第6回受賞作品
受賞の言葉
優秀賞受賞

受賞の言葉
このたびは優秀賞というすばらしい賞をいただき、本当にありがとうございます。
初めて小説を書いたのは、4年ほど前でした。思いついた、きれいなことば・おもしろいことばを形にして残したいと思ってのことでした。
わたしにとって小説を書くということは遊びのひとつでしたが、書き続けるうちに、自分の書いたものがどの程度のものなのかを知りたい、という欲が出てきました。
読めるものなのか、読めたもんじゃないのか。これまでいくつかの賞に応募しましたが、どれも後者だったようです。しかし、そんな評価と反対に、わたしの中で小説を書くということはもはや遊びの範疇におさまらず、欠くことのできない自分の一部といえるほど重要なものになっていきました。そうなると、評価されないものを書き続けるというのは虚しいものです。“頼まれもしないのに駆られるようになにを一生懸命悩み書いているのだろう?”という疑問がしばしば頭に浮かび、何度も書くことを辞めようとしました。
「シーズンザンダースプリン♪」を書き終え応募したときには、これで駄目ならしばらく書くことから離れようと考えていました。
しかし今回、優秀賞をいただけたことで、これからも書き続けることへの許しを得たような気持ちです。まだまだ未熟で、この先行き詰まり悩むことが多々あると思いますが、これからもたくさんのすてきなことばを小説に変えてゆければと思っています。
どうぞよろしくおねがいいたします。
最後に、選んでくださった新潮社の皆様、選考委員の先生方、読者の皆様、心から感謝しています。本当にありがとうございました。