ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:波 > 雑誌詳細:波 2009年1月号

[塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界』刊行記念対談]

波 2009年1月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/12/27

発売日 2008/12/27
JANコード 4910068230195
定価 105円(税込)

[塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界』刊行記念対談]
塩野七生×池内 恵/「パクス・ロマーナ」が壊れるとは、どういうことなのか

佐江衆一『動かぬが勝』
寺田 博/老残の剣と江戸の風物詩と……

篠田節子『仮想儀礼(上・下)』
大森 望/脱サラ新宗教ビジネスから始まる現代の黙示録

[浅田次郎『夕映え天使』刊行記念インタビュー]
浅田次郎/天から「箱」が降ってくる!?

原田宗典『小林秀雄先生来る』
榊 邦彦/小林秀雄先生が突きつけるもの

三田村雅子『記憶の中の源氏物語』
前田雅之/歴史は虚構に准拠する

半藤一利『幕末史』
中村彰彦/「昭和史」につながる「幕末史」

丹尾安典『男色の景色―いはねばこそあれ―』
青木 繁/入魂には男の匂いがある

大竹伸朗『見えない音、聴こえない絵』
石川直樹/衝動のその奥へ

米村圭伍『退屈姫君 これでおしまい』(新潮文庫)
ペリー荻野/もー、先生、ひどいよ!

佐藤和歌子『悶々ホルモン』
石丸元章/独身女性の日常に、レバやハラミやセンマイが

小松哲史『〈人使い〉の極意―乱世を生き抜いた知将の至言―』(新潮新書)
小松哲史/今の乱世に、“算用(ビジネス)武士道”こそ

篠田達明『戦国武将の死生観』(新潮選書)
山崎光夫/現代にもつながる、「どう死ぬか」

グナル・ハインゾーン『自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来―』(新潮選書)
猪股和夫/人類が直面する「生命尊重のしっぺ返し」

J・M・G・ル・クレジオ『調書』
野崎 歓/二十三歳の勇姿を、いまこそ再発見しよう

第21回日本ファンタジーノベル大賞作品募集

コラム
日本一かっこいい夫妻との、食卓をはさんだ対決
三橋曉の海外エンタ三つ巴
「考える人」─書かれなかった須賀敦子の本

連載
【新連載】群ようこ/ぎっちょんちょん
池田清彦/生物38億年 進化の旅 第2回
宮城谷昌光/古城の風景 第67回 狩野(柿木)城
花村萬月/百万遍 流転旋転 第25回
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活 最終回
中島義道/ヒトラーのウィーン 第2回
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第4回
鹿島 茂/パリの日本人 第11回
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第6回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、この一二月に、一年八ヶ月ぶりの短編集『夕映え天使』(「夕映え天使」「切符」「特別な一日」「琥珀」「丘の上の白い家」「樹海の人」の六編を収録)が刊行された浅田次郎氏。写真は、氏の仕事場で撮影させて戴きました。机の上に乗っている原稿は、このたびの短編集の表題ともなった「夕映え天使」の自筆原稿です(撮影・坪田充晃)。本号掲載のインタビューでは、今回の短編集の各編の背景、作品発想の秘密、短編小説と長編小説を書き分けることの難しさなど、興味深いお話を伺いました。この本の刊行を記念して、二〇〇九年一月二四日(土)一五時から、宮城県仙台市の丸善仙台アエル店で、浅田次郎氏のサイン会を開催いたします。要整理券、先着一〇〇名です。お問い合わせは、会場の丸善仙台アエル店(〇二二―二六四―〇一五一)までお願いいたします。
◇「新潮」の好評連載を単行本化した杉本博司氏の『現な像』、大竹伸朗氏の『見えない音、聴こえない絵』の刊行を記念して著者講演会が、それぞれ開催されます。杉本博司氏は、二〇〇九年一月一七日(土)一四時半から、東京ウィメンズプラザホールにて(入場料八〇〇円)。大竹伸朗氏は、二〇〇九年一月二五日(日)一八時から、青山ブックセンター本店にて(入場料未定)。ともにお問い合わせは、青山ブックセンター本店(〇三―五四八五―五五一一/一〇時から二二時)までお願いします。
◇今月号より、群ようこ氏の新作「ぎっちょんちょん」の連載が始まります。群氏は一九五四(昭和二九)年東京都生れ。『鞄に本だけつめこんで』や『無印良女』シリーズなど、軽妙な語り口のエッセイや小説が人気で、最近では映画『かもめ食堂』の原作を手がけました。今回の連載はバブル崩壊後の東京を舞台にした、ある女性の成長物語です。お気楽な主人公のエリコが子どもを抱えて飛び込んだ、色街と芸事の世界。浅草で実際に三味線を学んだ著者の経験を交えて、生き生きと描き出します。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。