川端康成文学賞



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2012/05/07 第38回 川端康成文学賞受賞作品発表

川端康成文学賞




受賞作品


「犬とハモニカ」 江國香織

「新潮」 平成23年6月号


受賞のコメント


 漠然とですが、混沌をつき抜けた先で澄んだもの、に与えられる賞だという印象を持っていて、受賞と聞いたときにはびっくりしました。そんな端正な賞をいただいてしまっていいのだろうか、と。選考会が二度行われていると知り、丁寧に読んで選んでくださったのだと思うとほんとうに光栄で、うれしいです。
「犬とハモニカ」は、去年『新潮』の「文學アジア3×2×4」という、日本、韓国、中国の三文芸誌によるプロジェクトに、「旅」というテーマを与えられて書いた小説でした。韓国と中国という外国の、自分では読めない言葉で構成された文芸誌にも掲載される、ということにわくわくし、同時に緊張もしながら――ナンダ、ニッポンノショウセツハコンナモノカ、と思われたくなかったのです――、書いた「犬とハモニカ」で、上等な賞をいただけたことは喜びで、大きな誇りです。ありがとうございます。



〔江國香織氏略歴〕
一九六四年東京生まれ。短大国文科卒業後、アメリカに一年留学。八七年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、八九年「409 ラドクリフ」でフェミナ賞、九二年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞、『きらきらひかる』で紫式部文学賞、九九年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞、二〇〇二年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、〇四年『号泣する準備はできていた』で直木賞、〇七年『がらくた』で島清恋愛文学賞、一〇年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞を受賞。




候補作品


本屋大将 木下古栗
Metamorphosis 奥泉光
スポンジ よしもとばなな
案山子 藤沢周
犬とハモニカ 江國香織
先カンブリア 諏訪哲史

選考委員


秋山駿 アキヤマ・シュン

1930年東京生れ。早大仏文科卒。1960年、評論「小林秀雄」で群像新人文学賞を受賞。1990年、『人生の検証』で伊藤整文学賞受賞。1996年刊行の『信長』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。他に、『舗石の思想』『知れざる炎―評伝中原中也―』など多くの著書がある。日本芸術院会員。



辻原登 ツジハラ・ノボル

1945年、和歌山県生まれ。1990年「村の名前」で芥川賞、1999年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、2005年『枯葉の中の青い炎』で川端康成文学賞、2006年『花はさくら木』で大佛次郎賞を受賞。他の著書に『黒髪』『発熱』『約束よ』『ジャスミン』『夢からの手紙』『円朝芝居噺 夫婦幽霊』『許されざる者』など。



津島佑子 ツシマ・ユウコ

1947(昭和22)年、東京生れ。作家・太宰治の次女。白百合女子大学英文科卒。在学中より「文芸首都」「三田文学」に参加。『寵児』(1978年女流文学賞)、『光の領分』(1979年野間文芸新人賞)、『黙市』(1983年川端康成文学賞)、『夜の光に追われて』(1987年読売文学賞)など受賞作多数。1991年10月から翌年6月までパリ大学東洋語学校で日本文学を講義する。『謝肉祭』『大いなる夢よ、光よ』『かがやく水の時代』など多くの作品がある。



堀江敏幸 ホリエ・トシユキ

1964(昭和39)年、岐阜県生れ。1999(平成11)年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で芥川賞、2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、2004年同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞、2006年『河岸忘日抄』、2010年『正弦曲線』で読売文学賞を受賞。おもな著書に、『郊外へ』『いつか王子駅で』『めぐらし屋』『バン・マリーへの手紙』『アイロンと朝の詩人―回送電車III―』『未見坂』『彼女のいる背表紙』『書かれる手』ほか。



村田喜代子 ムラタ・キヨコ

1945年、福岡県北九州市八幡生まれ。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌「発表」を創刊。1987年『鍋の中』で芥川賞を受賞。1990年『白い山』(文藝春秋刊)で女流文学賞を、1992年『真夜中の自転車』(文藝春秋刊)で平林たい子賞を、1998年『望潮』で川端康成賞を受賞した。『花野』(講談社刊)、『蕨野行』『蟹女』『龍秘御天歌』(文藝春秋刊)などの著書がある。



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