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【特集】朝日新聞の落日

新潮45 2014年10月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2014/09/18

発売日 2014/09/18
JANコード 4910049371046
定価 897円(税込)

【特集】朝日新聞の落日

◆二つの「吉田問題」が息の根を止める/阿比留瑠比
これは朝日にとっての「西山事件」である/河内孝
◆朝日新聞と「言論の不自由」/辻堂雄一
◆「急ぎ足のメディア」の陥穽/武田徹
原発建設を推進した上からの「広報と啓発」/有馬哲夫
◆「天声人語」という諸悪の根源/大口卓造
◆「従軍慰安婦」だけではない「罪深き黒歴史」/編集部編
一コマ漫画「我々は朝日憲兵である。」/木村ケン

朝日新聞のなかの“戦後日本” 反・幸福論〈44〉/佐伯啓思

【短期集中連載 1964東京五輪から50年】
世界が日本に一目惚れ 〈1〉変貌する東京/メリー・アシュモント

◆内閣改造人事「谷垣幹事長」誕生の内幕/記者匿名座談会

裁判を歪める「裁判官の天下り」/時任兼作

◆「若年介護」の現実を知ってほしい/井手大喜

◆「地元回帰」の正体/小田嶋隆

◆もう新しいものなんていらない/古市憲寿

【短期集中連載】
40歳の幕内力士 〈1〉初めて見た日本/旭天鵬勝  [取材・構成]武田葉月

【話題沸騰! 歴史巨編】
プリニウス 第10回/ヤマザキマリ とり・みき

【永田町・霞が関に激震! 巨弾新連載小説!】
オペレーションZ/真山仁

【対談】保守と近代/藤井聡×適菜収

[昭和秘史発掘]
田中義一内閣総辞職は「宮中クーデター」だった/大杉一雄

◆急拡大する遺品整理ビジネスの内実/古田雄介

◆沖縄のことを何も知らなかった/川本三郎

健康であることの罠 心肺停止になって考えたこと4/中村うさぎ

◆海洋資源開発は「国境離島管理」から始まる/山田吉彦

◆「知らぬが仏」の情報経済学入門/小塩隆士

◆うどんはコシじゃない! 「伊勢うどん党」宣言/石原壮一郎

第13回 新潮ドキュメント賞発表
[受賞作]殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―
受賞記念エッセイ/清水潔

逆張り(コントラリアン)日本論/瀧本哲史
〈3〉過剰な情報消費時代にこそ甦る「教養」


組織で生き抜く極意/佐藤優
〈3〉上司との付き合い方 その1 絶対に逆らってはいけない


日本人よ、ひとり往く生と死を怖れることなかれ/山折哲雄
〈3〉親鸞、ひとりの風に吹かれる


日中百年の群像――魯迅と蒋介石が日本に見た夢/タン・ロミ
〈6〉蒋介石、再来日す


本当はエロかった昔の日本 古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈2〉日本の大古典を生んだ母系的社会


年を取る/橋本治
〈10〉病人よりも老人がいい


むかしはよかったね?/パオロ・マッツァリーノ
〈11〉ありのままの敬老の日


日本のビョーキ/里見清一
〈19〉コミュニケーション各論(3)贈り物は受け取らねばならない


日本国の形式/片山杜秀
〈25〉今を用意するロマン


【達人対談】「宇宙エレベーター」はもう夢物語ではない
宇宙エレベーターの達人/石川洋二vs.ビートたけし

◆[扉]百舌鳥/高木亮
◆居酒屋チエコ亭13 椎茸のネギマヨ焼き/オガワチエコ

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈世界遺産なんか好きじゃない〉/川内有緒

◆天国飯と地獄耳 *そこそこノマドとガチ婚活/岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *「ミス・ワールド」日本代表選考大会/今井舞
◆国道者 *四県を跨ぐ国道になれない県道/佐藤健太郎

◆[切り絵パロディ]贋作名画大全12/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・ざ・ベストテン
[読書日記]小川真司
[インタビュー]一青妙

編集長から

恐怖の1週間

 小誌の発売日は毎月18日。頂戴した原稿を月頭までにゲラ刷りにし、校閲作業を経て、10日頃までに順次校了していきます。毎月多少の前後はありますが、校了から発売まで約1週間のタイムラグが生じるわけです。この間は大きな出来事が起きないことを祈りつつ、ヒヤヒヤした気持ちで過ごします。でも時々、切歯扼腕する事態が起きる。
 今月がまさにそうでした。すべてを校了したのが10日。広告を作り始めた11日に「朝日社長会見へ」の一報が。まさに手も足も出ない状態で夜のニュースを見て、翌12日の朝刊を読みました。そして12日〆切のこの原稿を書いているわけです。こういうことがある度に、月刊誌の役割を自問自答する日々です。
 社長会見は盛り込めませんでしたが、特集「朝日新聞の落日」は力作揃い。溜飲が下がること間違いなし。また今月から真山仁「オペレーションZ」もスタート。総合月刊誌になぜ連載小説が? それは読んでのお楽しみ。小誌にとっても新たな挑戦です。

新潮45編集長 三重博一
(「波」2014年10月号より)

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞