ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2010年2月号

特集:時代小説 人生行路

小説新潮 2010年2月号

(毎月22日発売)

特別定価901円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/01/22

発売日 2010/01/22
JANコード 4910047010206
定価 特別定価901円(税込)

【特集:時代小説 人生行路】

【蓬莱屋帳外控】
◆志水辰夫/旅は道連れ
──逆巻く濁流、村を裂く山津波。鶴岡からの帰路、宇三郎に縋る厄介な道連れが次々と。凄絶なサバイバル道中!

【新シリーズ開幕】
◆宇江佐真理/古手屋 喜十
──江戸は浅草の田原町で、古着屋を営む喜十とその妻おそめ。ある晩遅く、持ち込まれた女物の黄八丈には、血の痕が…

◆諸田玲子/春いちばん お鳥見女房
──火事だ。また付け火か……。珠世は謎の娘を匿うことになるが

◆藤原緋沙子/秋つばめ 坂物語
──坂の上に、夫の女が――。失望と未練に揺れるお幸が選ぶのは

◆西條奈加/蛤鍋の客
──江戸有数の料理茶屋に奉公に来たはずが、連れ込み宿とは!

【読切連載スタート】
◆畠中 恵/ゆんでめて しゃばけ
──屏風のぞきが行方不明で、若だんなが一人で捜しに行ったってぇ!?

【『キケン』刊行記念】
◆有川 浩/キケン 番外編
──【機研】の部室を賭けた決闘に、新入生の上野と大神が挑む!

【座談会】有川 浩×徒花スクモ×渡辺優史/『キケン』創作現場から、お届けします。

【作品&キャラクター紹介】『キケン』とは…

【待望の新連載開始】
◆白川 道/神様が降りてくる
──服役の過去は封印したはずだった。その娘が現れるまでは

【傑作読切】
◆阿刀田 高/ベニスと手袋
──海外出張帰りに訪れたベニス。感傷旅行のはずだったのに…
◆北村 薫/智恵子抄 飲めば都
──男女の仲は分らない。自分の周囲ぐるりと見て、都さん飲む
◆乃南アサ/凋落
──これはストーキングなのか、私が監察官と知ってのことか?

【集中連載第二回】
◆福田和代/タワーリング
──我々はこのビルの全てを制御した――。犯人が出した要求は
◆宮木あや子/ガラシャ
──戦国の世、女の運命は儚い。光秀の謀反で玉子も罪人の娘に

【煩悩解剖対談】オトナのための脳科学
◆池谷裕二×中村うさぎ
──脳は身体を騙し、身体が脳を導く。実例が明かす奇妙な関係

【特集:「慶次郎縁側日記」の世界】

「慶次郎縁側日記傑作選」刊行記念対談
◆寺田 農×北上次郎/僕らが好きな「慶次郎」
──好きな話を一つだけ選ぶとしたら――熱烈ファン二人の結論は

作品案内
◆今日から「慶次郎縁側日記」を読むために

スペシャル・インタビュー 脇役のひとり言
◆石橋蓮司/奥田瑛二/遠藤憲一
──ドラマの「慶次郎」を支えた名脇役が語る、役柄への熱い思い

教養講座
◆山本博文/慶次郎の歩いた江戸
──読めば慶次郎の暮す時代が見えてくる、ファン必携の手引き書

一筆啓上 拝啓 気になるあなた様へ
◆畠中 恵/米村圭伍/渡辺貞夫
──口では言えないことも筆を取れば…北原ワールドへ三通の手紙

シリーズ最新作
◆北原亞以子/松の内 慶次郎縁側日記
──八丁堀の正月は酒また酒。なのに慶次郎にはお役目が舞い込んで…

【集中連載最終回】
海堂 尊/マドンナ・ヴェルデ

【好評連載小説】
赤川次郎/子子家庭のサンタクロース 後編
飯嶋和一/星夜航行
石田衣良/明日のマーチ
北森 鴻/鏡連殺
貫井徳郎/灰色の虹
宮部みゆき/ソロモンの偽証

【連載エッセイ】
嵐山光三郎/文士の舌
柴門ふみ/恋のタネ
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

第二十二回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第六回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

時代小説の魅力
 隣人の悩みを拾いたいという気持で書いている――本誌の看板シリーズ「慶次郎縁側日記」の著者、北原亞以子氏はそう語った。じつに百四十二話を数えるシリーズには、現代と変らぬ人々の怒りと悲しみ、小さな喜びがぎっしり詰まっている。江戸の風物の中で、それらは一層深く鮮やかに描き出される。
 今月の特集は「『慶次郎縁側日記』の世界」。寺田農氏と北上次郎氏の熱烈対談、山本博文氏の江戸特別講座、渡辺貞夫氏らから登場人物や北原氏に宛てた手紙――。シリーズの魅力は脇役の魅力でもある。ドラマ版で人気の脇役陣を演じた石橋蓮司、奥田瑛二、遠藤憲一各氏のインタビューも収録。トリはもちろん、シリーズ最新作「松の内」。
 小説特集も題して「時代小説 人生行路」。志水辰夫氏の中編百六十枚、宇江佐真理氏の新シリーズ、畠中恵氏の「しゃばけ」新作ほかの全六編。さらに有川浩氏の『キケン』刊行記念番外編と、前代未聞の創作現場座談会も必読。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞