JR山田線(5)鵜住居「多くの人の命を救ったJR山田線の線路」

 大槌湾には2つの川が流れ込んでいる。ひとつは前回紹介した大槌川。大槌の惨状を後にして山を越えると、また惨状が目の前に広がった。鵜住居(うのすまい)川が大槌湾に注ぐ河口付近にできた平野部が鵜住居地区。ここは釜石市内である。築堤上の線路が消え廃線跡のようである。鵜住居橋梁を渡るとすぐに鵜住居駅。中世に鵜住居氏の居城がここにあったことから、この地名が残っているという。印象に残る地名である。駅は瓦礫の集積で何がどうなっているのかわからない状態だった。
 鵜住居から両石(りょういし)に向かって25パーミルの上り勾配である。朝日新聞4月12日付には、この線路上を津波に追われて避難する人々のルポが掲載された。築堤の両側が津波で浸水する中、上り勾配を避難する人々が写真に写っている。その写真には「多くの人の命を救ったJR山田線の線路」というキャプションが付けられている。
 勾配の途中から津波の力で線路が大きく山側にずれ落ちている。


廃線跡のように線路のない築堤が続く(大槌~鵜住居) 撮影/編集部 5月1日


鵜住居駅の駅前広場 撮影/編集部 5月1日


鵜住居駅のホーム 撮影/編集部 5月1日


駅名標も倒れていた 撮影/編集部 5月1日


両石方面は上り勾配。朝日新聞のルポに書かれた勾配 撮影/編集部 5月1日


上の写真を横から見ると線路がずり落ちて、柵のように立っている 撮影/編集部 5月2日


JR山田線 <投稿日:2011年07月07日>
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