仙石線(2)何人で押せば電車は動く?

(1)では野蒜付近でL字に脱線したあおば通行き列車にふれた。この列車と野蒜で交換した石巻行き快速は、約600m走って上り坂の途中で停車した。こちらの列車は乗客全員が列車の中に留まり、津波をやり過ごし、さらに一晩を過ごしている。列車も乗客も無事だった。外は雪が降り、車内の温度も下がり、過酷な一夜となった。本誌p29「ドキュメント乗客の証言」で渋谷節子さんが生々しくその時の様子を証言している。
 非常事態に遭遇して避難するのもたいへんだが、その場に留まるという判断も勇気ある判断であろう。野蒜で交換した2つの列車が、奇しくも津波に対して異なった対応をしたことは興味深い。どちらの判断も結果として正しかった。やはり「ドキュメント鉄道員の証言」を伝えたい。
 因みに4両編成の電車は、その後石巻寄りの平地に移された。何人で押せば電車を動かせるのだろう。これは鉄道ファンの疑問である。


画面右側から続く線路が左カーブした上り坂で電車は停止した 撮影/編集部 4月30日


電車はこの上り勾配の先に停車した 撮影/編集部 4月30日


後日、石巻よりの平地に移動した 撮影/編集部 5月27日


仙石線 <投稿日:2011年10月10日>
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