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[藤野可織『爪と目』刊行記念特集]

波 2013年9月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/08/27

発売日 2013/08/27
JANコード 4910068230935
定価 105円(税込)

[藤野可織『爪と目』刊行記念特集]
【インタビュー】藤野可織/正確に書くこと
大澤信亮/あなたに語っている

戌井昭人『すっぽん心中』
樋口毅宏/戌井昭人と私、そして『すっぽん心中』

【石田衣良『水を抱く』刊行記念対談】
村山由佳×石田衣良/性をリアルに描くこととは

橋本 治『初夏の色』
橋本 治/また始めました

梓澤 要『捨ててこそ 空也』
ひろさちや/虚実のおもしろさ、仏教の核心

【帚木蓬生『移された顔』刊行記念インタビュー】
帚木蓬生/「顔移植」の苦悩と希望

星 新一『つぎはぎプラネット』(新潮文庫)
新井素子/“ショートショートの神様”が遊んでる!

[新潮クレスト・ブックス創刊15周年特集]
【短篇小説ベスト・コレクション『美しい子ども』刊行記念座談会】
池澤夏樹×津村記久子×松家仁之/短篇小説はこんなにも自由だ

ジュノ・ディアス『こうしてお前は彼女にフラれる』
いしいしんじ/「呪い」と「祈り」

新潮社編『私の本棚』
恩田 陸/果てしなき書物との戦い

福田和也『其の一日―近代日本偉人伝―』
苅部 直/「偉人」たちの陰影

里見清一『見送ル―ある臨床医の告白―』
井上由美子/人は一人では死ねない

西原理恵子 佐藤 優『とりあたま帝国―右も左も大集合!編―』
堀江貴文/時事ネタ学ぶなら、これを読め!

清水真人『消費税 政と官との「十年戦争」』
砂原庸介/負担の論争から将来をめぐる論争へ

鍛治 恵『ぐっすり。―明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60―』
新潮社出版企画部/あ~、よく寝た! と目覚めるために

ラマ・スールヤ・ダス『人生を劇的に変える〈ブッダの時間〉』
生駒芳子/時間を“最良の恋人”にする方法

渡辺信一郎『江戸の色道―古川柳から覗く男色の世界―』(新潮選書)
氏家幹人/江戸文化の裏面を照らし出した労作

川島幸希『国語教科書の闇』(新潮新書)
川島幸希/もう一つの教科書問題

[山本周五郎と私]
安部龍太郎/最大多数の庶民に

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】堀本裕樹、穂村 弘/俳句と短歌の待ち合わせ 第1回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第42回
嵐山光三郎/芭蕉という修羅 第6回
斎藤明美/高峰秀子の言葉 第26回
短期集中連載エッセイ 海堂 尊/スチャラカ三都物語 第2回
池上 彰/超訳 日本国憲法 第6回
石原千秋/漱石と日本の近代 第3回
吉田篤弘/ソラシド 第14回
久間十義/デス・エンジェル 第2回
鹿島田真希/少女のための秘密の聖書 第12回
高橋秀実/とかなんとか言語学 第21回
江 弘毅/有次と庖丁 最終回
津村節子/時のなごり 第24回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は石田衣良さんです。新刊『水を抱く』は多彩な作風で知られる石田さんが『夜の桃』(新潮文庫)に次いで描いた、濃厚な官能描写に彩られた恋愛小説です。タイトルの「水」の意味は物語が閉じる直前に明らかになっていきますが、表紙の写真は水面に水滴を落とした時に生じる現象「ウォーター・クラウン」を撮りつづけた、「淀屋橋心理療法センター」の今井謙介さんのコレクションからお借りしました。
◇本誌で一昨年から昨年にかけて連載された、細胞生物学者で歌人の永田和宏さんの『歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子 闘病の十年―』が第二十九回講談社エッセイ賞の受賞作に決まりました。亡妻との闘病の日々を、折々に詠んだ歌を織り込みながら飾ることなく綴った稀にみる感動作ですが、永田さんはこのほど、やはり夫人を追悼する歌集『夏・二〇一〇』(青磁社)で、第六回日本一行詩大賞という賞も受賞されています。
◇今月号で江弘毅さんの連載「有次と庖丁」が終了します。ご愛読いただき、有難うございました。いずれ小社から単行本として刊行する予定になっています。
 来月号からは、芥川賞作家・藤野千夜さんが新機軸の青春小説の連載を開始する予定です。どうぞご期待ください。
 また、今月から若者にも大人気の歌人・穂村弘さんと、俳句の世界に新風を吹き込んでいる堀本裕樹さんによる新連載「俳句と短歌の待ち合わせ」がスタートしました。一つの題材を与えられた時に、歌人と俳人はそれぞれどのような思考回路で作品を生み出していくのか。似て非なる短文定型詩の創作の背景が明かされていく、異色にして興趣尽きないコラボレーションです。お題はジャンルも出題者も多岐にわたる予定ですので、こちらもお楽しみに。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。