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受賞作品
「花園のサル」 神田茜


受賞のことば

含み笑いの顔を思い浮かべ 受賞の電話をいただいたのは、浅草演芸ホールに向かう途中でした。夜席の高座があり、着物の入った鞄を抱えて電車に乗ろうとしている時でした。
その時はただ嬉しさで舞い上がってしまい、こんなに運のいい日はきっと寄席でもウケるに違いないと勇んで高座に上がり、得意ネタを話しました。何も知らないお客様には、はしゃぎ過ぎた酔っ払いのおばさんにしか見えなかったのか、どっちらけでした。
いかんいかん、いい年をして、いい気になるとあとでぎゃふんという目にあう。もしかしたら受賞の電話も相手を間違えたかもしれない。いたずら電話かもしれない。そうだ、夫の愛人の嫌がらせかもしれないと、何とか興奮をさまして数日過ごしました。
新潮社に伺い、受賞が間違いないと確認してからは責任感と今後の不安とで身が縮みあがる思いでおります。
四十数年、賞など、ましてや一等賞や大賞などはビンゴゲームでさえ当たったことはなく、まったく縁がない人生でした。むしろ運が悪いことをネタにして笑ってもらっていたくらいです。
今回は、こんなに気弱なことでは選んでくださった三浦しをんさん、この賞に挑戦した多くの方々に失礼だと思い、授賞式に向け鏡の前で笑顔の練習をしたり、数少ない友人に報告して喜んでもらったりして現実感を養っています。



選評

三浦しをん

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