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仁木先生が読み返している本

こんにちは。夏休みですね~。こないだソフトボールやりながら「ガリガリ君」を食べてたら、食べかけで落としてしまって悲しいよ。(どうでもいいよ)


さて、今日は愛知県のゆりこさんからお送りいただいた「まだ会ったことのない僕僕先生ともだちへ」から始めます。


『1ヶ月ほど前、タイトルと絵のかわいらしさに惹かれてこの本を読み始めました。日本とか中国の歴史や伝統文化に興味があるので、今ではかなりはまってしまいました。
「僕僕先生」のキャラのなかで私といちばん近いのは王弁くんかなと思います。気弱なとことか、すぐ人に同情するあたりが……。でもを助けようとしたり、私にはないいいところもいっぱいあるから、可愛い先生のイジリにも負けず、がんばって!
仁木先生、これからも楽しい冒険をたくさんお願いします!
ゆりこ 』

なるほど~。歴史とか文化って、これまで何千年もの間、たくさんの人たちが感じたり考えたことが積み上げられたものだと思うと、なんだかドキドキしちゃう面白さですよね。遠い外国の昔の人が考えたことが、案外、いま自分の考えていることと同じだったり、そしてそんなことが妙に嬉しかったり。


夏休みだしなー、ゆりこさんに楽しんでいただける本とかないかなー……と思いまして、この本をご紹介することにしました。



◎『山海経 中国古代の神話世界』(平凡社ライブラリー)
「山海経(せんがいきょう)」というのは、だいたい2400年くらい前から1800年くらい前までの中国(戦国時代から漢の時代まで)で出来上がったとされる地理書です。「このあたりの土地はこんな草や木が生えていて、こんなヤツらが住んでいる」ということが書いてあります。
ただし、それはリアルな現地ガイドというよりも、伝説や不思議話を集めたものという性格が強い。つまり、大昔の中国の人たちが「世界にはきっと、こんな場所もあるに違いない」と考えたことが記されているというわけです。


いつも仁木先生が、「次はどんな妖怪に登場してもらおうか」と構想を練りながら読み返しているこの本は、漢文の翻訳だけにちょっと文章が難しいのですが(でも中学生なら頑張れば大丈夫)、値段もお小遣いでいけるレベルだし(897円)、何よりイラストを眺めているだけで充分楽しい。これまでの僕僕先生シリーズにも登場した帝江、珠鼈燭陰なんかも、なんというかキモかわいい姿で紹介されています。
ちなみに、あの(!)水木しげるさんの解説も収録されていて、いくつかの日本の妖怪は「山海経」にも登場する妖怪が伝わったものだという指摘をしていらっしゃって、面白かった。


そして仁木先生が執筆準備中のシリーズ第六弾(2012年春刊行予定)で登場する重要キャラも、「山海経」の中に登場しているのだ! 具体的には、まだちょっと秘密なのですが。


あと、次の巻では僕僕先生の王弁イジリも、モリモリな感じで行くことになってますから!
いいなー、王弁。……って、私が羨ましがってもしょうがないのだが。
ゆりこさん、ありがとうごいざいました。    (N)







2011年8月10日