超バカの壁


4 男女の問題

 なぜ女は強いのか
「女は強い」といいます。これは生物学的に見ても根拠のある話です。男と女を比べると女の方が強い。また女のほうが頑固でもあります。これも強いというのと同様に根拠があります。
 免疫学者の多田富雄さんは「女は実体だが、男は現象である」と言いました。これは男女の違いを実によく言い表した名言だと思います。これに尽きるといってもいい。
 言い換えれば女のほうが無意識に基づいて行動するということです。身体に基づいているといってもいい。男の方が意識中心で、頭でっかちになりがちです。抽象的なものに囚われやすい。
 たとえば金も抽象ですし、社長、部長、課長などという社会的な役割も完全な抽象です。実体がありません。
 なぜ男は概念的世間に振り回されるのか。生物学的に見た場合、哺乳類については女性のほうが安定していることと関係があります。
 男女の違いは性染色体によります。女性がX染色体二つ(XX)で構成されているのに対して、男性はX染色体とY染色体を一つずつ持っています(XY)。
 Y染色体が働くことによって性腺というところに精巣が出来る。これは女性の場合は卵巣になるところです。
 この性腺のもとを性腺原基といいます。これが精巣になるか卵巣になるかは胎生期の七週目に決まってくる。それ以前の段階では、解剖学的に見たときに男と女の区別はありません。胎児の外見も爬虫類みたいなものです。
 七週目にY染色体が働くことによって、原基が精巣になる。一般に睾丸と呼ばれるところが出来るわけです。出来上がった精巣は抗ミュラー管ホルモンを分泌します。
 このホルモンによってミュラー管という器官が萎縮します。ミュラー管は子宮と卵管のもとになるものです。これが萎縮するために男には子宮と卵管が出来なくなります。それまではミュラー管が男の体内にもきちんとあるのですが、わざわざホルモンで殺すのです。
 このあと男性ホルモンが生殖器の原基を男の生殖器の形に変えていきます。その時に男性ホルモンが働かないと、女性の生殖器になります。こうして皆さんが持っているような性器ができあがるのです。
 つまり男性は女性をわざわざホルモンの作用でいじって作り上げたものです。元になっているのは女性型なのです。
 これが非常に重要な点です。女性の場合、染色体はXXとなっていますが、そのうち一方が働けばいいということがわかっています。だから女性の場合のXは一方がすべての細胞で不活性化(簡単にいえば働かなくなるということ)しているのです。
 男性の場合は、Xは当然働いていて、そのほかにYが加わって働く。働くといってもYはごくわずかなことしかしません。基本的には、性腺原基を精巣に変えるだけです。睾丸をつくり、子宮、卵巣をなくしてしまう。そうして外部が変わると男性ホルモンが分泌されるようになる。ということは実は人は放っておけば女になるという表現もできます。Y染色体が余計なことをしなければ女になると言っていい。本来は女のままで十分やっていけるところにY染色体を投じて邪魔をしている。乱暴な言い方をすると、無理をしている。だから、男のほうが「出来損ない」が多いのです。それは統計的にはっきりしています。
「出来損ない」というのは何も勉強が出来ないとかそういうことではありません。偏った人、極端な人が出来ると言ってもいいでしょう。生物学的にいろいろなデータをとると、両極端の数字のところには常に男が位置しています。身長、体重、病気のかかりやすさ、何でもそうです。良く言えば男性の方が幅広いとも言えます。
 しかし、たとえば畸形児のような形で出産直後に死んでしまう子も男の方が多い。一方で女性のほうがまとまる性質にある。まとまるというのは、安定した形になる、バランスがいいということです。
 
 男は極端
 身体の特徴に限らず、さまざまな極端な社会的行動も男が多い。異常犯罪の類の犯人は男のほうが多いし、暴力犯罪にしても男が女の十倍です。別に実際に力があるかどうかなんて関係ありません。
 例えば運動のほうでいえば、女性よりも男性の記録が勝る。これも極端だからです。大抵の場合、男女一緒にすると男が勝ってしまう。もちろん普段の運動をみれば男の方が短期の瞬発力はあります。重いものを持たせれば男の方が強い。しかしおそらく遠泳のように持続的に体温を奪われるようなとき、エネルギーが必要なときは女性が強い。マラソンは女子のほうが強くなる可能性がないわけではない。
 イチロー選手や松井秀喜選手など極端に運動能力が優れた男性はたくさんいます。ということは正規分布を前提にすれば、極端の方向性が正反対の男の子が同じくらいいたことになります。たとえばそういう子は生まれた直後に亡くなっているかもしれません。実際に男の子の方が病気がちで育てにくいという経験則は知られていますが、その理由はここにあるのです。

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