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■■特別付録CD■■[音声劇]瘋癲老人日記 [原作・主演]谷崎潤一郎

新潮 2011年5月号

(毎月7日発行)

特別定価1,153円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/04/07

発売日 2011/04/07
JANコード 4910049010518
定価 特別定価1,153円(税込)

〈芥川賞受賞第一作〉
寒灯/西村賢太
同棲する女との蟠りの日々。現代私小説の旗手が放つ負のオーラは一層光り輝く!

〈新潮新人賞受賞第一作〉
いこぼれのむし/小山田浩子
大企業オフィスに張り巡らされた人間関係の巣。そこには奇妙な「虫」が蠢いていた。

祖母の大事(100枚)/中上 紀
子宮がなくとも母になれる。血を越えた命の絆。

梨の花咲く町で/森内俊雄

バックベルトの付いたコート/ミハイル・シーシキン  沼野恭子/訳・解説

■連載小説
・空に梯子(十六)/角田光代
・フィルムノワール/黒色影片(十六)/矢作俊彦
・慈雨の音(十八)/宮本 輝
・幸福の森(四十一)/加賀乙彦

■新潮
・鉄道と帰宅――3月11日のこと/青木淳悟
・長い記憶とこれからの対話/間宮 緑
・ファッションの批評の可能性/蘆田裕史
・世界をセルフビルド化する/藤原徹平

◆第44回《新潮新人賞》応募規定

◆◆ 特別付録CD ◆◆
[音声劇]瘋癲老人日記
[原作・主演]谷崎潤一郎
あの大谷崎が代表作の瘋癲老人役を熱演! 約半世紀前に収録・放送された幻の音声劇を初CD復刻!

[試聴記]河野多惠子/町田 康/多和田葉子/いとうせいこう/桐野夏生/湯浅 学/朝吹真理子/サイモン・マクバーニー

音声劇「瘋癲老人日記」台本

交換日記/岸本佐知子+赤染晶子

独裁と錯視 二十世紀小説としての『巨匠とマルガリータ』/加藤典洋

【追悼】谷沢永一さんの思い出、そしてMさんのこと/坪内祐三

往復書簡 再会と別離(第四回)/四方田犬彦+石井睦美

批評時空間 第五回・HERE AFTERについて/佐々木 敦

正岡子規(五)/ドナルド・キーン  角地幸男/訳

アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
第十二回 ソーシャル化した電子書籍

生き延びるためのアメリカ文学(三十八)/都甲幸治
黄色いシボレーと蛇たち――オラシオ・カステジャーノス・モヤ『蛇と踊る』

■本
・ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』/円城 塔
・野田秀樹『21世紀を信じてみる戯曲集』/岡田利規
・桐野夏生『ポリティコン(上・下)』/佐藤 優
・青山七恵『わたしの彼氏』/古谷利裕
・高橋源一郎『さよなら、ニッポン ニッポンの小説2』/宮沢章夫


編集長から

大震災と想像力
 東日本大震災による被害にあわれた方々に、心からのお見舞いを申し上げます。人命の救助とライフラインの復旧を祈りつつ、同時に、被災地の書店で読者が本や雑誌と以前通りに出会える時が帰ってくることを願わずにいられません。
「自分の読者の一人が、今この瞬間も被災地で苦痛、恐怖、悲しみ、寒さ、飢え、渇きと戦っている姿を想像する」と、ある小説家は呟きました。その時、小説家の想像力は数百キロ離れた一人の人間の存在を生々しく感じていたはずです。文芸誌の役割が書き手と読者の「想像する」力を仲介することであるならば、小誌はこれまで以上に、強靭な想像力の賜物である文芸作品を読者に届けていきたいと思います。
 5月号では、特別付録として、谷崎潤一郎が名作『瘋癲老人日記』の卯木老人を自ら熱演した幻の音声劇(1962年ラジオ放送)をCD復刻します。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞