新潮社

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本書へのコメント  吉本ばなな  坂本龍一

{ 著者からのメッセージ }

短い「あとがき」ただし、連載

更新:2020年4月3日

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 母は美人でした。「でした」と過去形にすると、まだ存命なので、ちょっと変ですが、とにかくきれいな顔をしていました。佐世保市の教職員の間でも有名だったそうです。子どものころは、母が美人だとわかりません。高校になっても、わかりませんでした。考えてみれば、気づいたのはつい10年ほど前です。父が亡くなって、母が故郷からアルバムを持ってきました。母とのツーショットなど、写真が痛んでいたので、スキャンして残そうと思いました。スキャンしているうちに、気がつきました。しかも、母はじぶんが美人であることに気づいていませんでした。
『MISSING』を書きながら、美人で、しかもそのことに気がついていない母親に育てられた息子はどういう女性観を持つかなどと考えたりしましたが、結局わかりませんでした。

村上龍

(不定期更新)


村上龍『MISSING』
目次

第1章「浮雲」
第2章「東京物語」
第3章「しとやかな獣」
第4章「乱れる」
第5章「娘・妻・母」
第6章「女の中にいる他人」
第7章「放浪記」
第8章「浮雲」II
第9章「ブルー」
終章「復活」


試し読み

第1章「浮雲」

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「おれは、お前が、キーボードに打ち込むことは、何となくわかる。なぜかと言えば、おれが生まれてからずっと、お前のデスクの上にいたからだ。

著者プロフィール

村上龍 ムラカミ・リュウ

1952年長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学中退。大学在学中の1976年『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。1981年『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、1998年『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、2000年『共生虫』で谷崎潤一郎賞、2005年『半島を出よ』で毎日出版文化賞、野間文芸賞、2011年『歌うクジラ』で毎日芸術賞を受賞。著書は『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『13歳のハローワーク』など多数。

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