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特集:一富士二鷹 新春小説

小説新潮 2010年1月号

(毎月22日発売)

特別定価901円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/12/21

発売日 2009/12/21
JANコード 4910047010107
定価 特別定価901円(税込)

【特集:一富士二鷹 新春小説】

◆曽野綾子/生活者たち
──東京郊外の分譲地。ここでの暮しが妻を幸せにするはずだった

◆角田光代/こともなし
──可愛い娘、何も言わない夫、なのになぜ気になる、届かない恋

◆重松 清/ポニーテール
──近いけど遠い。脆いけど強い。マキとフミ。姉妹という絆──

◆荻原 浩/ゴミ屋敷モノクローム
──悪臭と不用品で覆われた砦に籠る老婆が、笑顔に秘めたもの

◆帚木蓬生/抗命
──コヒマで軍命に抗した中将。精神鑑定で軍医が見た真実は

◆諸田玲子/パエリア
──しがない営業マン、恋人の実家訪問に履いていく靴がない

◆藤田宜永/返り咲き
──向かいで始まった新築工事。長年の現場監督と雄の血が騒ぐ

◆北村 薫/コンジョ・ナシ 飲めば都
──社内一の軟弱編集者は如何にして上司の怒りに火を点けしか

◆真山 仁/一俵の重み
──官僚は土だ。仕分け人にも大臣にも楯突くキャリアの気骨

◆薬丸 岳/絆
──性同一性障害に悩む鮎川紗織刑事に訪れた、運命の出会い

◆橋本 紡/蕎麦前
──老舗の蕎麦屋の女将・久子の気がかりは過去から来た男

◆江上 剛/ある行員の死
──働き盛りの行員が命を絶った。不祥事続きの銀行に何が…

◆垣根涼介/張り込み姫 君たちに明日はない PART3
──現場一筋。雑誌の休刊で彼女が選ぶのは「会社」か「仕事」か

【気鋭の集中連載スタート!】

◆福田和代/タワーリング
──超高層ビルのエレベーターで小さな異変。
そこから巨大な企みが動き出す――
クライシス・ノベルの新鋭が放つ、極上の緊迫感!

◆宮木あや子/ガラシャ
──終生、父・明智光秀を慕いつつ、
キリシタンとして死んだ細川ガラシャ。
恋愛官能小説の若き星、戦国歴史小説に初の挑戦

いよいよ佳境へ
◆海堂 尊/マドンナ・ヴェルデ

【特集:テレビ有頂天時代】

【ぼくのローリング80's】
◆高平哲郎/今夜は最高な日々
──ザッツ・エンタテインメント! 歌って踊って洒落たトークに笑って──伝説の長寿バラエティ『今夜は最高!』の、出発から終焉まで

【スペシャルインタビュー】
◆柴門ふみ/漫画の流儀、ドラマのルール
──とある俳優の出演を、ドラマ化の条件にしたこともありました……高視聴率ドラマの産みの親が語る、テレビ局とのオトナの付き合い

【夢中だった日々】
◆山田美保子/私の歌番組狂騒曲
──かつてテレビは歌で溢れていた。「夜ヒット」から「ザ・ベストテン」まで、全てを追っかけていたコラムニストが見た、歌番組の裏と表

【追悼 森繁久彌】
◆黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと
──「一回どう?」誘われ続けたけれど…テレビ草創期から間近で見てきた名優の素顔

【傑作シリーズ】
北原亞以子/横たわるもの(三)慶次郎縁側日記

【好評連載小説】
赤川次郎/子子家庭のサンタクロース 前編
飯嶋和一/星夜航行
石田衣良/明日のマーチ
北森 鴻/鏡連殺
高橋克彦/鬼哭鬼九郎 最終回
楡 周平/虚空の冠
貫井徳郎/灰色の虹
宮部みゆき/ソロモンの偽証

櫻井よしこ/母と過ごす至福の日々

【連載エッセイ】
嵐山光三郎/文士の舌
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

第二十二回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第六回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

物語と言葉の力
 雑誌の苦戦が伝えられる。一時代を築いた有名雑誌の休刊が立て続けに報じられた。要因は様々絡み合っているのだろうが、インターネットの影響が甚大なのは確かだ。種々雑多な情報が手軽に取り出せるインターネットは、雑誌にとって途方もなく巨大なライバルである。
 それでは、雑誌は何ができるのか。とりわけ小説誌は? その答が、あるいは夢が、今月の特集「一富士二鷹 新春小説」にあると信じる。曽野綾子氏を始め、ずらりと並んだ十三の読切短編。ここにあるのは情報ではなく、物語だ。雑多ではなく、粒揃いの上質だ。手軽さではなく、研ぎ澄まされた言葉だ。
 もう一つの特集は「テレビ有頂天時代」。高平哲郎氏が伝説のバラエティを、柴門ふみ氏がトレンディドラマと漫画の関係を、山田美保子氏がみな夢中だった歌番組を、時に熱く、時に冷徹に語る。ここにも、そしてもちろん数々の連載小説とエッセイにも、物語と言葉の力は強大に宿る。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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