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新潮200404号/表紙

新潮



 2004年4月7日発売
 特別定価 950円

「8月の果て」〈完結部)柳美里
注目の気鋭による力作

中村文則「悪意の手記」(240枚)

緒形圭子「銀葉カエデの丘」(170枚)

佐藤友哉「大洪水の小さな家」


新潮2004年5月特大号目次
8月の果て〈完結部〉………………………柳 美里
 著者自らのルーツを辿り、日本占領下の韓国を壮絶に生きた無数の〈魂〉を幻視する。唐突に中断された朝日新聞連載を書き継ぐ著者渾身の大長編、感動の完結へ──。

〈注目の気鋭による力作〉
悪意の手記(二四○枚)………………………中村文則
 生が奪われる。他者の生を奪う。生の価値そのものを放棄する。究極の主題に挑む野心作。
◆銀葉カエデの丘(一七○枚)…………………緒形圭子
 きらきらと光るカエデの葉に祝福され、鮮烈に蘇る北国の青春。過ぎ去った時の鼓動。
◆大洪水の小さな家………………………………佐藤友哉
 その洪水は世界の終焉。水没した家に閉じ込められた妹を捜し、少年はダイヴした。

◆南京町の捕鯨者たち(二五○枚)……………加島祥造
 今、この著者が書かねば歴史から失われてしまう幻のコスモポリス=横浜チャイナ・タウンの記憶。魅惑の魔都を舞台に、猥雑でしたたかな生を描く自伝的作品。


■新潮
・様式あるいは言語………………………………渡邊守章
・怪僧ラスプーチンとプーチン大統領…………沼野充義
・Cats Are Like Comets. ………………………黒田 晶

第37回《新潮新人賞》応募規定
 新選考委員──浅田 彰、阿部和重、小川洋子、福田和也、町田 康

◆対談 天皇、恋愛、歴史そして文学…………島田雅彦×福田和也
〈無限カノン〉三部作を巡る論争以降、初めての対話。

◆一九六八年はなぜ「転向」を誘発したのか、そして「再転向」はなぜ困難なのか
  ──大塚英志著『サブカルチャー文学論』をめぐって……… 秀実
◆踏切りを越えて 志賀直哉の“幼女誘拐”……中島一夫
◆新連載 〈記憶〉の中の源氏物語──源氏物語の謎……………三田村雅子
◆見えない音、聴こえない絵(5) シャカシャカバンバン……大竹伸朗

■本
・磯崎新・福田和也『空間の行間』………………五十嵐太郎
・メアリー・V・ディアボーン
『この世で一番幸せな男 ヘンリー・ミラーの生涯と作品』…今村楯夫
・池内紀『カフカの書き方』………………………佐川光晴
・町田康『パンク侍、斬られて候』………………中条省平
・ゼイディー・スミス『直筆商の哀しみ』………野中 柊
・島本理生『生まれる森』…………………………藤野千夜

■連載評論
・『フランドルへの道 フロイト-ラカン』―─小説をめぐって(五)
 ………………………………………………………保坂和志
・文学の葉脈(九)…………………………………秋山 駿

■連載小説
・HOKKAI(四)………………………………高樹のぶ子
・河岸忘日抄(二十)………………………………堀江敏幸
・時計台(二十二)…………………………………加賀乙彦

編集長から