新潮社

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本書へのコメント  吉本ばなな  坂本龍一

{ 著者からのメッセージ }

短い「あとがき」ただし、連載

更新:2020年4月28日

06
(最終回)

『MISSING』とは違い、今、母と同居しています。毎朝、犬の散歩にいっしょに行くのですが、ほとんど会話はありません。わたしはシェパードを、母はシーズーを連れているので、横に並ぶことがないせいもあります。家のそばの広い公園を歩くのですが、途中、急な坂があります。そこで、わたしは母の手をとります。母が滑ったりしないように、そうするのですが、いつも、『MISSING』で母の手をとるシーンを書いたなと思い出します。幼いころは、母がわたしの手をとってくれました。立場が逆転したわけです。でもそういったことを全部含め、母の手をとるのは、特別なことです。

村上龍

(不定期更新)


村上龍『MISSING』
目次

第1章「浮雲」
第2章「東京物語」
第3章「しとやかな獣」
第4章「乱れる」
第5章「娘・妻・母」
第6章「女の中にいる他人」
第7章「放浪記」
第8章「浮雲」II
第9章「ブルー」
終章「復活」


試し読み

第1章「浮雲」

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「おれは、お前が、キーボードに打ち込むことは、何となくわかる。なぜかと言えば、おれが生まれてからずっと、お前のデスクの上にいたからだ。

著者プロフィール

村上龍 ムラカミ・リュウ

1952年長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学中退。大学在学中の1976年『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。1981年『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、1998年『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、2000年『共生虫』で谷崎潤一郎賞、2005年『半島を出よ』で毎日出版文化賞、野間文芸賞、2011年『歌うクジラ』で毎日芸術賞を受賞。著書は『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『13歳のハローワーク』など多数。

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