ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:新潮 > 雑誌詳細:新潮 2011年11月号

第43回新潮新人賞発表 滝口悠生「楽器」

新潮 2011年11月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/10/07

発売日 2011/10/07
JANコード 4910049011119
定価 特別定価996円(税込)

第43回新潮新人賞発表
【受賞作】楽器/滝口悠生
平凡な住宅街に鳴り響く未知の音楽。世界を一変させる「場所」の力!
【インタビュー】人称の自由に惹かれて

【選評】川上未映子 桐野夏生 中村文則 福田和也 星野智幸

波/黒川 創

蟻が泣いておりました[遊女考(四)]/村田喜代子

追われて/ブライアン・エヴンソン  柴田元幸/訳

ニルダ/ジュノ・ディアス  都甲幸治+久保尚美/訳

ジュノ・ディアス インタビュー  聞き手/都甲幸治

■連載小説
・爛(十)/瀬戸内寂聴
・フィルムノワール/黒色影片(二十二)/矢作俊彦
・還れぬ家(二十八)/佐伯一麦
・幸福の森(四十七)/加賀乙彦


第19回萩原朔太郎賞発表
【受賞作】青い家/福間健二
【選評】岡井 隆 高橋源一郎 平田俊子 松浦寿輝 吉増剛造

第44回《新潮新人賞》応募規定

■ 新連載 ■
吉田健一[第一回・130枚]/長谷川郁夫
日本文学の特異点にして、酒神に愛された英国帰りの「乞食王子」――その生前を知る筆者が生誕百年を前に著す、初の本格的評伝。

哲学の起源[第五回]/柄谷行人

私の小説作法/マリオ・バルガス=リョサ
寺尾隆吉/訳・解説

“フクシマ”、あるいは被災した時間(二)――追悼と確率/斎藤 環

世界同時文学を読む(四)/都甲幸治
 ジュノ・ディアス未邦訳短篇を読む

夜露死苦現代詩2.0 ヒップホップの詩人たち/都築響一
 第六回・歩け悪魔を煙にまけ――TwiGy

批評時空間/佐々木 敦
 第十一回・記録について(その2)

正岡子規(十一)/ドナルド・キーン  角地幸男/訳

アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
 第十八回・ジョブズ工房の終わり

見えない音、聴こえない絵(九十一)/大竹伸朗

■新潮
・越後のたより/津村節子
・田の浦にて/細馬宏通
・思想としての保育/國分功一郎

■本
・河合俊雄『村上春樹の「物語」――夢テキストとして読み解く』/安藤礼二
・辻原 登『韃靼の馬』/亀山郁夫
・宮沢章夫『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』/豊崎由美
・石田 千『あめりかむら』/蜂飼 耳
・宇野常寛『リトル・ピープルの時代』/濱野智史
・藤谷 治『我が異邦』/福永 信
・赤染晶子『WANTED!! かい人21面相』/藤野可織

編集長から

〈新人〉の誕生
◎第43回新潮新人賞が滝口悠生(28歳)の「楽器」に決定した。新選考陣(川上未映子、桐野夏生、中村文則、福田和也、星野智幸)による議論は例年以上に活発で緊張感に充ちてもいた。受賞作の舞台は西武鉄道池袋線沿線の街、秋津。この平凡な住宅街を、若い書き手は〈楽器〉に変容させる。瑞々しい文学的野心で、未知の〈風景〉の生成に挑む。応募総数一九三三作から選ばれた新しい書き手にぜひ御注目を!◎本号では、もうひとりの〈新人〉が登場する。そう、来年で生誕百周年を迎える吉田健一、その無名時代の姿だ。長谷川郁夫による新連載「吉田健一」は、「良家の子弟で、英国帰りで、英語がべら棒に出来て、底抜けに酒が強く、そして立居振舞が奇矯な男」をめぐる初の本格評伝であり、第一回(一三〇枚)では、ケンブリッジから昭和初期の文学シーンに忽然と現れた若者の肖像画が描かれる。未知の作家像、新たな昭和文学史がここにある。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞