王子の身分を捨てた青年が、群雄割拠の戦国乱世を切り拓く! 宮城谷文学の最高傑作、ついに文庫化!
『晏子』『楽毅』をはじめ、古代中国を舞台に数々のベストセラーを発表してきた宮城谷昌光さんの『公孫龍 巻一 青龍篇』が好評発売中です。
物語の舞台は、周王朝が衰退し、趙、魏、楚、燕、斉、秦、韓の戦国七雄が鎬を削る中国戦国時代末期。斉の孟嘗君、趙の平原君、楚の春申君、魏の信陵君の戦国四君と同時代を生きた「公孫龍」が主人公です。
弱体化した周を守るため、十八歳の周の王子稜は父赧王の書簡を携え、最北の強国燕に人質として送られることに。その途上、稜は偶然に山賊の襲撃から強国趙の幼い二公子を救うことになります。山賊との乱戦によって書簡を入れた匣が壊れ、そこから出てきた書簡をみた稜は愕然とします。その書簡には、これを持参したものを殺すように、と書かれていたのです。
王宮内の陰謀に巻き込まれたことを悟った稜は、王子の身分を捨て、運命を天にゆだねることを決意。そこに、さきほど山賊の襲撃から救った趙の幼き二公子の臣下周蒙が現れ、稜は後継者争いに巻き込まれている二公子を趙の都邯鄲まで護衛してくれないかとの依頼を受けます。周蒙の求めに応じた稜は、商人「公孫龍」として趙の都邯鄲を目指すことに......。
宮城谷ワールドでおなじみの楽毅、孟嘗君をはじめ、「隗より始めよ」で有名な郭隗、従来の戦車戦にかわり「胡服騎射」の新戦法を取り入れた趙の武霊王(主父)など、中国戦国時代を彩る魅力的な英雄・知将の活躍も読みどころです。
第二巻の『公孫龍 巻二 赤龍篇』は引き続き、4月24日に発売されます。
2024年04月15日 今月の1冊