夜露死苦現代詩2.0

ストリート生まれ、音楽を

第4回 だからタトゥーのように音に痛みを乗せる――田我流

田我流
『明けない夜』
『138』
『JUST』
『三文RAPPER』

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立ち読み(本誌記事より)

(文・都築響一)

 ワルでもなければ、タフでもマッチョでもない。アブク銭やビッチやドラッグのことも歌わないし、都会的ですらない。いわゆる「ヒップホップ的」な要素がひとつもない退屈で単調な郊外生活と、クライマックスのない日常と、ひとかけらの希望を歌いつづけるサバービア・ランドスケープの抒情詩人、それが田我流である。

田我流

 田我流(stillichimiya)は山梨県一宮町をベースに活動するMCである。高校時代にHIP HOPの洗礼を受けMICを握り始めると、高校卒業後の2001年に武者修行の為アメリカ・ニューヨーク州へ留学。そこでHIP HOP以外にも沢山の魅力的な音楽がある事を知り、サイケバンドでギターを担当するなど様々な音楽の可能性を探求する。そして一人の黒人青年との出会いによって再びHIP HOP、そして生の黒人文化を体験し再びリリックを書き始める。

NEWS

田我流のセカンドソロアルバム『B級映画のように』が、11月9日にMary Joy Recordingsから発売されます! 詳細はこちら>> 

田我流、stillichimiyaのメンバー達が出演する映画『サウダーヂ』(富田克也監督作品)は、10月22日(土)から東京・渋谷「ユーロスペース」での上映が決定! 不況と空洞化にあえぐ地方都市に生きる、若者と外国人労働者たちの真の姿を捉えた勝負作。
ロカルノ国際映画祭メインコンペティション正式出品作品。詳細はこちら>>

都築響一(つづき・きょういち)
1956年、東京生まれ。現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で編集・執筆活動を続ける。93年、東京のリアルな居住空間を捉えた『TOKYO STYLE』を発表。96年には『ROADSIDE JAPAN』で第23回木村伊兵衛賞を受賞。『賃貸宇宙』『着倒れ方丈記』『バブルの肖像』『現代美術場外乱闘』『天国は水割りの味がする』など著作多数。今回の連載は、街角に隠れた言葉で日本の現在を映し出した『夜露死苦現代詩』(05年から06年にかけて『新潮』に連載)に続く形となる。
都築響一

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