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『川瀬敏郎 一日一花』


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『川瀬敏郎 一日一花』刊行記念対談 辰巳芳子×川瀬敏郎/スープに近い花


川瀬敏郎さんからのメッセージ

 東日本大震災からひと月後、テレビのニュースを見ていたときでした。画面は剥きだしの大地に草が萌え、花が咲く、被災地の遅い春を映していましたが、私の心をとらえたのは、花をながめる人々の無心の笑顔でした。

 じつは震災のあと、私は生れてはじめて花を手にすることができずにいたのですが、その笑顔にふれて、むしょうに花がいけたくなり、気づけば「一日一花」をはじめていました。生者死者にかかわらず、毎日だれかのために、この国の「たましひの記憶」である草木花をたてまつり、届けたいと願って。

 それらの花をどのように伝えてゆけばよいか思案していたとき、「インターネットで配信してみませんか」と新潮社の菅野さんから提案を受けました。当初は戸惑いましたが、最適のようにも思えてきて、新潮社「とんぼの本」のホームページでの配信が決りました。

 私は「一日一花」を、花による曼荼羅と思い描いていました。あらゆる花を手向けたいとの心願がありました。とうてい私ひとりの手には負えません。気心が知れ、花をよく知る川島南智子さんと、花フジの藤井一男さん壽子さんが心強い味方でした。なかでも川島さんと壽子さんは、まさに身を賭して山野を走りまわり、花を届けてくれました。二人をつうじて多くのいのちと出逢いました。また森田美保子さんも、庭の花を惜しげなく切ってくださったうえ、花の名も御教示いただきました。ほかにも何人もの方が「一日一花」を知って花を届けてくださり、何よりの励みとなりました。撮影場所を提供していただいた木村宗慎さん、カメラマンの青木登さん、『今様花伝書』以来編集に携わってもらっている菅野康晴さんにはひとかたならぬお世話になりました。

 多くの方々の力添えがあって、三六六日、花と向きあうことができました。終えてみると「花を賜った」という気持でいっぱいです。心より御礼申上げます。


『一日一花 川瀬敏郎』 「あとがき」より


川瀬敏郎プロフィール
川瀬敏郎 今様花伝書
川瀬敏郎

菜の花、椿、朝顔、水仙――四季折々の「花の心」といけかたを、花鋏の使い方、器選びからやさしく教える花伝書24カ月。「芸術新潮」人気連載、待望の単行本化。ハッとせずにはいられない美しい写真で学べます。

ISBN:978-4-10-452801-1 発売日:2002/03/18

おすすめの一冊 雑誌から生まれた本

4,104円(定価) 購入


神の木―いける・たずねる―
川瀬敏郎、光田和伸

桂は水の神、樟は稲の神、柳はすべて雄の木、松があかす日本語の起源――天才花人が木のこころを語り、異能の国文学者がその歴史を語る。川瀬敏郎8年ぶりの作品集にして、松山の椿、三輪山の杉、小岩の松、山形の欅ほか、全国12カ所の「御神木」案内の書。木のことを知ると人生も楽しい!

ISBN:978-4-10-602202-9 発売日:2010/03/25

編集者のことば 立ち読み

1,620円(定価) 購入


『川瀬敏郎 一日一花』

とんぼの本は「美術」「歴史」「文学」「旅」をテーマとするヴィジュアルの入門書、案内書のシリーズです。創刊は1983年。シリーズ名は「視野を広く持ちたい」という思いから名づけたものです。
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