新潮社

村上龍『MISSING 失われているもの』

{ 著者からのメッセージ }

短い「あとがき」ただし、連載

更新:2020年2月28日

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 書きはじめたときは、「幻想小説」をイメージしていました。途中から、母が登場したのですが、それがなぜなのか、自分でもわかりませんでした。幼いころ、迷子になったときに偶然ばったり母と会ったような、そんな感じでした。これだと、私小説みたいだな、と思いました。自分らしくないなと。でも、ラストに近づくにつれて、私小説の枠が半ば自動的に崩れだし、書き終えたときには、こんな小説を書いたのははじめてだと、しばらく茫然としていました。はじめてだし、二度と書けないだろうと思いました。
 書いていて、気がついたことがけっこう多かったです。「小説っていったい何なんだろう」みたいなことも、思ったことがありました。連載の形で、不定期ですが、この「あとがき」をこれからも書いていきます。

村上龍

(不定期更新)

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