかいうモンスターに子どもがさらわれたみたいなんだけど、そんな事件が街のすぐ近くで起こっているのに都会なんだって。
だけど、これからはこのファンタジーな人たちとあたしは仲良く生きなきゃならない。さもないとオークのエサだ。
草なんて生やしてないで、真面目に話を聞かないと。
「お客さんと寝る前に、この草をドロドロになるまですり潰したものを奥に塗り込んでおくの。指に載るくらいでいいのよ。終わったらザーメンと一緒にかき出して洗って、次のお客さんが来る前にまた塗るわけ」
マダムは自分のことマダムと呼ばせるくらいの美熟女で、娼館のオーナーとは思えないくらい上品な人だった。そんな人が「ザーメン」とかサラッと言うのエロいと思った。
当たり前だけど、説明するの慣れてるし照れとかないんだよね。
あたし、フーゾクで働くんだなって実感した。
「避妊も知らないなんて、あなた男と寝たことあるの?」
「んっと、十人くらいは」
「あら、若いわりに遊んでるのね。年はいくつ?」
「じゅ……十九? ほぼ二十くらいです」
「ウソはつかなくてもいいのよ。うちは十四くらいから働いてる子もいるし」
「あ、そうなんですか。すみません、あたしのとこは十八歳未満はこういう仕事禁止だったんで」
マダムは目を丸くして、「それなのに十人と寝たなんて結構なものね」とコロコロ笑った。
じつは中学のときにちょっとだけ援交してた。てかそれも信じてた人に騙されてたってか、利用されてたっぽくてすぐやめたんだけど。
それ以外はだいたい彼氏になった男とだけだったし、浮気とかそんなしないほうだったし。
ただ実際に寝た男はたぶん十人とかじゃきかないけど、まあ、思い出すの面倒だからそのくらいで。
こんなあたしだから、知らない世界に放り出されてできそうな仕事って、やっぱりエッチを売るくらいしかなかった。
こういうこと二度としないって思ってたし、マジでお父さんお母さんゴメンなさいだけど、今回のは生きてくためだし。仕方ないよね。
「いいわよ。採用。あなた人気出そうだしね。『夜想の青猫亭』へようこそ、ハルちゃん」
「よろしくお願いしま~す」
「みんなに紹介するから、今日のところは下の酒場のほうだけ手伝ってちょうだい。お客さんを取るのは、うちのルール覚えてからね」
「はーい」
こうしてあたしは、異世界で娼婦になった。
元の高校生活には未練しかないんだけど、一回死んで飛ばされてしまった世界だし、帰れるような話も全然ないし、とりあえずがんばって生きてくしかない。
JK小山ハルの人生は、オタクくさいソシャゲみたいな世界で、ひっそりと春を売ることでリスタートするのだった。
*
というかわいそうな感じで始めた娼館暮らしだけど、わりとすぐ慣れてしまった。
毎日酒場で給仕して、お客さんにお愛想とたまにパンチラを振りまき、声をかけてきたお客さんと寝て、終わったら手早く体洗ってまた酒場に戻って、夜遅くまで働いてる。
向こうでいうソープなんだから黙ってベッドで待ってればいいのかと思ったけど、こちらの世界では娼館ってのは酒場とほぼイコールみたいなもんで、もちろん世間には普通の酒場もあるけどだいたい女とセットみたいな、合理的っちゃー合理的なアミューズメントになっている。
こっちの世界は魔王とかいうのが暴れていてモンスターとかも出るようなクソ田舎なんだけど、あたしたちの働いている街はその魔王軍と戦う最前線らしく、兵隊の人たちも野良ファイターの人たちも、それをあてにした商売の人たちも大勢集まる土地なので、客に困るようなことはない。
酒。女。そしてむさ苦しい男たちの笑い声で今夜も大繁盛だ。
「そりゃあ俺の両手斧がぶった斬れねえモンスターはいねえからな。このへんじゃ誰でも知ってるぜ」
「えー、すごーい。腕も太~い。触ってもいい?」
こういうテーブルトークの相手するだけでも、少しはお金になったりする。
あたしにもそれなりに固定客なんか付いたりして、たまにはおいしいものとか奢ってもらえたり、チップで下着を買えるくらいには生活も安定してきた。
今月の売り上げレースでは今のところ七位だ。
十八人も嬢がいる中で七位とは新人にしては結構やる感じ? まあ、週二くらいしか来ない主婦とか昼の仕事とかけもちでやってる嬢もいるにしても、悪くない成績じゃないかなってあたしは思っている。
「あ、そろそろお時間でーす。どうします? お二階に延長します~?」
「もうそんな時間か? あんた、面白い子だな。でもちょっと俺のチンポにはガキすぎる。またな。がははっ」
でも、なかなか五位の壁を突破できないのが最近のちょっとした悩み。
売り始めの月にやられまくって五位になってからは、よくて六、七位あたりをずうっと彷徨ってるのだ。
まだまだ新人だし余裕と思ってるんだけど、高校ではわりとモテてたし見た目にはちょっと自信もあったし、今の神ファイブを超える嬢はあたしでは、とか密かに思ってたので軽く自分に失望中である。
……おっぱいか。
やはり、おっぱいが足りないのか。
などと口をへの字にしてテーブルを拭いていると、「小山」と名字で呼ばれた。
基本、出身地を名乗る以外に庶民に名字のないこの世界で、あたしの名字を知るのは一人しかいない。
千葉セイジ。
こっちの世界に一緒に飛ばされてきた、かつての同級生だ。
「千葉、あたしは店じゃハルだってば。ちゃんと呼んでよ」
「あ、うん。ハ、ハル……ね。そう呼んでほしいんなら、なるべくそうする」
「どうする? カウンターでいい?」
「あー、うん。いつもの席で」
「どこだっけ?」
「そ、そこの隅っこ」
「はい、一名様ごあんな~い」
千葉は相変わらずキョドった態度で変な笑みを浮かべてる。
職業『冒険者』とかいう、この街にはありふれたモンスター退治とか探索とかで生活している千葉は、会うたびに顔つきはちょっとずつ男っぽくなっていくけど、陰気キャラで何考えてんのかわかんないとこは変わんない。あたし、陰キャは昔から苦手だ。
同じ中学校だった人の話では中二病で有名だった時期もあったとかで、なんか相当痛かったらしい。最近、こっちで染めた赤い髪をカチカチに固めてるんだけど、それが本当に似合ってないっていうか、変な方向にくねった前髪もカープの帽子にしか見えなくてつらい。赤い胸当てや肩当てみたいのまでしてるんだけど、それも人体模型にしか見えなかった。
オタク基準のカッコよさみたいのが多分あるんだろう。でもちょっと理解できないっていうか、自分のニキビ面をわかってない感じがする。
あたしはこっちの世界に来るまで、コイツと絡んだことは一回もなかった。ぶっちゃけ教室の空気の一部だった。
学校祭の準備中、あたしと同じ買い出しグループにいたコイツが、最初に暴走トラックが近づいてきているのに気づいた。
そのときすぐ教えてくれれば避けられたかもしれないのに、わざわざあたしのとこまで走って抱きついてきたせいで、二人とも死んでしまって異世界まで吹っ飛ばされたのだった。
もっとも、そんなの今さら言ってもしゃあないというか、誰が先に気づいてもはねられてたのは変わんないかもしれないので言わんけど。
「ハ、ハル。髪切ったんだ?」
「あぁ、うん。邪魔んなるから切っちゃった。ヘンだろ?」
本当はアゴくらいの長さで切ってシャギーしてって説明したつもりだったんだけど、そういうのまるで通じなくて昔の「おかっぱ」みたいな頭にされた。もう短くなりゃいいけどさ。
こっちの人って馬とか乗るせいか、バックでするとき女の髪摑んで手綱みたいに引っ張るバカが多いんだ。野蛮すぎないか本当に。
そんなわけで、好きだったロングをばっさり切った。
千葉はあたしの頭を見て、顔を見て、そこからずっと足まで眺めてニヘラと笑う。
今日のあたしは黒の短いワンピ。他はオレンジのちょっと長いワンピしか持ってないので、千葉も見慣れてるはずだけど。
「ヘンじゃないよ……『空ダン』のゆふみんみたいで、イイ感じかもしんない」
「何それ?」
「去年の覇権アニメのサブヒロイン。サブだけど一番人気だったと思うよ。メインヒロインに仕えるメイドだったんだけど」
「ふーん。千葉ってメイドとか好きなの?」
「いっ、いやっ、俺じゃなくてネットとかで人気あって。ロリとかいう属性だからネット人気が高い感じっ。俺は、その、そういうんじゃないし、よく知らないから、その、性格的に健気なとこだけまあまあ評価してやってたというか、見た目とかも嫌いじゃなかったけど、他にもいいキャラはたくさんいたし」
「あ、うん……」
「でも、ゆふみんは青キャラだからハルも髪は青にすると近づくと思うよ。あと、ゆふみんは基本敬語なんだけど、たまに素が出ちゃって『ダメだよ』とかタメ口で主人公を叱るんだよね。そういうとこがネットで『ママ』って言われてて、コメントも赤ちゃんだらけでめっちゃウケるんだけど――」
千葉と話すようになったのはこっちの世界に来てからで、いまだによくわかんねっていうか、つまんない話しかしない。
あたしの知らないアニメとかの話題ばっかりで、こっちが気をつかってコナン君の話をしてもバカにするだけだし、きっとあたしと仲良くなろうなんてつもりもないんだろう。
どうしてあのとき、コイツにハグされたのがあたしだったんだ。陰キャの姫もそこにいたはずなのに。
「今日はどうするの? 上行く?」
「あ、う、うん。ハルがいいなら、まあ」
「それともたまには違う子を指名する?」
「い、いや、俺はそういうことはしないから!」
千葉は慌てて手を振って、顔を赤くした。
あたしとしては、こういうお店に来てお金払ってまで元クラスメイトとばっか寝るほうがどうかなって思うけど。
まあ、あたしに付いてるお客さんは大事にしなきゃだし、最初のうちはこっちからお願いして買ってもらってた経緯もあるので千葉を二階へ案内する。
スカートの中、覗かれながら。
「千葉も脱いでよ」
「え、脱がせてくれないの? そういうサービスの店だよね?」
「いいけど……じゃ、バンザイして」
パンツ脱いでから、千葉の面倒くさくて変な服を脱がせてやる。その間、千葉はあたしのおっぱいとかマンコとかジロジロ見て皮余りのチンポを硬くしてく。
ベッドに寝かせて隣にあたしも座る。そしてチンポを擦ってやると、「口でして……」とすっげ小さい声で言う。
聞こえないフリしてると、「口で、口で」と死にかけのじいさんみたいにしつこいので、軽く舐めてやった。
「はぁ、あぁん」
千葉は甲高い声出してクネクネと仰け反った。
あんま舐めてるといきなり口の中に射精してくるヤツなので、あたしはさっさとヨグの蜜を煮て冷ましたやつ(ローションみたいなやつだ)の瓶に指を突っ込み、自慢のピンク色マンコをまんべんなく濡らしてから、避妊薬のスキネ草の練り物を奥に突っ込んだ。
「ねえ、もう入れていい……? あたしもう我慢できないの」
千葉はちょっと嬉しそうに頰を緩め、「いいけど」と頷いた。
他の客にこんなこと言ったら「手ぇ抜くな」って怒られるのに、素人は楽でいいな!
「どうする? またあたしが上?」
「うん。ハルの好きなやつでいいよ」
でも千葉の面倒くさいのはこういうところで、あたしは上とかダルくて好きじゃないんだけどいつも乗っけたがる。
ボーッとした目で、千葉は酒も飲めないくせに自分に酔った顔で言うんだ。
「俺といるときは、仕事じゃなくて本当のエッチしていいよ」
一番初めにしたときに、腰の動かし方も知らない千葉がかわいそうだから手本を見せたつもりだったんだけど。コイツの中では、あたしがそのとき感じまくってたことになっている。
コイツはこっちに来て七十ルバー(お金の単位ね)を払ってあたしを買うまで、女を知らなかったらしい。
本人は中学のとき付き合ってたカノジョがいたとかモゴモゴ言ってたけど、それは間違いなくウソで、童貞だったし、しかも童貞捨てた今も女の抱き方を覚える気すらない。黙って身を任せるだけだ。
男にもマグロっている。セックスというよりもオナニーしたいだけなんだ。リアル寄りのオナニーを買いにきている。
あたしたち娼婦は、もちろんこういう相手にもきっちりサービスする。
ぱっくり足開いてあたしのマンコを見せる。こっちの世界の人はチン毛もマン毛も剃るのがマナーで、千葉は自分のは面倒がって剃らないくせに、あたしのツルツルのそこはいつも「最高」って食い入るように見るんだ。
あたしは、そういうのもウザいからさっさと入れちゃうことにしてる。
「あ、あぁん、大っきい……ッ」
「うぅ……!」
千葉の小学生みたいな包茎チンポを、キュッて締めてやる。調子のいいときはこれだけでイッてくれるんだけど、フェラが足りなかったのか千葉は唇を嚙んで堪えている。
「動いていい? ねえ、あたし動いてもいい?」
千葉の返事を待たずに腰を振る。おっぱいとか強調して、エロいことしてんぞって見せつけてやる。千葉はシーツ握りしめて足をピンと伸ばして、冷凍マグロみたいになってぶつぶつキモいことを言いだす。
「はぁ、はぁ、やべ、俺、小山とやってる……関口たちに教えてやりてえ……」
どうやら千葉は、元の世界に帰ってオタ友にあたしとやったこと報告したくてたまらんらしい。
逆にもしもあたしが友だちに千葉とやったことバレたら、たぶんLINEグループからは外される。学校のこと思い出したらマジ悲しくてつらくなる。友だちとか彼氏とかいてすっごい楽しかったのに、なんでこんな昔話みたいな世界で陰キャのために腰振ってんだ。
「小山めちゃくちゃエロい顔してる……俺のチンポで感じてる……ッ」
つーか、あたしがこっちの世界に来るまで、隣のクラスのJソウル系イケメンサッカー部と付き合ってたのコイツ知ってるくせに。
そういうの込みで興奮してやがんだ。寝取ったつもりでいるんだ。誰がおまえなんかにバカヤロウ。
だけど唇を嚙んで、あたしはエロい顔をする。
「あぁん、感じてるよぉっ。千葉に抱かれてるときが一番気持ちいい!」
「小山……っ、はあ、はあ、いいぜっ、もっと感じろっ、仕事のことなんて忘れてっ、俺に本当のおまえを見せろっ!」
いや忘れたいわマジで。おまえも込みで全部忘れて帰りたい。
でもこれが今の小山ハルの仕事なのだ。生活のためだから仕方ない。
指を咥えて、蕩けた目して、わざとらしい顔で「もうすぐイク」って言ってやる。
「うぅっ、いいぞ、イけっ、オ、オラ! 俺も、もう!」
はい、イッた。
七十ルバー分の精液があたしのマンコに支払われていく。
「はあ、はあ……どう、ハル? よかった?」
「あ、うん。すごいよかったー。千葉は?」
「んー、まあ、よかった」
「ほんと? うれしー」
イライラすんなあ、コイツ。
「あのさ、そのうちでいいんだけど」
心の中で舌打ちしてるあたしのおっぱい見ながら千葉は言う。
「こんなとこ辞めて、違う仕事やってみない?」
「どんなの?」
「例えば、その、奴隷?」
「は? 何言ってんの?」
「あ、いや、こっちじゃそういう言葉ないから、その、奴隷ってあの、メイドさんみたいな意味で」
「なんであたしがそんなのやんの。てか誰が雇ってくれんの?」
「いや、だからさ、ハルが今の仕事辞めたいって言うなら、俺が雇ってもいいって話」
は? そりゃ仕事は辞めたいけど、それって千葉があたしに『ご主人様』って呼ばせたいだけにしか聞こえないよね。
マジで言ってるならコイツ本当にキモい。でも、少しだけお金の匂いもするっていうか。
「冒険者ってそんなに儲かるの?」
「いや冒険者っていうか、俺は特別だから。前にも言ったしょ。俺のチート能力」
前に聞いたかもしれないけど忘れた。
正直にそう言うと、千葉は「おいおい」ってツッコミでおっぱい触ったからイラッとした。
「あんま人に知られたら妬まれるから、ハルも誰にも言うなよ」
と言って嬉しそうに千葉は解説を始める。
この世界には普通の人には見えないけどレベルとかスキルとかパラメータが存在して、それが個人の能力とか強さの基準値になる。
中でもスキルはその人の個性であり先天的なものだ。
とても重要な才能で、レベル上位者でもスキル次第では下位に負けることもある。多くの人には一個しかない貴重な才能だが、それを活かせている者は少ない。なぜなら、さっきも言ったようにレベルやスキルは本人の目に見えないし自覚もできないから。
そのへん、あたしたちはこっちの世界に暴走トラックで運ばれたときに、ノリの軽い神様にレクチャー受けたから知ってるはずだった。
だけど千葉が妙にテンション高くて初対面の神様とも仲良く漫才してたから、あたしはその寒いノリを引き気味で聞いてただけだったのだ。なのでうっすらとしか覚えてない。
千葉はその神様に気に入られて、いいスキルをもらったそうだけど。
「じつは三つもあるんだ。『経験値十六倍』と『状態異常無効』と『攻撃魔法無効』だよ。つまり人よりめっちゃ成長早いし物理攻撃以外効かない。ぶっちゃけ最強」
「へー」
ようするに、チートってのは最初からめちゃくちゃいい条件でスタートしてる人のことかな。天才とか、そういうのを神様からもらってる。確かにずるい感じするよね。
「でもそれが異世界転移物語のテンプレートだからね。俺みたいに別の世界から召喚された主人公は、他のヤツらにはないチート能力と現代知識でいきなり無双できるの。アニメでもラノベでもよくあるじゃん。ウケるよね?」
だからアニメの話なんてあたしが知るわけないし、何が面白いのかもわかんないっつの。
千葉とは常識が違いすぎる。何度も寝たのに、いまだに生きてる世界は違うんだ。
「ま、そのうち俺の噂をどっかで聞くはずだから、それでわかると思うよ。最近闘技場とかにも顔出すようになったから。ハルなら俺の知り合いだって自慢してもいいし」
「はあ」
「まだ上位の連中には追いつかないけど、常人の十六倍の早さで成長してるからすぐ抜くし。モンスター狩りも結構深いとこまでやってるから、賞金以外にも収入結構あるんだ」
「え、つまり千葉って金持ち?」
「まあ、少しはね」
意外~。そういうことは早く言え。
「じゃあ、延長してく?」
「え?」
「延長してくれたら何かサービスするけど、どう?」
「えっと、じゃあキスする?」
うえぇ~、キスかぁ。
千葉はしつこいからなあ。でも。
「いいよ。しよ」
これも売り上げのためなのだ。
元同級生のクソ陰キャに唇が腫れるくらいチューされても我慢の娼婦。
それがこの世界での、あたしの新しい生き方。
「ん、ちゅっ、ハル、んっ、俺、いつか魔王倒して、国民の英雄になっても、ちゅぶっ、おまえのこと捨てたりしないから。はぁ、はぁ、んんっ」
まあでも、これでちょっとは六位に近づいたんじゃないかなー。
明日は少しいいメシでも食いに行くかと思いながら、キスの途中であくびをごまかす。
