物語の舞台は青森県。16歳のいとは、幼いころに母を亡くし、祖母と父に育てられました。いとのコンプレックスは、ずばり人見知り。その一因は、地元の人でも聞き返すほどの、祖母譲りの強烈な津軽弁なんです。

　弱点克服のため、高校入学を機にいとがはじめたアルバイトもまたユニーク。なんとそこは、青森ではじめて出来た「メイドカフェ」！　個性的な先輩二人にビクビクする新参者のいとを、最初の難関が待ち受けていました。メイドさんの定番の挨拶「お帰りなさいませ、ご主人様」がどうしても言えず、「お……おがえりなさいませ、ごスずん様」になってしまうのです……。

　果たしてなまりは直せるの？　家族にバイトがばれたらどうする？　高校でもちゃんと友達できるのかな？　知られざるいとの特技って？　実は「あまちゃん」より早かったご当地ヒロイン、いとの青春に、胸が熱くなること間違いなし！　『陽だまりの彼女』でさわやかな涙を流した後は、初々しくまぶしい『いとみち』を読んであったかい気持ちになってくださいね。