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男が読むR-18文学賞

作成者:小説新潮編集部

「小説新潮」2017年5月号
「小説新潮」2017年5月号

 R-18文学賞とは、応募者も選考委員も賞の運営も、すべて女性限定の文学賞です。女性ならではの視点で大胆に描かれた世界は、むしろ男性にこそ読んでほしい世界でもあります。「女の人ってかなりヤバイ」ことを知る男性読者が増えています。「小説新潮」5月号は、R-18文学賞出身作家特集、そして第16回受賞作を発表します。

ただしくないひと、桜井さん 
第13回読者賞受賞

「ただしくない」人同士の遭遇は生きるうえでの必然だから、本書で少し免疫をつけておくといいかもしれない。何より、小説として面白い。ほんとうに新人? と思うくらい巧みで、これからがとても楽しみだ。

[青木千恵/「悩んだ者勝ち」と考えたい 「波」2017年1月号より →全文へ]

マンガ肉と僕
第12回大賞受賞

ちりばめられたエピソードのひとつひとつに、身勝手にならざるを得なかった彼らの心情が、過不足なく秘められている。派手でキャッチーな「惹き」を用いることなく、真摯に登場人物たちの背景を読者に「魅せる」。緊張と弛緩、主観と客観、絶妙に物語をコントロールする、作者の目配りの良さが強く印象に残る。

[藤田香織/溢れ出す「旨味」にリピート確定! 「波」2014年10月号より →全文へ]

主婦病
第12回読者賞受賞

一瞬だけ通いあった気持ち、触れた体温、だれかのなにげない一言や振る舞い。すぐに消え去り忘れられてしまうかもしれないそれらが、私たちを生かす。それが日常であり、ひとの心だ。

[三浦しをん/日常というきらめく星座 「波」2015年4月号より →全文へ]

縁を結うひと
第11回大賞受賞

福は在日の縁談を仕切る日本一の“お見合いおばさん”だ。斡旋料で稼ぐのに、なぜか生活は質素。日々必死に縁を繋ぐ理由とは。

負け逃げ
第11回読者賞受賞

鬱屈の泡がはじけ飛んだとき、少年・少女たちは暗いけもの道を全速力で走り出す。不自由な足でスキップする。それが他人から見て、とても奇妙な動きに見えても。

[窪美澄/けもの道を全力で走り出す 「波」2015年10月号より →全文へ]

甘いお菓子は食べません
第10回大賞受賞

なんという覚悟で著者は「甘い菓子をもう食べない」と言っているのだろうか。欲深さとそれを恥じる人間の業、その矛盾を受け入れて初めて女性は「女子」から脱することができるのかもしれない。

[山本文緒/脱・女子 「波」2014年4月号より →全文へ]

ふがいない僕は空を見た
第8回大賞受賞

この部屋にいるときは、素のおれでいることは許されず、あんずが用意したたくさんのコスプレ衣装をとっかえひっかえ着せられる。白塗りのメイクも。ときにはカラーコンタクトも。完全装備したおれを、あんずはいつもうるんだような目で見て、デジカメでたくさんの写真を撮った。

自縄自縛の私
第7回大賞受賞

ひとり、インターネットのサイトを見ながら自分のからだを縛ってみたことがある。荷造り用の白いビニールひもで、見よう見まねで。もう十年近く前、暇をもてあましていた大学生のころだ。

花宵道中
第5回大賞・読者賞受賞

濃藍のうらんの天から音もなく雪の舞う師走しわすの夜、朝霧あさぎりの姉女郎が季節はずれの彼岸花のように寝間着を真っ赤に染めて、死んだ。

グッモーエビアン!
第3回大賞・読者賞受賞

「ただいま! おれの仔猫こねこちゃん!」ヤグが帰ってきた。そのことをみしめるように、背中から伸びてくるヤグの影の頭のあたりにねらいをさだめ、踏みつけながら歩いた。ヤグはこの間まで私の父親だったひとだ。