第3回R-18文学賞 受賞者対談
吉川トリコ×管乃 了

――受賞、おめでとうございます。R-18文学賞はネットのみで募集している文学賞ですが、そもそもどうやってこの賞の存在をお知りになったんですか。

吉川:ネットサーフィンをしてるときに、なんとなくHPにたどり着きました。

管乃:私は第2回の最終選考のときにR-18文学賞のHPを見つけて、優秀賞を受賞された正木さんの作品に投票したんです。

――応募してみようと思ったきっかけは?

吉川:直接のきっかけは第1回読者賞受賞者の豊島ミホさんの『青空チェリー』を本屋で見かけたことです。装画を描いているかわかみじゅんこさんのファンだったんです。手にとって見たら、本もかわいかったので、いつかこの賞に応募したいな、と思いました。

管乃:去年の夏ごろこの賞のことを思い出して、そこから応募してみようと思い立って、小説というものを生まれて初めて書き出したんです。

――では、お二人とも文学賞に応募されたのは初めてですか?

吉川:二次選考で落ちてしまいましたが、前に一度だけ、コバルト文庫の新人賞に応募したことがあります。小学生のときから少女小説を書いてましたし、今はメールマガジンでも小説を発表しているので。

管乃:14歳くらいのときから、誰に見せるわけでもなく散文を書き始めてはいたんですが、散文は応募しようにも、募集がないので(笑)、応募は初めてです。今回形にならなかったら、もう応募もしなかったと思いますし、小説という形態では書くことはなかったと思います。

――自信はありましたか。

吉川:根拠はありませんが、受賞できるような気がしていました。自信があったというより、絶対とる!というイメージトレーニングをしていたという感じですかね。

管乃:賞をもらえるなんて全く考えていなかったので、2人にしか言わずに応募しましたし、書き上げて応募した段階で、「ああ、終わった!」と。

――正反対ですねぇ。でも、最終選考に残ったあと、受賞の発表があるまでは、お二人ともドキドキしてました? 受賞を知らせるメールをご覧になったときの感想は?

吉川:そうですね。いつ発表になるのかなどが書かれていなかったので、待っている間は「いつ連絡来るんだろ?」と毎日ドキドキしてました。受賞のメールを見たときには、自信あったはずなのに、もう真っ白になって、うれしいというより、もうどうしようどうしようって、ちょっとパニックになるほどでした。

管乃:本当に一次も通ると思っていなかったですし、まさか賞なんか取れるわけないと思っていたので、逆にあまりドキドキはしませんでした。なので、応募したときから引っ越ししてメールアドレスも変えていたせいで、事務局からのメールが届かなくて、お電話で受賞の知らせは頂いたんですが、友だちのいたずらかと思いました(笑)。

――やっぱり真逆(笑)。周りの人の反応はいかがでしたか。

吉川:友だちには「お母さんに見せられるの?」と心配されました(笑)。

管乃:文学賞に応募した、と言っただけで、「官能小説?」と訊かれました。なんでかは分かりませんが、そういうイメージだったんでしょうかね(笑)。

――なるほど。R-18は官能小説とはいえ、広い意味での性愛小説ですから、ご両親に読まれても問題ないとは思いますけれども(笑)。ではちょっと話題を変えて、これまでのお二人の読書体験についてお聞きします。

吉川:ずっと漫画ばかりであまり本を読むほうではなかったんですが、ここ2年くらいで読書量が増えました。中山可穂さんや山本文緒さん、角田光代さんなど女流作家の作品ばかりを読んでます。いちばん好きなのは、東京創元社で出ているフランチェスカ・リア・ブロックの「ウィーツィ・バット」シリーズです。それと嶽本野ばらさんのすべての作品を愛してます(笑)。

管乃:結構何でも読みますが、好きなのは村上春樹さんや川上弘美さん、山田詠美さんなどです。太宰治や安部公房の作品などもよく読みました。

――先日、小説新潮掲載のために受賞第一作にあたる短編を書いていただきましたが、小説は書きつづけていけそうですか。

吉川:自分のメルマガで20作品くらいは書いているので、小説を書くことには慣れてはいると思うのですが、いままでは構成などをあまり考えずに、ちょっと書き飛ばしているようなところがあったので、これからは一作一作もっと丁寧に書いていきたいです。

管乃:どうでしょう(笑)。まだまだ小説を書くことには慣れないですし、自信はないですが、いままで書いてきた散文にはいろいろなものがつまっているので、それをうまく使って書いていければいいなと思います。受賞第一作を書くときには、なかなか上手く進まずに、だいぶ暴れました。

――では、お二人とも「プロ」としてやっていきたいと思ってらっしゃるわけですね。

吉川:そうですね。やっていけたらなぁ、と思います。そのためには自分の中で「覚悟」を決めないといけないのでしょうが、作品で勝負していきたいです。

管乃:やっぱりそう思います。ページをめくってもらえるようがんばりたいと思います。

――では最後に次回応募する方へ一言お願いします。

吉川:人真似じゃなく、自分にしか書けないものを生み出してほしいです。次回の最終候補作を読むのを楽しみにしています!

管乃:官能小説の「官能」という言葉に囚われずに、書いてみてください。みなさん、ホントにうまいですから、自分の言葉をみつけてつなげてみたら楽しいと思います。

――ありがとうございました。