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【特集:「八百字の宇宙」】八十八人の作家が挑む、「原稿用紙二枚で何ができるか?」

小説新潮 2011年1月号

(毎月22日発売)

特別定価1,047円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/12/21

発売日 2010/12/21
JANコード 4910047010114
定価 特別定価1,047円(税込)

創刊八百号記念特大号

一九四七年の創刊から、今号で通巻八〇〇号を迎えた。
よくぞここまで、と思う。
自画自賛で言っているわけではない。
この数字は、編集部の記録ではないのだから。

商業出版として雑誌を出している以上、編集部がどれだけ作りたいと願っても、
購読してくれる読み手がいなければ、雑誌は発行できない。
また、購読欲を刺激する書き手に寄稿してもらえなければ、継続的な刊行には至らない。
つまり、この八〇〇という数字は、読み手と書き手の記録なのだ。

これまで小誌に関わり、手に取ってくれたすべての人に心からの感謝を込めて、この記念号を捧げる。

【特集:「八百字の宇宙」】
八十八人の作家が挑む、「原稿用紙二枚で何ができるか?」
赤川次郎/朝井リョウ/朝倉かすみ/あさのあつこ/阿刀田 高/我孫子武丸/安部龍太郎/荒山 徹/有川 浩/有栖川有栖/安東能明/池澤夏樹/伊坂幸太郎/石田衣良/乾 ルカ/井上荒野/宇江佐真理/上橋菜穂子/宇月原晴明/江上 剛/江國香織/逢坂 剛/大沢在昌/奥泉 光/奥田英朗/長部日出雄/恩田 陸/海堂 尊/梶尾真治/鹿島田真希/川上弘美/川島 誠/北村 薫/京極夏彦/熊谷達也/車谷長吉/小池真理子/小手鞠るい/近藤史恵/坂木 司/佐藤賢一/佐藤友哉/椎名 誠/小路幸也/白石一文/白川 道/鈴木光司/平 安寿子/田口ランディ/唯野未歩子/俵 万智/団 鬼六/千早 茜/辻村深月/恒川光太郎/仁木英之/西 加奈子/貫井徳郎/ねじめ正一/乃南アサ/法月綸太郎/畠中 恵/花村萬月/林 真理子/原田宗典/樋口毅宏/平山夢明/福澤徹三/藤田宜永/本多孝好/真山 仁/道尾秀介/三羽省吾/湊 かなえ/宮城谷昌光/宮下奈都/宮部みゆき/森見登美彦/諸田玲子/椰月美智子/山田詠美/唯川 恵/米澤穂信/米村圭伍/連城三紀彦/渡辺淳一/和田 竜

【新春読み切り饗宴8本】

◆荻原 浩/チョコチップミントをダブルで
――年に一度だけ、僕たちは父娘に戻る。今年の誕生日は、どこに誘おう

◆角田光代/平凡
――有名人になった旧友との再会で、紀美子の日々は突然華やいだが……

◆重松 清/お鍋とチョコと春一番
――鍋を囲んで楽しいはずの家族の食卓。でも、マキの心は冷たくなって…

◆篠田節子/トマトマジック
――イタリア料理にピンクのシャンパン、女五人の優雅な午餐を襲った悪夢

◆志水辰夫/なまくら道中
――半人前の相棒が足枷だった。善光寺まで隠密行、背中には仏像……

◆曽野綾子/無口
――アフリカを放浪する日本人医学生。退屈しのぎに訪ねた病院で異変が

◆帚木蓬生/軍医候補生
――まだ医師の免許も取らぬうちに、青年は戦争へと駆り出されていった

◆山本文緒/菓子苑
――また一緒に暮らしたいと胡桃は言う。でも私は、耐えられるだろうか

【八百号記念特別対談I】
◆沢木耕太郎×井上陽水/いつかの続き
――あれから十六年。再び語る時代小説、ギャンブル、そしてこれから

【八百号記念特別対談II】
◆高橋克彦×島田荘司/東洲斎写楽はどこにいる
――ミステリ界の両雄が、歴史の狭間に消えた謎の絵師の残像を追う

◆葉室 麟/「歴史のみち」を旅して 八〇〇号記念紀行
――正史に埋もれた人々に思いを馳せて、晩秋の薩摩、そして肥後へ

【好評連載小説】
あさのあつこ/たまゆら 最終回
荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
飯嶋和一/星夜航行
池井戸 潤/鋼のアリス
石田衣良/明日のマーチ
大沢在昌/冬芽の人
今野 敏/転迷 隠蔽捜査4
佐々木 譲/警官の条件
小路幸也/荻窪 小助川医院
白川 道/神様が降りてくる
楡 周平/虚空の冠
原田マハ/夢をみた J'ai reve
宮部みゆき/ソロモンの偽証
山本一力/べんけい飛脚

【連載エッセイ・コラム】
柴門ふみ/大人の恋力
酒井順子/徒然草REMIX
櫻井よしこ/母と過ごす至福の日々
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
沢木耕太郎/恐怖の報酬 ポーカー・フェース
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん

黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと

【江戸のもてなし】
巻頭グラビア/福田 浩・松下幸子
連載エッセイ/松井今朝子

【12ヶ月連続 総天然色付録】しゃばけ花札

第七回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一 最終回
編集後記

編集長から

創刊八百号記念特大号
「小説新潮」2011年1月号は、なんと創刊八百号に当たります。新年号ということで、ただでさえお目出度いというのに、八百というキリのいい数字が加わって、まさに盆と正月が一緒に来たかのよう。
 八百という数字には、ただキリがいいという以上の意味はありません。ですが、せっかくなので、それにかこつけてお祭り騒ぎをしてみようと思い立ちました。
 なので、新年号は特別企画が目白押し!

 まず久々に対談を二本。
 沢木耕太郎×井上陽水 「いつかの続き」
 高橋克彦×島田荘司 「東洲斎写楽はどこにいる」

 沢木さんと井上さんは、実は小誌の六百号記念号でも対談をしていただいています。そのときのお話も出て来たりして、だから「いつかの続き」というタイトルでもあるわけですが、もちろん今回単独で読んでいただいて、まったく問題ありません。前回の対談の内容が気になる方は、文庫版『深夜特急6』の巻末に収録されていますので、予習しておいていただくのも、いいかもしれません。

 高橋さんと島田さんの対談は、謎の画師「写楽」について、です。『写楽殺人事件』でデビューし、浮世絵の専門家でもある高橋さんと、『写楽 閉じた国の幻』でまったく新しい写楽像を描き、年末のミステリランキングを賑わせている島田さんとの対談。ミステリファンのみならず、浮世絵ファン、江戸ファン、写楽ファンも必読です。

 そして、史上最大規模(当社比)でお送りする今回の特集は、「八百字の宇宙」。
 原稿用紙二枚でなにが出来るか? ということで、八十八人の作家の方に、ご寄稿いただきました。ショートショートからエッセイ、そして視覚に訴える超絶技巧まで、ありとあらゆるヴァリエーションをお楽しみいただけると思います。
 広告や目次を見ていただければ分かりますが、とにかく豪華な執筆陣。八百字とはいえ、これだけの顔ぶれが並ぶのは、そうそうないはず。読み逃す手はありません。

 年末年始は、是非ご家族で「小説新潮」を楽しんで下さい。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞