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小説新潮 2007年4月号

(毎月22日発売)

特別定価901円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/03/22

発売日 2007/03/22
JANコード 4910047010473
定価 特別定価901円(税込)

特集 吉村 昭 矜持ある人生
新発見エッセイ二篇
◆吉村 昭/「わたしの普段着」
追悼エッセイ
◆緒形 拳/さいごの年賀状
追憶鼎談
◆瀬戸内寂聴
 津村節子
 大河内昭爾
 /友として、夫として、そして作家として

【極限状況を見つめる目、静かに語るその声】
ノンフィクション作家の大先達としての吉村昭
◆最相葉月/「小説になる」瞬間
◆重里徹也/吉村昭と司馬遼太郎
【特別カラーグラビア】
旅の達人の足跡を尋ねて
◆吉村昭を旅する
【名作紀行】失われたもの、残された記憶
◆佐々木 譲/『海馬』、『羆嵐』の北海道へ
【名対談再録】
◆小沢昭一×吉村 昭/なつかしの名人上手たち
【もう一度読みたい】
人生が変わる「吉村昭この一冊」
◆井上ひさし/熊谷達也/椎名 誠/関川夏央
 佐藤 優/森まゆみ/半藤一利/石踊利男
人間の不完全さを描ききった作品群
◆加賀乙彦/吉村昭の死生観

『風は山河より』全五巻完結記念特別対談
◆宮城谷昌光×宮部みゆき/つながりゆく文学の系譜

【特集 不思議の国のミステリー】
巨大な塔が一夜にして消失!?
◆霞 流一/霧の巨塔
もう一つのニッポンに炸裂する謎と論理
◆石持浅海/参勤交代は知事の務め
「計測機」があたしに見せたもの
◆西澤保彦/幼児がたり
目より耳が確かなことも…
◆沢村 凛/聴覚の逆襲

〈最後の落語家〉語り下ろし自伝
◆立川談志・吉川 潮/談志一代記
雪の国からアジアジ麺の旅! 北北海道大会篇
◆椎名 誠/麺の甲子園

【最強の連作陣】
村内先生シリーズ、涙の最終回
◆重松 清/カッコウの卵
交わっているのに交われない…
◆阿刀田 高/六郷橋まで

短期集中連載最終回
◆野中 柊/プリズム

連載エッセイ
◆山田詠美/アンコ椿は熱血ポンちゃん
◆河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

【好評連載小説】
警官の血/佐々木 譲
ソロモンの偽証/宮部みゆき
仮想儀礼/篠田節子
知りすぎた男たち(第一部 完)/藤原正彦
鬼哭鬼九郎/高橋克彦
月明かり(最終回)―慶次郎縁側日記―/北原亞以子
【コラム招待席】
想い出TVジョン/荒山 徹
腹立ち日記/…犬養裕美子
わが師の恩/海道龍一朗
ああ、恥ずかし/有吉玉青
【コラム&エッセイ】
新記録・珍記録/塩田丸男
川柳うきよ大学/小沢昭一
映画小僧参上!/立川志らく
昼下りの洋二/高橋洋二
しりとり漫畫/フジモトマサル

〔連載マンガ〕二階堂正宏 福山庸治

第十回伊豆文学賞発表
読者の声
次号予告

◇第十九回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
◇第四回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項

編集長から

吉村昭を旅する
 昨年七月に世を去った吉村昭氏は、その前年まで本誌に「わたしの普段着」と題するエッセイを連載し、やがてそれは一巻にまとめられた。舌癌と闘いながらのことである。氏の死後、書斎から「小説新潮」と但し書きの付された紙袋が見つかった。その中には、二篇のエッセイの原稿が遺されていた。
 この新発見原稿を中心に特集を組んだ。題して「吉村昭 矜持ある人生」。緒形拳氏による追悼文、瀬戸内寂聴氏と津村節子氏、大河内昭爾氏の追憶鼎談。最相葉月氏の作品論、佐々木譲氏が吉村作品の舞台を訪ねた名作紀行、そして八者八様の「人生が変わる吉村昭この一冊」。
 氏の最期は大きな波紋を呼んだ。しかし、若くして肺結核で大手術を受けた氏にとって、生と死は常に傍らにあった。己を律し、他者を思い、屈せず驕らず。加賀乙彦氏が寄せた「吉村昭の死生観」にあるように、それは矜持ある生涯にふさわしい「見事な死」だったと思われてくる。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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