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【特集】復帰40年 沖縄の不都合な真実

新潮45 2012年6月号

(毎月18日発売)

特別定価880円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/05/18

発売日 2012/05/18
JANコード 4910049370629
定価 特別定価880円(税込)

【特集】復帰40年 沖縄の不都合な真実

◆基地反対の名護市が「返還に反対」する基地/大久保潤

◆補助金要求の名人たちが作る「公務員の帝国」/篠原章

◆沖縄売ります、特に中国人に/平野秀樹

【独占手記】尖閣諸島「売却」の内幕/栗原弘行

◆教養なき政治家の群れ/中森明夫

◆[大宅賞受賞記念エッセイ]
 「木村政彦」が連続ツイートされた夜/増田俊也


◆昔フリーター、今ノマド/古市憲寿

◆ふたたび増殖中「大学カルト」最新事情/藤倉善郎

◆ラオスの子どもに会いに行ったら/酒井順子

【特集】幸福な日本の自覚なき日本人たちへ

・ネガティブ報道に惑わされるな/ダニエル・カール
・ブータンはここにある/ジェフリー・アイリッシュ
・直面する困難はトップランナーの証し/菅野沙織
・日本は世界の奇跡である/ジャック・パイエ
・自動販売機に驚いた/旭天鵬勝
・誰もが生きやすい宗教的な寛容さ/ネルケ無方
・憧れの「メイドさん」になってみた/段文凝
・長い目で見ることの素晴らしさ/マイケル・プロンコ
・ドラマも漫画も繊細なディテール/金泳徳
・子供を産んでも安心して働ける国に/坂根シルック
・外国メディアの情報操作に負けるな/ダニエル・ロング
・「凜とした女性」が日本を元気にする/フィフィ
・中国の「虚像」に怯えるなかれ/叢小榕
・在日インド人が増えている理由/インディラ・バット
・神道の叡智に学べ/ヘィヴンズ・ノルマン

【特別対談】
目と耳と脳のあいだ/養老孟司×久石譲

◆人生を豊かにするランニング/金哲彦

◆大作曲家の胃袋のひだ/大前知誇

◆情報は力か害毒か リスク・コミュニケーション(その一)/里見清一

【新連載】
◆歌謡曲が聴こえる/片岡義男
◆世界史を変えた化学物質/佐藤健太郎

◆「東北学」第二章への道[最終回]/赤坂憲雄

◆反・自由貿易の経済史[最終回] 拒否すべきアメリカ主導体制/中野剛志

◆浮浪児1945[第二話]闇市の勃興――彼らはどこへ消えたか/石井光太

◆立川談志は名月である[第二回] 新月/吉川潮

【達人対談】
二酸化炭素を吸う建築素材って?/構造設計の達人 今川憲英vs.ビートたけし

◆日本八策[第四回] 可能性の芸術/茂木健一郎

◆弟宮[第九回] 秩父宮と東条総理の対決/竹田恒泰

◆名門と国家[第二部 第三回] なぜ会津藩は壊滅させられたか/徳川家広

◆お化け煙突から東京スカイツリーへ[最終回]/山口文憲
 ――下町のランドマークが見てきた昭和


◆昭和の子供だ君たちも[第七回]/坪内祐三

◆石の虚塔[第六回] 発見チームに生じた亀裂/上原善広

◆兵士は起つ 自衛隊史上最大の作戦[第九回]/杉山隆男

◆田老物語 巨大防潮堤と「日本の近代」[第九回]/高山文彦

◆国の死に方[第十二回] ゴジラと吉田ドクトリン/片山杜秀

◆人生の星の時間[第二十五回] 近衛文麿/福田和也

【特集】
生誕100年*今こそ読みたい新田次郎

・父のようになりたくなかった/藤原正彦
・「熱」の人、「義」の人/宮辺尚
・自然と向き合った作家――新田次郎文学の魅力/高橋千劔破
・新田次郎文学ベスト10

◆[扉]天泣/高木亮
◆地球生き物語[第9回] エゾフクロウ/福田幸広

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆右顧左眄/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如

◆[記者匿名座談会]「本気」じゃない政治家ばかり
◆おとこのるつぼ *夢の中の結婚/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *免許停止処分者講習/今井舞

◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選8/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA・EXHIBITION
[読書日記]小川真司
[インタビュー]須藤晃

編集長から

日本の無自覚な現実、
沖縄の不都合な真実
 このほど英BBCなどが22カ国で行った調査で、「世界に良い影響を与えている国」として日本がトップにランキングされました。まことに嬉しいかぎりですが、日本国内で日々の報道に接していると、気分はまったく逆。なんだか日本は世界一不幸な国で、今にも滅びそうな気さえしてくるほどです。
 そんな「自虐悲観」を吹き飛ばし、曇りのない目でこの国を見つめ直してみたいと組んだ特集が「幸福な日本の自覚なき日本人たちへ」。外国人15人による叱咤激励に思わず元気が出てきます。「日本は世界の奇跡である」「ブータンはここにある」……そう、われら「平たい顔族」も捨てたもんじゃないのです。
 一方、沖縄復帰40周年に合わせて組んだ特集は「沖縄の不都合な真実」。こちらも新聞・テレビの報道では見えて来ない現実を浮かび上がらせます。このほか、独占手記「尖閣諸島『売却』の内幕」、「生誕100年今こそ読みたい新田次郎」にもご注目を。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2012年6月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞