2009年2月
会いたい人に会いに行くツアー 第二回 作家・恒川光太郎さん

 ブエノスディアスセニョールセニョリータ! カルロス・チョビート・モラシータです。うそ。冬が大好きなラテン系、心はいつもどインディー、ひで山です。
 そういえば皆さま、大晦日の格闘技特番、ご覧になっていましたか? 大変盛り上がり、見所も多いそのイベントの中で、とりわけアツくなった試合が三つあります。総合格闘技の選手がK-1の選手にK-1ルールで挑むという一見無謀な試合。立ち技陣の圧勝かと思いきや、総合の選手が全勝という衝撃的な結末となりました。私は総合格闘技の小説を書いたりして総合大好きなんですが、極真空手の道場に通っていることもあって、どちらかというとこの時はK-1側を応援していました。なのに結果は全敗……。
 理由はいろいろあるでしょうけれど、私がふと思ったのは、「隣」をどれだけ真剣に見ているかの差なのかな、ということでした。総合格闘技はまだ歴史も浅く、打撃のメソッドはあるものの、今でも大きく変化を続けている最中です。変化するために、総合の選手は「隣」の格闘技を見ることにとにかく貪欲な印象があります。他の武術の資料を漁って、時には本人に会いに行ったり教えを乞うのも珍しいことではありません。

続きを読む

2009年2月 2日