【ミステリ特集】伏線回収について本気出して考えてみる
今野 敏/結城真一郎/阿津川辰海/京橋史織/坪田侑也/新名 智
小説新潮 2024年10月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2024/09/21 |
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JANコード | 4910047011043 |
定価 | 1,000円(税込) |
【ミステリ特集】伏線回収について本気出して考えてみる
〈豪華二大新連載〉
◆今野 敏/分水 隠蔽捜査11
――神奈川県警刑事部長の竜崎伸也に忍び寄る権力の影……。大人気シリーズ、最新章開幕!
◆結城真一郎/ある夏の日のABC
――白昼の誘拐劇に隠された謀略と忌まわしき過去とは。ミステリ界の新星、ネクストレベルへ!
◆阿津川辰海/迷探偵・夢見灯の読書会 女死刑囚パズル
――死刑執行直前に殺された死刑囚は灯先輩の顔をしていて
◆京橋史織/婚活料理の隠し味
――再婚を前に料理を習う憲二。でも相手女性がどうも匂う
◆坪田侑也/放送部には滅ぼせない
――体育祭なんて、滅んでしまえ。謎の投書をした人物とは
◆新名 智/怨念インプリメンテーション
――跡取りとして多々良本家の養子になったカズキの運命は
【コラムで考えてみる】
◆千街晶之/伏線回収、その傾向と相違
◆渡辺祐真/読解のフロンティア「伏線」~その歴史を探る~
第十一回「新潮ミステリー大賞」決定発表
最もロジカルで、最もソリッドで、最もフェティッシュなやり方で賞を勝ち取った一作は――
〈大賞〉
◆二礼 樹/悪徳を喰らう(抄)
――店で〈解体〉を任されたおれは、吸血鬼に出会った。名はルカ。飴細工みたいな金髪の男だった。
〈選評〉
貴志祐介/道尾秀介/湊かなえ
【特別エッセイ】
◆広瀬りんご/北の祭の昼と夜
――「女による女のためのR-18文学賞」受賞から4ヶ月。フェリーで巡る一期一会の景色は
【特選読み切り】
◆相川英輔/アフター・アワーズ
――劣等生の私は「睡眠学習」マシンでヨウコ先生と出会う。でも彼女、何かがヘンで――
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉濱野ちひろ
〈うれしい買い物〉土門 蘭
〈わたしの相棒〉西川あやの
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部の九重さん
◆西原理恵子/ねこいぬ漫画かき
◆東村アキコ/おんな追分
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全 最終回
◆ワクサカソウヘイ/現実クエスト攻略記
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈医療・介護〉杉江松恋
【好評連載小説】
◆朝井まかて/少女時代
◆岩井圭也/沸点
◆伊吹有喜/灯りの島
◆川越宗一/満腔の熱血 最終回
◆桐野夏生/ダークネス
◆中島京子/水は動かず芹の中
◆早見和真/ハンセイ
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち
◆柚木麻子/フリーデリーケの長い夏 最終回
◆吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん 最終回
第二十三回「小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞」決定発表
第十二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
伏線回収について本気出して考えてみる
結城真一郎さんや荻堂顕さんを輩出した新潮ミステリー大賞。七月下旬に行われた選考会は近年稀に見る盛り上がりを見せました。それは最終候補の四作ともそれぞれに魅力があり、たとえ疵があっても何かしら推したくなる作品だったから。そんな中大賞に選ばれたのは二七歳の新星、二礼樹さんの「悪徳を喰らう」。イタリアを思わせる異世界の近未来で、横文字の名前を持つ主人公がいきなり吸血鬼に襲われて……と書くとなんだか遠い世界の話のようですが、生き生きした文章と隅々まで行き届いた物語世界にたちまち引き込まれ、夢中で読んでしまいました。ご受賞を心から寿ぎたいです。
同時掲載のミステリ特集、テーマは「伏線回収」。今野敏さんの大人気シリーズ「隠蔽捜査」最新作、そして前述の結城さんの長編「ある夏の日のABC」が新連載で登場します。千街晶之さんと渡辺祐真さんによる伏線回収考察コラムは、ミステリファンならずとも必読です!
小説新潮編集長 西麻沙子
次号予告
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。