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2011:SHUFFLE to SURVIVE

新潮 2011年1月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/12/07

発売日 2010/12/07
JANコード 4910049010112
定価 特別定価996円(税込)

2011:SHUFFLE to SURVIVE

これはペンです(130枚)/円城 塔
行方知れずの叔父から姪へ届く奇妙で親密な手紙。文章の自動生成、言語表現の成立そのものを問う野心作。

死んだ人たちの伝達は火をもって[随筆]/大江健三郎

キャンピングカー(前篇)/村上 龍

左利きのためのピアノと絵筆[対談]/坂本龍一+大竹伸朗

峠の我が家/高橋源一郎

フィクションの倫理[随筆]/平野啓一郎

バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ/津村記久子

ノーベル文学賞と「いい女」[随筆]/水村美苗

聖堂を描く/田中慎弥

小説の書かれ方[随筆]/高村 薫

デカルコマニア“R”/長野まゆみ

往復書簡/岡田利規+飴屋法水
無神論者による神さまに向けたパフォーマンス

第三次世界大戦における人間的瞬間(柴田元幸 訳)
ドストエフスキーに出てくる深夜(都甲幸治 訳)

/ドン・デリーロ

流れ去る命と言葉[対談]/堀江敏幸+朝吹真理子

死んでも何も残さない 中原昌也自伝(抄)/中原昌也

「が」地獄[随筆]/古井由吉

【新連載】正岡子規/ドナルド・キーン  角地幸男/訳
わずか三五年の生涯で俳句・短歌・散文を革新した日本近代文学の巨星、正岡子規。その類稀なる精神の肖像画を描く。

【新連載】批評時空間/佐々木 敦
第一回・ほとんど無限そのものとしての有限について
 ――アラカワ・ゴダール・アメヤ

アンフラマンスの記憶
 ――朝吹真理子『流跡』のために/四方田犬彦

生き延びるためのアメリカ文学(三十四)/都甲幸治
 引き延ばされた時間――ドン・デリーロ『ポイント・オメガ』

■本
・山田詠美『タイニーストーリーズ』/江南亜美子
・町田 康『人間小唄』/岡井 隆
・よしもとばなな『どんぐり姉妹』/加藤典洋
・角田光代『ツリーハウス』/野崎 歓
・大澤信亮『神的批評』/山城むつみ

■連載
・マザーズ(十二)/金原ひとみ
・空に梯子(十二)/角田光代
・フィルムノワール/黒色影片(十三)/矢作俊彦
・還れぬ家(二十一)/佐伯一麦
・幸福の森(三十七)/加賀乙彦

◆第43回《新潮新人賞》応募規定

編集長から

創造の乱気流
◎《小説家52人の2009年日記リレー》と題し、52人の小説家の日記を一挙掲載したのは今年3月号。時代精神の激動を文芸誌がいかに表現できるか。そう考えての特集だった。だが11年1月号を発表する今、政治・経済・文化の流動は激しさを増すばかりだ。ならば創刊107年目に突入する小誌も世界の乱気流にシャッフルされながら、創造的な乱気流を生み出したい。本号での創作・随筆・対話・往復書簡の多種多様な集まりはその第一歩だ◎映像や音響がコンピュータにより自動生成され、しかもそこに「美」が宿りうることは既に自明の事実だ。では、人間精神の根幹をなす「言語」において、自動生成はいかにありうるのか。そのとき「人間」や「精神」は無傷でいられるのか。巻頭作である円城塔氏「これはペンです」(130枚)は、この問題に挑みつつ、同時に「書く」ことの発見と「読む」ことの歓びに充ちた快作だ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞