新潮社


死んだのは、二人。その死は、何を残すのか。

大学受験を間近に控えた濱田清澄は、ある日、全校集会で一年生の女子生徒がいじめに遭っているのを目撃する。割って入る清澄。だが、彼を待っていたのは、助けたはずの後輩、蔵本玻璃からの「あああああああ!」という絶叫だった。その拒絶の意味は何か。“死んだ二人”とは、誰か。やがて玻璃の素顔とともに、清澄は事件の本質を知る……。小説の新たな煌めきを示す、記念碑的傑作。

COMMENT

市川紗椰 モデル 気が付かない内に、凄い場所に連れて行かれる。想像を絶する展開に胸を突かれる。まるででひき逃げにあったよう。


浅野いにお 漫画家 少女が湛えた青春と呼ぶには激しすぎる感情のコントラスト。眩暈がするほどのそれに最後まで翻弄されっ放しでした。
伊坂幸太郎 作家 高校生活の日常やキャラクターの掛け合いがメインとなるこういった小説を苦手な方もいるのではないでしょうか。実は僕もそうなのです。
けれど、この作品を読み終えた時、その野心的な構造に興奮しました。
この作家は、キャラクター小説を、小説の持つ悦びの深いところにまで繋げようとしています。

瀧井朝世 ライター 人から人へ思いが繋がる奇跡に、胸が熱くなります。
ヤマザキマリ 漫画家 こんなにまっしぐらで潔い情熱を最後まで抱いたまま読めた小説はそんなに無い。ジャンルの箍を感じさせない、この文のかたちでなければ為せない技なのだろうと思う。

BOOKS

大学受験を間近に控えた濱田清澄は、ある日、全校集会で一年生の女子生徒がいじめに遭っているのを目撃する。割って入る清澄。だが、彼を待っていたのは、助けたはずの後輩、蔵本玻璃からの「あああああああ!」という絶叫だった。その拒絶の意味は何か。“死んだ二人”とは、誰か。やがて玻璃の素顔とともに、清澄は事件の本質を知る……。小説の新たな煌めきを示す、記念碑的傑作。

693円(税込)

PROFILE

竹宮ゆゆこ

竹宮ゆゆこ

タケミヤ・ユユコ

1978(昭和53)年、東京生れ。2004(平成16)年、「うさぎホームシック」でデビュー。シリーズ作品として「わたしたちの田村くん」「とらドラ!」「ゴールデンタイム」、長篇小説に『砕け散るところを見せてあげる』『知らない映画のサントラを聴く』『あなたはここで、息ができるの?』などがある。