『オルタネート』加藤シゲアキ/著 『オルタネート』加藤シゲアキ/著 『オルタネート』加藤シゲアキ/著

news

2023.03.31 『オルタネート』新潮文庫化が決定しました。(6月26日発売)

2021.12.06 ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2021 小説ランキングの第1位に選出されました。

2021.05.31 高校生直木賞を受賞しました。

ヒヤシンス

story

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須のウェブサービスとなった現代。東京にある円明学園高校で、3人の若者の運命が、交錯する。調理部部長で品行方正、しかし、あるトラウマから人付き合いにコンプレックスを抱える いるる 。母との軋轢を機に、絶対真実の愛を求め続けるオルタネート信奉者の 凪津 なづ 。高校を中退し、かつてのバンド仲間の存在を求めて大阪から単身上京した なお 。出会いと別れ、葛藤と挫折、そして苦悩の末、やがて訪れる「運命」の日。3人の未来が、人生が、加速する――。
悩み、傷つきながら、〈私たち〉が「世界との距離をつかむまで」を端正かつエモーショナルに描く。3年ぶり、渾身の新作長編。

character

新見蓉

新見 にいみ いるる

円明学園高校3年生。調理部の部長を務め、全国でライブ配信される料理コンテスト「ワンポーション」での優勝を目指す。しかし、「ガイドブック通りの旅行」しかできない自分にコンプレックスを抱き、部員とも衝突を深めてゆく。

伴凪津

ばん 凪津 なづ

円明学園高校1年生。幼少期より母子家庭で育ち、奨学金制度を利用して円明学園高校に入学。以来、絶対真実の愛を求めて、オルタネートにのめり込んでいく。ある遺伝子サービスを利用し、「運命の相手」を見つけるのだが……。

楤丘尚志

楤丘 たらおか 尚志 なおし

大阪の高校を中退。オルタネートの権利を剥奪されたことをきっかけに、かつてのバンド仲間である円明学園高校2年生の安辺豊を探し、単身上京を決意。「本当の居場所」を求めて徘徊を重ねるうちに、ひょんなことから音楽家達が集うシェアハウスへ入居することに。

オルタネートとは?

高校生限定のSNSアプリ。個人の認証が必要で、利用条件は高校の入学式から卒業式までと定められている。お互いが〈フロウ〉を送り合うことで〈コネクト〉となり、メンバー同士の直接のやり取りが可能となる。また、ユーザーが指定した条件に合わせて相性のいい人間をレコメンドする機能、ブログを投稿できるSNS機能を持ち合わせ、高校生必須の人気アプリとして確固たる地位を築いている。

alternate

(1)交互に起こる、互い違いになる、交互に繰り返す
(2)《電気》〈電流が〉交流する
(3)代わりのもの、交代要員、代理人、補欠

pv

コーンおにぎり

comment

著者と読者が、この先、何度も立ち返る里程標のような作品になるだろう。

恩田 陸(作家)

青春をアプリと五感で表現した。それがこの作品の独創である。

岩井俊二

本作において「運命」という言葉は、「運命」という考え方を否定するために使われる。「運命の相手」なんてものは、いない。君でいいんだ。君がいいんだ! 文芸シーンの最前線へと躍り出る、完全なる最高傑作。

吉田大助(書評家)

自分を晒し、晒される今の10代の苦しさとたくましさに胸をえぐられる。一作ごとに成長する著者の新たな境地。

瀧井朝世(ライター)

review

まぶしい。とにかくまぶしい。それぞれの場所でキラキラ輝いていた。これぞ青春!! 後半たたみかけるように色んなことが起こり、その全てが愛しくて胸がいっぱいになり、泣きながら読みました。

明屋書店 厚狭店 小椋さつきさん

なんて爽やかな読後感! それがまず思ったことでした。瑞々しくて、眩しくて、そして繊細で。ここにまさに青春がありました。徐々にスピードが増していった疾走感が個人的にとても好きです(祝祭の辺りがもう最高!)。狙い通り、若者の掌の上できっと転がされているんだろうなあと自覚しつつ、ドキドキする気持ちが加速していくのが心地よかったです。

ジュンク堂書店 三宮店 大隅美夏さん

バラバラだった3人の物語がそれぞれの青春の最高潮(クライマックス)に学生時代の二度と戻れない緊張感や高揚感が怒涛のように折り重なって流れ込み、最後の方はページを進める手が止まらなくなりました。

くまざわ書店 浅草店 大西里穂さん

数字には説得力がある。けど、それが届かない場所が確かにある。運命を切りかえるレバーを引くのは、自分の手。弱さと強さを知りながら、未来を動かしていく。著者の挑戦と覚悟が詰まった作品。

明文堂書店 金沢野々市店 瀬利典子さん

ヲタク精神な私は読み終えた時、心の中で手を合わせ「尊い……」と自然ともれてしまった。大人になっていきながら感覚が麻痺してた人との出会いや別れ、10代の頃は1つ1つが自分の人生を大きく揺るがすような感覚があったのを思い出した。私が学生の頃とちがってリアルだけでなくSNS上での処世術が必要な世代にこそ、特に読んでもらいたいし、青春時代から足が遠のいた人には読んだ後一緒に「エモいよねー!! 尊いよね!!」って語りたい作品です。

明林堂書店 ゆめタウン大竹店 船川梨花さん

読んでいて、まるっきりアイドルとしての著者の顔が浮かびませんでした。まぎれもなく素晴らしい小説家です。新作を発表するごとに、前作を上回る小説を生み出す著者の進化をリアルタイムで体感できる幸せを感じます。

三省堂書店 札幌店 水口由紀さん

もう、高校生だったのは遠い過去ですが、まるで自分も高校生に戻ったかのような気持ちになりました。本当によかったです。

杉本駅改造社 山村奈緒美さん

自分の高校時代には夢にも思わなかった携帯やSNS……。私が今高校生だったら……と考えながらさわやかな彼らと読書のひとときを楽しませてもらいました。

ラフレ書店 中村まゆみさん

自分が通って来た道だからこそ、登場人物への感情移入がしやすく、恋愛の甘酸っぱさ、打ち込んでいる・執着していることに対してのもどかしさと焦りなど様々な感情が蘇ってきて、まるで自分が学生時代にタイムスリップしているような感覚で読み進めることができました。

喜久屋書店 小樽店 工藤久子さん

何歳になっても、今、この瞬間を大切に生きようという想いが心からわきあがりました。

水嶋書房 くずはモール店 和田章子さん

まるで映像作品を観ているような臨場感があり、自分も同じ時間を同じ場所で共有しているような気分を味わいました。小説という文字だけの世界で、確かに生きた時間が流れていた衝撃がとても強くて、忘れられません。

丸善 岐阜店 牧野那月さん

最終章のスピード感に圧倒されました。どんどん近づいていく3人の物語。結末が気になりページをめくる手が止まりませんでした。

ビッグワンTSUTAYA さくら店 荒井美歩さん

失敗ばかりだった。だけどやっぱり懐かしい。そんな青春の記憶を呼び覚ます、まぎれもなく全世代にとって「等身大」の物語だと感じました。

紀伊國屋書店 ゆめタウン廿日市店 奥野菜緒子さん

初めはこのアプリのありそうでなさそうな新しさや面白さに引き込まれて読んでいた物語が、次第に登場する高校生たちの生活や思考に魅了され、彼らの葛藤がなぜかとても身近に感じられた。終盤に近付くにつれて、急きたてられるようにスピード感が増し、読後しばらく、物語の眩しさと爽快さに胸がドキドキした。

東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん

部活、音楽、家族、友達、恋人、ネット……。ありとあらゆる普遍的な青春が詰まった1冊でした。

ジュンク堂書店 松山店 木崎麻梨子さん

まさに青春! 100%「今」の青春。ひりひりするしむずがゆいし微笑ましいし、あああああいいなぁあああーと思いました。

宮脇書店 徳山店 岩枝泉さん

無邪気で、時として残酷、熱く胸が躍る日々もある高校生活が懐かしく蘇った。

積文館書店 天神地下街店 長沼沙耶さん

SNSが当たり前のように使われる現代、オルタネートのようなものはきっと存在し、彼女らのように悩む若者がいるのではないだろうか。読み終えた後、こんな青春送りたかったなぁと余韻に浸っていた。

紀伊國屋書店 富山店 北村菖さん

学生だった頃の気持ちが、懐古的に、未来的に、交差する。苛立ちもあり、浪漫もあり、新しい感覚で語りかけてくる。その着眼点が誰のものでもない、著者自身の遙かで煌めくプリズムに圧倒された。

うさぎや 矢板店 山田恵理子さん

青春真っ盛りの中、揺れ動く心情に、心を揺さぶられました。自分たちの時代にこういうツールがあったなら……。そんな事を想像して読むのも一興です。

本の王国 南安城店 莨谷俊幸さん

高校生の苦悩や輝きが青葉のごとく光っていました。大人になると小さくてたいした事ない友人や家族との空気感も高校生である彼らには抱えきれない程の悩みとして描かれている、これぞ青春小説!

喜久屋書店 橿原店 谷川麻里花さん

あまりにも濃密な空気を吸い込んでしまって、うまく呼吸ができない。胸が苦しく、同時に灼けつくようで、うずくまりたいような気持ちになる。これは、かつての私の記憶が呼び起こされる痛みだ。痛みと同時に胸に居座るのは、もう戻れない“青春”と呼ばれる日々の輝きだ。

本の森セルバBRANCH岡山店 横田かおりさん

忘れていた「青春」がここに有ります。物語の中にきっと自分を見つける事が出来るはずです。

TSUTAYA BOOK STORE みらい長崎ココウォーク 香田麻衣さん

読みながら、物語に登場する彼らが必死に前へ進もうとする姿に何度も感情をゆさぶられ、彼らのように、自分も、一歩を踏み出さなければ……と思わずにはいられませんでした。夢追う若者たちはもちろん、夢を持つ大人たちに紹介したい……! 私の背中を押してくれた、特別な1冊になりました。

紀伊國屋書店 名古屋空港店 土屋彩乃さん

青春ってまぶしいな、と今更ながらに実感。10代のもつまぶしさ、純真さ、残酷さが胸を打つ。

文真堂書店 ビバモール本庄店 山本智子さん

多くの若者が登場するが、ひとりとして同じところのない彼らがすれ違い、つながりあい、ひとつのラストシーンを迎える展開には感動を覚えた。彼らとともに季節を走り抜けたような、爽快感のある作品だ。

HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎さん

青っ春!! キラキラの青春のかさなりにドキドキしつつも、心地よくそしてとてもうらやましいです。

蔦屋書店 イオンモール筑紫野 西川愛さん

とてもリアルさを感じられて透明感がある恋愛模様にときめきを思い出させてくれました。ぜひドラマでも見てみたい!!

コメリ書房 鈴鹿店 森田洋子さん

最後に向かうにつれて、バラバラに奏でていた音楽がセッションしたように、様々な素材を使ってお料理の一品が作られるように、全てが繋がった時、ゾクゾクする楽しさと、作品の壮大さ、可能性を感じた。

喜久屋書店 東急プラザ新長田店 三原有紀さん

言葉にできない感情、そうそうそんな時があったと思い出させてくれる。永遠に存在し、そして新たな気持ちをよびおこす青春小説が誕生した。

ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん

中心へ向かって一気にドミノが倒れ出すような場面も無理がなく自然と想像出来て、その疾走感に、座って読んでいるだけなのに動悸がしました。

未来屋書店 姫路大津店 沖川幾美さん

この小説に登場する人物達は、16歳から18歳の間と生きるこの瞬間ときならではの大人への一歩に悩みもがきながら体当たりをしている、リアル青春だ。私が過ごせなかった、過ごしたかった3年間を彼らを通して過ごせた。学生だけでなく、「自分の可能性は止まった」と感じてしまっている大人達にもぜひ読んでもらいたい。

くまざわ書店 下関店 山本舞さん

主人公たちが自分の問題と正面から向き合い、戦って成長していく姿には胸を熱くさせられ、自然と笑顔になりながら読みました。読後がすがすがしく、とてもさわやかな気持ちにさせてくれる作品でした。

宮脇書店 総社店 三宅宏和さん

今回初めて、加藤シゲアキさんの本を読みました。高校生の青春や恋愛など、歳を重ねるごとにギャップを感じることが多くなり、あまり手に取らなくなったジャンルですが、今回はそういったものを全く感じず、集中して最後まで読めました。10代の女の子の書き方がとても上手で、本当に男性が書いたのかと思うほどでした。おもしろかったです。

札幌弘栄堂書店 アピア店 匿名

それぞれのドラマが重なりあい、まるで響きあうビートのように最高のステージへと読者を連れていく。ラストの光に向かって、ただがむしゃらに疾走した。

丸善 丸広東松山店 本郷綾子さん

読んでいるうちに彼らと同じ目線でドキドキしたりハラハラしたり。久しぶりの感覚でした。お昼過ぎのまだ明るい時間に読み始め、読了して顔を上げたら外が真っ暗で驚きました。思った以上に惹き込まれていたんだな……と。

MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 森由花さん

10代それぞれの想いや憂い葛藤の交錯が絶妙で読み進めていけばいくほど、自分もこの年代にタイムリープしたような感覚に陥ってしまいました!!!

紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん

“オルタネート”というマッチングアプリで今の高校生の世界をのぞき見できたように感じました。恋愛、友情、家族愛、いろいろな愛を感じました。特に、ワンポーション後の蓉と両親のやりとりにぐっときました!

Book Yard. CHAPTER3 匿名

過去と現在、マッチングアプリや動画投稿サービスを利用し交流する高校生、誰かの代わり、失敗した料理の代わり……とオルタネートという単語の全ての意味が使われて人間関係が表されている、素敵な物語でした。

未来屋書店 ナゴヤドーム前店 加藤さん

花壇の水やりやグラスの結露に反射する青春がみずみずしい。こういう感情が「エモい」ということなんだと感じました。

くまざわ書店 南千住店 河口茜さん

1人1人が青春していて胸があつくなりました。

ブックファースト 西宮店 淡路谷咲枝さん

蓉も凪津も尚志も、傷ついたり泣いたり間違ったりしながらそれでもそれぞれの信じるものに向かってゆく姿に少し涙が出ました。いい小説でした。好きです。

喜久屋書店 豊岡店 中村美穂さん

メインとなる3人の登場人物はもちろん、それを取り巻く人々も魅力的で愛おしい。最終章の疾走感と繋がる伏線、読後の爽やかさはとても心地よかった。

ブックマルシェ アリオ深谷店 小泉友里さん

10代という年代の心境の複雑さはいつの時代も変わらない。出会いと別れ、あるいは前向きな気持ちと、どこかで立ち止まってもがいているような、もどかしい気持ち。何ともいえない感じを今作で著者は巧みに1つの作品に仕上げている。

ジュンク堂書店 新潟店 小松薫さん

恋も出会いも友情も、全ては「スマホ」の上から始まる。今とこれからを生きる全ての若ものたちへ向けた、少し先輩の作者が描く青春群像劇。やはり青春って少しうらやましい。

朗月堂 駒井伸さん

読後感がさわやかなのは、登場人物たちが皆様々な悩みを抱えながらも一歩前へ進む成長物語だから。「ワンポーション」の場面など、ぜひ映像でも見てみたい作品です。

未来屋書店 浜松市野店 鈴木あゆみさん

オルタネートが様々な意味合いで散りばめられてお話を盛り上げていく中で私も青春時代を思い出しました。そして、それがどんな物語であっても自分自身で愛していくことが次に繋がるのではないかと考えさせられました。どの世代の人が読んでも自分を投影してしまう小説だと思います!

ジュンク堂書店 三宮駅前店 安見茉里子さん

架空のSNSや配信アプリも妙にリアルで、この中に私がいたら、どう好きに乗り込んでいけるだろうと考えずにはいられない1冊でした。

三省堂書店 有楽町店 山口奈美子さん

自分のこと、そして周囲の人たちのことを、好き、嫌いというある意味純粋な気持ちで接している姿が、今の自分には、直視できないほど輝いてみえた。

正文館書店 本店 鶴田真さん

自分の道を見つけようともがく若者たちの姿が美しくきらめいていて夢中で読みすすめた。

くまざわ書店 東京オペラシティ店 神山愛さん

ラストシーンを照らすひとすじの光。こんなにも温かくやさしい気持ちに包まれるとは。10代特有の不安定さや焦り、葛藤がこんなにも見事に描かれているとは。加藤シゲアキの魅力が更新された。

柏の葉蔦屋書店 高松祐似さん

10代では届かぬ夢はある。しかし、10代でなければ追えない夢もある。著者はピースを集めて、1枚の絵を完成させるのではなく、「オルタネート」という小説の中に、必要なピースを散りばめることに成功している。

くまざわ書店 錦糸町店 阿久津武信さん

高校生の少年少女は楽しいことばかりの学生生活ではなく、数えきれないくらい悩み葛藤していて、そんな複雑な思いが痛いくらい伝わってくる物語でした。

ジュンク堂書店 名古屋栄店 柿田紗代子さん

時代・文化に変化はあっても人の想いは変わらないと感じました。とても丁寧で熱く描かれた青春の日々。この出会いをとても嬉しく思います。

旭屋書店 アトレヴィ大塚店 北川恭子さん

不器用ながらも手さぐりで精一杯生きていたあの頃の自分と重ねると胸がいっぱいになる。運命に立ち向かう彼らが愛おしくて、まぶしくて。青春って、いいな。

柳正堂書店 甲府昭和イトーヨーカドー店 山本机久美さん

ネットならではの汚く、もっとドロドロしたものも書けただろうに、そうはせず、青春の一時を上澄みとしてすくい取って、さわやかなものに仕上げた感覚が素晴らしい。是非、現役高校生に読んでもらいたいです。

水嶋書店 金剛店 浦辺千栄子さん

「ワンポーション」の料理大会、学園祭に向かうクライマックスの中で、3人それぞれが自分と逃げずに向きあって立ち向かってゆく。こんな学園生活がうらやましい。

ふたば書房 山科駅前店 宮田修さん

日々もがき、悩んで苦しむ青春のきらめきがぎゅっとつまった、とても繊細な物語だ。登場人物たちは、傷つくことを恐れていないのではない。傷つくことを誰よりも恐れ、それでも世界に立ち向かっていくからこそ、この作品は美しいのだ。

大垣書店 イオンモールKYOTO店 辻香月さん

登場人物たちと一緒に10代の気持ちにのめりこんでいた自分に気づかされました。ここまで丁寧に10代の葛藤、息苦しさ、悩みや熱い想いを描いていながら、最後にその先の世界、未来まで見せてくれる。目の前がパッと晴れるような心地を、多くの方にも体感していただきたいです。

福岡金文堂 行橋店 富山未都さん

読んでいくうち、久しぶりにあの頃の感覚が断片的によみがえってきました。マッチングアプリはおろか、携帯電話すらままならない世代でしたが、教室とか部活とか、まとわりつく匂いとか。そんな感覚に思わず蓉や凪津をぎゅっとしたくなりました。

真光書店 小林さん

「青春」という言葉だけでは語れない複雑な感情が、繊細に描かれている作品です。

紀伊國屋書店 天王寺ミオ店 木曽由美子さん

10代という最も輝く時期の姿、生きる苦しさが鮮明に描かれていて、一気に読めてしまう傑作である。本当に爽やかな読後感が、3人のこれまでこれからの人生とシンクロし、胸が熱くなってしまった。オジさんも感動できる一作です!

精文館書店 三ノ輪店 谷本直紀さん

現代の歪みや、若者達の気持ちの揺れの描写。ここまで、繊細に描くことが出来るとは。特に、文化祭のバンドシーンでは、交錯するそれぞれの人物の気持ちの爆発、ぶつかり合い……この年代の熱い感情や若々しさを感じました。アイドルが書いた小説だなんて……と思って読んで来なかった人たちは、ぜひ、読んでほしい。加藤シゲアキさんのファンだけが読むなんて、もったいない。

精文館書店 豊明店 近藤綾子さん

初めて、加藤シゲアキさんの作品を読みました。読んでいくうちにどんどんこの作品にハマっていき、キャラクターを知れば知るほど好きになりました。最後は、みんな幸せになるように応援したくなる、そんな作品でした!

TSUTAYA 遊ING浜町店 山崎梓さん

デジタルネイティブ世代ならではのしんどさと、それを乗り越えていく若さに感動しました。

未来屋書店 有松店 前田由紀さん

もう一度、若かった頃に戻ったような感覚を味わわせてもらいました!! 世代を超えて心が動く青春物語だと思います!!

文苑堂書店 富山豊田店 菓子涼子さん

この作品は高校生時代ならではの輝きや葛藤がしっかりと切り取られた青春小説だと感じました。その瞬間を生きている彼女たちにとって切実な悩みであると。加藤さんの作品でこの小説が一番好きで、同じ気持ちの人はきっとたくさんいると思います。

紀伊國屋書店 仙台店 齊藤一弥さん

スタイリッシュな文章、読者を引きつける構成、現代という時代に向きあった設定、でも決して読者を置いてきぼりにしない地に足のついた説得力、思わず没頭してしまいました。

ジャック鷲津駅前ブック館 山本幹子さん

「音も光も匂いも熱も全て、自分のものみたいだ」というせりふは、まさにこの小説を読んでいてずっと感じていたことと重なりました。料理のシーンでは匂いも味も感じられ、音楽のシーンは頭の中に聴こえてきました。なかでも文化祭のステージのシーンは圧巻でした。たくさんの人のために書かれたはずの物語は、わたし自身の思い出や人生と重なって、自分だけのたいせつな物語になりました。

伊吉書院 類家店 中村深雪さん

誰しもが心の奥底にあった想いが、すべてこの作品に詰まっているような気がしました。自分が何者なのか、何がやりたかったのか、他人と比べることで自分を過剰に判断していた10代。ラストは畳み掛けるような展開に、こんなにも惹き込まれるとは思いませんでした。

未来屋書店 大日店 石坂華月さん

蓉、凪津、尚志、ジャンルの違う3人の物語を、別々の三作品を同時に読んでいるかのような充実感でした。料理も園芸も楽器も専門的な知識が必要なのに、丁寧で細かい描写に驚かされっぱなしでした。

紀伊國屋書店 佐賀店 鳥居清香さん

「祝祭」の章で若者達の「今」が最高潮を迎える。小気味良いテンポとスピード感で畳み掛けて来る。次々と上がる最後の花火を見ているようだった。

くまざわ書店 新潟西店 大谷純子さん

アイドルが書いた本。頭の隅にあった先入観が簡単に振り払われる!! ワンポーションひとつとっても本気で料理にとり組んでいる人?! と唸るけど、巧さをあげるなんてもう野暮としかいえない。「ありがとう」喜びがあふれる。

M&J 新静岡店 工島明子さん

まじ上手い! こういう青春送りたかったです。SNSがあると、少し前とは違うカタチの人との出会い方、つきあい方があるのだなと思いました。

有隣堂藤沢店 佐伯さん

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profile

加藤シゲアキ

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってるAGE22・AGE32』 とヒット作を生み出し続け、2020年3月には初のエッセイ集『できることならスティードで』を刊行。2020年11月刊行の長編小説『オルタネート』で吉川英治文学新人賞を受賞、本作は直木賞候補にもなった。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

message

著者メッセージ

 本作は、普段あまり本を読まない高校生にも小説の楽しさを知ってほしいと思って書きました。しかし蓋を開けてみれば高校生だけでなく、私より年上の方からもたくさんの反響をいただきました。著者が一番小説のポテンシャルを信じていなかったと反省しつつも、文庫化に際して改めて読み直したのですが、甦ってくるのはどれも美しい記憶でした。
『オルタネート』は、本当に私を遠くまで連れていってくれた。そしてテーマ同様、私を大きく育ててくれました。
 こんなに自著に感謝することはこの先ないかもしれません。
 胸を張って、言わせてもらいます。
 本作は私、加藤シゲアキの代表作です。

第42回吉川英治文学新人賞
受賞のことば

 

 初めて小説を書いたのは、2011年の2月から3月でした。あの頃、芸能活動が思い通りにいかず、それを他人のせいにばかりしており、そんな自分に嫌気が差して、なんでもいいから成し遂げなければと、小説を書き始めました。しかし自分が小説を書いたところで、誰が読んでくれるのだろうか。そもそも面白いものなど書けるのだろうか。去来する不安を振り払うように、読者を裏切ってやると意気込み、主人公の友が自死する物語を書き始めました。その矢先、東日本大震災が起きました。今このような小説を書くべきか、書いている場合なのかと、また新たな迷いが胸のうちに生まれ、それでも書き上げなければ先はないと、必死の思いで作品を完成させました。

 あれから10年。本賞を頂いた『オルタネート』で読者に伝えたかったのは、ページをめくる手を止められないというような、読書の純粋な楽しさでした。つい自分のことばかり考えていた私が、遅ればせながらようやく読者に目を向けられるようになり、それが吉川英治文学新人賞に繋がったということ、今この意味を深く考えています。

 デビュー作に「やらないなんてないから」というセリフを書いたのは、当時の自分に言い聞かせていた言葉を反映させたわけですが、今もその思いは変わっていません。本賞はこれまで執筆活動を続けてきたことに対するエールと、退屈な小説を書くなという喝と受け取っています。

 受賞の時に頂いた拍手は私にとってのスターターピストルとなりました。ここからまた、走り続けていきたいと思います。

※「受賞のことば」は「令和二年度・三年度 吉川英治賞要項」より、講談社提供。また、同文章は「小説現代5.6月合併号」(4/22発売)にも掲載

book

『オルタネート』書影

『オルタネート』

加藤シゲアキ

2023/6/26発売

定価990円(税込)

判型 新潮文庫

ISBN:978-4-10-104023-3

高校生限定のマッチングアプリが必須となった現代。3人の若者の運命が、鮮やかに加速していく――。ある「事件」により、誰にも明かせぬトラウマを抱える いるる 。母との軋轢を機に、絶対真実の愛を求め続けるオルタネート信奉者の 凪津 なづ 。高校中退後、「亡霊」に導かれるがまま、かつてのバンド仲間を求めて、大阪から上京した なお 。出会いと別れ、葛藤と挫折、そして苦悩の末、訪れる「運命」の日――。恋とは、友情とは、家族とは、人と“繋がる”とは何か。青春のおわりと新たな旅立ちを、真っ向から描ききる、NEWS加藤シゲアキ、新たな代表作。

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