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【特集】オールアバウト運慶

芸術新潮 2017年10月号

(毎月25日発売)

1,440円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/09/25

発売日 2017/09/25
JANコード 4910033051077
価格 1,440円(税込)
●目 次

【特集】オールアバウト運慶
解説 瀬谷貴之

巻頭グラフ
運慶全仕事マップ
運慶プロファイリング

1 偉大なる父と始動する息子 奈良仏師雌伏篇
Karte NO.1 奈良・円成寺 大日如来坐像

2 炎上と復興と躍進する慶派 南都疾風篇
Karte NO.2 奈良・興福寺 仏頭

3 鎌倉殿のマイスター、運慶これにあり 東国怒濤篇
Karte NO.3~5 静岡・願成就院 阿弥陀如来坐像 他
Karte NO.6~7 神奈川・浄楽寺 阿弥陀如来坐像 他

4 大仏殿で花ひらく 巨像独占篇
Karte NO.8 奈良・東大寺 重源上人坐像
Karte NO.9 奈良・東大寺 金剛力士立像
Karte NO.10 京都・六波羅蜜寺 地蔵菩薩坐像

5 みんな大好き、弘法大師 霊験オーラ篇
Karte NO.11 東京・真如苑 大日如来坐像
Karte NO.12 和歌山・金剛峯寺 八大童子立像
Karte NO.13 栃木・光得寺 大日如来坐像

6 そして伝説へ 晩年セレブ篇
Karte NO.14 愛知・瀧山寺 聖観音菩薩立像 他
Karte NO.15 奈良・興福寺 北円堂諸像
Karte NO.16 神奈川・称名寺光明院 大威徳明王像
Karte NO.17 神奈川・瀬戸神社 舞楽面

culumn UKB研究最前線
〈一〉円成寺《大日如来坐像》の復元模造からわかったこと/藤曲隆哉
〈二〉「女大施主」とは誰か 《運慶願経》の情景/野村育世
〈三〉唱導 生きた仏を出現させた中世の声/牧野淳司
〈四〉頼朝で聖徳太子な聖観音
   瀧山寺の仏像を荘厳具から読み解く/三本周作

〈マンガ〉Trivia in the UK
 伊野孝行
[壱]奈良炎上の段
[弐]東国下向の段
[参]東寺講堂の段

展覧会案内

◆ 第2特集 ◆

ザ・型破り・エンターテイナー
長沢芦雪
解説 山下裕二

◆ Art News exhibition ◆

あなたは戦前派(アヴァンゲール)? それとも戦後派(アプレゲール)?
応仁の乱でたどる国宝
文 橋本麻里

素朴と洗練のあいだ
ウィンザーチェアに会いにゆく
文 三谷龍二

◆ Review ◆

ヨコハマトリエンナーレ 2017「島と星座とガラパゴス」/
杉戸洋/菅亮平/近藤亜樹

◆ Global News ◆

New York「アドリアン・ビジャール・ロハス:消失の劇場」展
Milano「クリムト・エクスペリエンス」展
London「ソウル・オブ・ア・ネイション:ブラックパワー時代におけるアート」展
Münster ミュンスター彫刻プロジェクト2017

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

ちょっといいで書?〈6〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水

Goods & Shop

時と光の美術館〈6〉
ブルガリ

◇ 新連載 ◇

フィリップ・ワイズベッカーの
郷土玩具
十二支めぐり〈1〉[子]

◇ 連載 ◇

海外アートStudy
最前線〈29〉
文 前橋重二

定形外郵便〈41〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに
会いに行く〈16〉
佐々木丞平

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈39〉

TONY & INOCCHI 
マンガ展評
ちくちく美術部〈29〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend  編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈18〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼ 芸術新潮特別企画

連載 日本の誇りを伝えていく〈1〉
新旧を結びつけたい
秋華洞が目指す文化の橋渡し

秋のアートスポット
富山県美術館/KHギャラリー芦屋/和泉市久保惣記念美術館/緑ヶ丘美術館/マリー・ローランサン美術館/パークホテル東京/箱根ガラスの森美術館

スペシャルインタビュー
スペイン・日本外交樹立150周年記念企画
スペインを歩きつづけた画家・神津善之介「25年の足跡」

“110年の伝統と信頼”をテーマに掲げ、東京美術倶楽部で「2017 東美アートフェア」開催
永善堂画廊/至峰堂画廊/寿屋/ギャラリー竹柳堂/秋華洞/春風洞画廊/柳井美術

ART CAFÉ

最新号PICK UP

失われた運慶を求めて

Image
撮影=青木登[本誌]

 運慶の代表作ってなんだろう。
 知名度ならもちろん、歴史の教科書でおなじみの東大寺南大門の仁王像。
 玄人筋に評価が高いのは興福寺北円堂の弥勒如来と無著・世親か。
 円成寺の大日如来や高野山の八大童子ももちろん大の人気者だ……。

 これらの諸作には共通点がある。それはこんにちまでものが残っていること。何を当り前のことをと言うなかれ。たとえば運慶と同時代を生きた院派の巨匠・院尊の現存作品はたったの1件3軀。それもかなり後補の手が入っているらしい。標準的には31軀、数え方によっては40軀近くの作品が残る運慶は、特例中の特例なのだ(ただし、盟友の快慶はもっとたくさん残ってますが)。

 しかし、中世の仏師としてはいかにたくさんの作例が残っているとしても、それは運慶が生涯に制作した全作品の数分の一に過ぎない。そして残る残らないは最終的には偶然の結果なのだ。と、考えると上に触れた諸作が、運慶の真の代表作なのかどうかはにわかには決め難くなる。

 たとえば「巨像」ということなら、じつは南大門の仁王ではなく、戦国時代の兵火で焼失した大仏殿の観音菩薩・虚空蔵菩薩・四天王こそが代表作であったことは動かない。あるいは源頼朝創建の鎌倉三大寺院の一角、永福寺の仏像群などはどれほど壮麗だったことだろう。純粋運慶様式の金字塔ともいうべき伊豆・願成就院の諸像制作につづく時期に、より格上のクライアント(願成就院は北条時政が願主)のために、より大きな規模での造仏に挑んだのだから、その力の入り方も想像できるというものだ……。

 この永福寺の造像については、これまでにも運慶が携わったのではないかとする意見はあったが、今年前半に発表された2つの研究によってその具体的な内容の一部が明らかになり、運慶作の蓋然性がいよいよ高まっている。掲出した写真は、奇しくもこの7月から史跡公園としての公開が始まった永福寺跡の様子だ。

 本特集では、現存する運慶の全作品を写真掲載すると共に、こうした失われた運慶作品についても検証。史上初の試みとして、文献から運慶作と知られる、また推定される消失作品も含めた「運慶全仕事マップ」も制作。入門篇にして究極の運慶特集を是非お楽しみいただきたい!

この号の誌面

編集長から

消失100余体も含め
運慶の全仕事を追う

 平安後期から鎌倉時代にかけて、奈良・京都では院派、円派、運慶の父・康慶が率いる奈良仏師の3つの仏師集団がしのぎを削っていた。とはいえ奈良仏師は他の2派より劣勢。だがそれゆえ遠方の仕事を請け負うこともでき、北条時政、源頼朝に目をかけられる。東国で勝ち得た信頼は、本拠地南都で実を結んだ。平家の攻撃で焼亡した東大寺の復興造像を康慶・運慶一門が一任されたのである。やがて康慶、ライバル2派のボスたちが没し、運慶は名実ともに仏師界の第一人者に躍り出た。現存する運慶作品は30余点。特集では、その1体1体の背後にあるドラマを読み解く。さらに、文献により運慶が作ったとされる、または推定される消失作品についても考察。現存作品と消失100余点を網羅した「運慶全仕事マップ」は史上初の試みだ。偉業の全貌をよみがえらせる、運慶入門の決定版といえよう。
 第2特集は長沢芦雪。型破りなエンターテイナーによる、絵に隠された仕掛けをご堪能あれ。

芸術新潮編集長 吉田晃子

まとめ テーマでくくる 本選びのヒント

稀代の仏師、運慶

史上最も名高き仏師・運慶とはどんな人物か。彼が手がけた仏像の背後にあるドラマとは。

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